シリア難民支援速報

ジャパン・プラットフォームの学校訪問

2017.11.16

JENの支援活動は、国連ユニセフやジャパン・プラットフォームとのパートナーシップにより実施されています。

10月23日、24日、25日に、ジャパン・プラットフォーム東京本部から2名の職員がヨルダンを訪れ、このうち2日間はJENが昨年2016年から2017年4月までの約1年で実施した事業のモニタリングを行いました。
この1年ではジャパン・プラットフォームやユニセフの助成により、シリア難民生徒を受け入れて老朽化が加速したホストコミュニティの公立校のトイレ・洗い場などの水衛生施設整備の向上、また生徒への衛生促進活動を実施することができました。

ジャパン・プラットフォームの職員には、事業がすでに終了した学校で現在の水衛生施設状況を視察してもらいましたが、施設を清潔に保つ努力をしている学校だけでなく、衛生的に保たれていない学校も対象です。
ヨルダンの男子校では一般的に、自助努力による学校施設の維持管理が喫緊の課題となっています。ただし、私たちの目にはどんなに非衛生的に映っても、現地の人びとは「JENの支援事業によって衛生状況や生徒の態度がはるかに改善・向上した」と嬉しそうに話してくれました。

【衛生的に保たれていない学校の例】
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ヨルダンには公立校における水衛生施設の維持管理基準があり、このような学校は維持管理基準では平均を下回りますが、それでも学校は改善・向上の兆しが見られていると前向きに受け止め、一歩一歩あきらめずに努力を続けています。今回ジャパンプラットフォームにこのような学校があることも知っていただくことが出来ました。

【ジャパン・プラットフォームによるモニタリングの様子】
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ヨルダンの公立校の施設維持管理の良し悪しは、学校長や教員のモチベーションにかかっていると言っても過言ではありません。たとえ今は維持管理の基準値を満たしていなくても、努力を継続していくことが大事なのです。そのため、JENの職員は、事業が終了した後でも学校を度々訪問してモニタリングを実施し、教員と話し合う機会を大切にしています。

 

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設営から5年、困難を乗り越え続けるザータリキャンプ

2017.10.19

私の名前はアリ・アルジャドアです。私は現在、JENのアドミンマネージャーをしています。
2013年2月にコミュニティ動員マネージャーとしてJENで働き始めました。その頃、JENはザータリキャンプで衛生促進活動と衣類配布を行っていました。

【コミュニティでの衛生セッション】
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【2013年に行われた衣類の配布】20171019_JD_02_cloth

ザータリキャンプは、シリア危機が始まった後2012年の7月に開設されました。ヨルダン国内、シリアとの国境から13kmのところにあります。ザータリ村に開設されたため、ザータリキャンプと名づけられました。キャンプの広さは6 km2に及びます。
キャンプ開設当初は、シリアの人びとは、安全な地を求め、荷物を何も持たずに自分たちの地を離れることを余儀なくされていました。彼らはヨルダンとの国境へと辿り着つくと、ヨルダン軍のサポートを受けてザータリキャンプにやって来ました。

【2013年のザータリキャンプ】
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【ザータリキャンプでの給水タンク設置】
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日々、想定以上の大量の難民が次々とやってきて、NGOの支援が間に合わず、難民は不満を募らせていました。一方でNGO職員もまた、難民の受け入れから彼らが尊厳を持って生活できるようになるまで、多くの課題に直面してきました。

キャンプへの入居に際しては、到着後に各世帯単位で(1世帯平均5人)、キャンプの入り口に設けられたUNHCRの登録所にて登録を行います。その後、テントとマットレスを受け取り、コミュニティ動員スタッフによって、割り当てられた場所へと案内されます。毎日水と食料が配布されなければいけませんし、食料以外の生活必需品も必要です。また、医療サービス、高齢者・障がい者・新生児に対する公共サービスも確保されなければいけません。

キャンプへやってくる難民の数は、平均すると毎日100~200人でしたが、日によってはその数が3000人に昇ることもありました。その状況では、NGOが理想とする支援を実施することの難しさが容易に想像できると思います。

私は、シリア難民がザータリキャンプにやってきて定住するまでに、私たちのような人道支援団体が直面した困難や、何もなかったこの地が街のように変化を遂げたこの5年の間に起こった、キャンプ内の様々な進歩を多くの人に知ってほしいと思っています。

私は、難民が尊厳をもって生きられるよう尽力し、直面する課題に対応してきた全ての人道支援スタッフに感謝したいと思います。

【上下水道の整備】
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子どものための安全教室

2017.06.22

5月27日より開始したイスラム歴の「ラマダン(断食)」月も、最後の週に突入しました。JENのキャンプスタッフは、勤務時間を短くしながらも、日中は水と食べ物を一切とらずに活動を続けています。

ラマダン中も、以前にご紹介したザータリ難民キャンプの上下水道網の建設は続きます。
通常より活気のない建設工事現場でも、住民、建設業者、各支援団体スタッフが安全を配慮しながら建設に携わっていかなくてはいけません。

現在まで、大きな事故は発生していませんが、建設現場にある重機や掘られた穴、設置された水道管などに興味を持つ子どもの安全対策は徹底しなくてはいけません。

そこで、JENを含む、水と衛生分野で支援活動を実施している団体は、キャンプに住む子ども向けに、建設現場に関する安全教室を実施しています。教室は、キャンプ内にある学校やマカニセンター(私の場所)と呼ばれる、特に脆弱性の高い未成年に教育を中心に心理的ケアを提供する場所で行いました。

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【注意喚起を促す看板】

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【子どもの建設現場の興味は尽きない】

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【建築現場には子どもにとって魅力的な重機も】

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【注意喚起の安全ポスター】

安全ポスターを使って子ども達に「してはいけないこと」を伝えました。例えば、建設現場の安全テープが張られている敷地内に入らないこと。そして、重機に近づかないこと。

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【みんな、真剣に聞いています】

上下水道網建設において、JENは建設業者のサポートを行いますが、それ以上に大切なのは、コミュニティのサポートをすることです。子ども、大人、高齢者、障がい者の方々、そして全住民が安全に過ごす中で、生活レベルをあげるための水インフラの建設を進めることができるよう尽力していきます。

 

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ザータリ難民キャンプでのトイレの設置と改修

2017.05.25

私はザータリ難民キャンプでトイレの設置・改修事業のアセスメントを担当しているモハマッド・アブ・シアムです。きょうはこの事業についてお話したいと思います。

ザータリキャンプは2012年に開設され、ここに避難してきた人びとは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から提供されたテントに住んでいました。トイレやシャワーを含む公共の水衛生設備や台所もUNHCRによって作られ、キャンプ内の地区中で、共同で使われました。しかし、時間の経過により、共同トイレの不便さや、夜間の安全上の問題もあり、キャンプの住人は自分たちの住まいの中にトイレを設置し始めました。

自分でトイレを作る人もいれば、そういった技術を持っている人に頼んで作ってもらう人もいました。その結果、共同トイレを使う人が徐々に減り、それにつれて共同トイレはすたれていき、使用されなくなった施設は解体されました。

その一方で、トイレ設置の技術やお金がないために、自分の住まいにトイレを設置できない家族もいました。また、何とかトイレを設置できたとしても、床に穴を開けただけのもの、周りに壁がないもの、換気設備がないものなど様々で、どれもキャンプの水衛生支援関連団体により定められた最低基準を満たしていないものでした。

JENはこのような問題を解決するためにトイレの設置・改修事業を始めました。
トイレ事業は、家庭のトイレ事情を改善することにより、難民たちが尊厳を持って生活できるよう、2016年4月にスタートしました。第一段階では自分たちのトイレのない世帯のためにトイレを設置し、第二段階では、キャンプ内の最低基準を満たしていない既存の世帯のトイレを改修しました。

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【事前調査の中で訪ねた家の、壁もドアも屋根もないトイレ】

事前調査チームは、メンテナンスチームのスタッフ3人と地域動員チームのスタッフ3人から構成されていて、事業実施前に研修を受けました。事前調査は二人一組で、設定された基準に基づいて行いました。まず地域動員チームのスタッフにより改善が必要なトイレかどうかを事前評価し、次いで住民から必要とされていることや計測等技術的な事前調査を行いました。

事業を進める中で多くの困難に直面しましたが、中でも、私たちの事前調査を地域が受け入れてくれるかが大きな挑戦の一つでした。なぜなら住人である難民の人びとは、トイレの改修工事のタイミングでキャンプ内では入手の難しい、住宅建材などを手に入れて少しでも自分たちの生活環境を良くしたい、とういう思いがあるからです。

私たちが評価対象にした約1850世帯の内、50世帯がJENのアセスメントを断り、また部分的な改修も断りました。私は責任者としてその家族を訪ね、JENの基準や彼らの家のトイレの状態について説明しました。

ある家族は考えを変え、私たちの提案を受け入れましが、ある家族は屋根やドアなど新しくしてもらいたい部分をわざと壊し、JENのスタッフを説得して欲しい建材を手に入れようとしました。

以下は、難しかった事例です。
私たちの事前調査によると、その世帯はトイレ設置にドア1枚と壁1枚が必要でした。彼らは最初この設置提案を受け入れていたものの、工事当日に考えを変え、トイレの設置を今ある場所でなく、家の外に新設することを求めてきました。私はその家族を再度訪ね、JENの基準と彼らの家のトイレの状態を説明しました。しかし、彼らはJENの決定を受け入れず、トイレの改修を断りました。結果的に私の上司の説得も、メンテナンスチームの説得も成功しませんでした。

もう一つの大変だったのは時間が限られていることでした。この事業では、JENが担当するザータリキャンプ3地区全てを13カ月で網羅しなければなりませんでした。一軒一軒の家庭の状況は様々で、メンテナンスチームはそれに合わせて異なるやり方で仕事をしなければなりませんでした。事業の期限を守りながらも仕事の質を保つため、メンテナンスチームのスタッフ数を増やし、さらにトイレ設置後の事後調査も実施しました。

事業期間を通して、2300世帯で事前評価を行い、1850以上の世帯で技術の事前調査を実施しました。そして、新しいトイレを168基設置し、1783基のトイレを改修しました。この結果はチームワークによる大きな成果と言えます。

私はJENで働き始めて2年になります。JENのスタッフとしてシリア難民を支援できることを誇りに思います。トイレ事業のあと、現在は上下水道網の建設サポートに携わっています。JENでの仕事を続け、人道支援の分野でさらに経験を積みたいと思っています。

JENヨルダン
コミュニティ モビリゼーション ネットワーク・オフィサー
モハマッド・アブ・シアム

 

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水供給ネットワークと排水路の建設

2017.05.11

ザータリ難民キャンプでは、世界でも類をみない難民キャンプでの大規模な上下水道の建設が行われています。この工事が完成する予定の2018年には、井戸から直接各住居まで飲料水が送られ、各住居の汚水はキャンプの南側に位置する汚水処理場に送られることになります。

そうすることで、現在、ほぼ毎日のように給水トラックがキャンプ中に設置されている貯水タンクに水を入れることも、汲み上げトラックが地下にある浄化槽から汚水を汲み上げる作業もなくなり、大幅なコスト削減や交通事故の削減が期待できます。

JENの大きな役割は「コミュニティを巻き込んだ建設サポート」や「建設業者のモニタリング」をすることです。

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【例えば、安全がしっかり確保されているかをチェックすること】

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【例えば、住民に事前に工事スケジュールや注意事項を伝えること】

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【例えば、ヨルダンの建設業者に雇われた、キャンプ住民の雇用ルールがしっかり守られているかチェックすること】

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【週末もJENスタッフは出勤して、モニタリング活動を実施します】

難民キャンプ住民、支援団体、ヨルダン建設業者、キャンプ内の警察が一丸となって取り組む大型建設プロジェクトです。JENは、いかにして住民を巻き込み、住民が自分のコミュニティを良くするために積極的に参加できる仕組みを考えながら、他の関係者と協力しながらこのプロジェクトの完成に貢献していきます。

 

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