シリア難民支援速報

住環境の改善に向けて

2017.08.24

8月も半ばにさしかかりましたが、ザータリキャンプでは相変わらず40℃近い暑さが続いています。

JENは、今年からザータリキャンプ内の最脆弱世帯に焦点をあてた、生活向上支援に着手しています。

ザータリキャンプでは、家族6人に対して3メートル×5メートルのコンテナ(キャンプ内では「キャラバン」と呼ばれています)が一つ提供されています。

それだけでは、生活をするには狭すぎるため、多くの家庭では、キャラバンの外にトタン板で屋根や壁を作り、そこにキッチンやトイレ等のスペースを作ることで、居住空間を広げて生活しています。

ザータリキャンプは荒野の上に作られたキャンプで、石などが多く平らではないため、多くの家庭では、その延長した空間に、コンクリートを敷いています。

しかし、車いす生活の方がいる世帯、介護が必要なお年よりが複数いる世帯、子どもがたくさんいる母子世帯等の中には、働いて現金収入を得ることが難しい家族も多く、平らではない土の床のままで、不便な生活を続けている家族が見受けられました。

そこでJENでは、8世帯にコンクリートの床を作り、生活が少しでも良くなるようにお手伝いをしました。

ここからは作業の様子を写真にてご覧ください。

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【意気揚々と材料を運ぶJENスタッフ】

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【トタン板に囲まれた家の中、毛布の下はこのように土の床があるだけです】

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【セメントを混ぜています】

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【土の床の上にコンクリートを均等に素早く広げていき】

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【1日がかりで完成しました!】

JENでは今後も、キャンプ内の最脆弱世帯に寄り添い、彼らのニーズに合わせた支援を続けていきます。

 

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ウィッキング・ベッド(貯水型苗床)の作り方

2017.08.03

ザータリキャンプでは、40℃を超す日々が続いています。ただでさえ少ない水の量がさらに限定される季節です。

そんな中、JENでは、節水型ガーデンプロジェクトを進めています。このプロジェクトの一番の特徴は、1日に2リットルしか要さない貯水機能付き苗床を利用するところです。この苗床を住民に配布し、花やハーブを育ててもらい、生活のよりどころにしてもらえれば、と考えています。

小さいスペースでも植物を育てられる、ウィッキング・ベッドの作り方を簡単にご紹介したいと思います。

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【写真上は、完成版です】

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【1. 1メートル×1メートルのコンテナを用意します】

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【2. このコンテナの底に水を流し入れるパイプを装置します。このパイプから水がしみ出るように小さい穴をあけておきます】

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【3. 砂利を敷きつめます】

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【4. 砂利の上に、赤土やコンポストを載せます】

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【5. 植物の苗を植えます】

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【6. 強い日差しを遮るためのネットを張ります】

7. 出来上がったら、水が十分に苗床に染み渡るように、約200リットルの水を少しずつ流し入れていきます。その後は、水がパイプを通り、土を介して下から上がっていく仕組みを利用し、毎日2リットルの水を流し入れ、植物を育てていきます。

このウィッキング・ベッドは住民が水の使用量を気にせず、好きな植物を育てられる環境が提供できます。

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学校施設の建設・修復工事の支援とその後

2017.07.20

この支援速報を執筆中、ヨルダンの公立学校は年に2回実施される「タウジヒ」という全国統一大学入試の試験期間でした。タウジヒは2週間程続き、期間中に試験会場の学校で建物の建設や修復工事をすることは出来ないため、直近で支援事業を行った学校からの工事に関する意見に目を通しています。

現場からの意見は、事業実施後にJENエンジニアチームとは別のチームが学校を聞き取り調査訪問する際に校長先生にアンケート用紙を渡して記入をお願いしています。これによって、学校とJENエンジニアや工事を施工する建設会社とのコミュニケーション、建設現場での事故発生の有無、工事の質や事業全体の懸念等について情報を得ることが出来ます。

20170720_JD_engineers_s
【JENエンジニアチーム:左からレイスさん, モハンマドさん, オサマさん, マイさん】

この意見書では、エンジニアが認識していなかった学校側の懸念や苦情、また事実とは異なるような内容も書いてあります。まずは全てのコメントに目を通し、内容を精査します。必要に応じて後日学校を再訪問し、現場で確認をします。過失・行き違いがあれば対策を講じ、発生防止に努めます。

JENでは建設・修復工事開始前に、学校側に対して担当エンジニアが工事内容を説明していますが、学校の意見から更なる工夫の必要性が見えてきます。

工事で技術的な問題が発生した場合、JENが設けている工事後6か月の保証期間中に修復をします。実際は、それ以外の問題の割合が多く、解決が非常に厄介です。

特に、支援を受けたヨルダンの公立学校が整備された施設を支援後に自力で維持管理し、故意による破壊行為を防止することが重要です。生徒による施設の破壊行為はヨルダンの公立学校では顕著で、ほぼ全ての援助関係者が共通して抱えている問題です。

問題解決を図って教員の士気を高める維持管理研修を考案したり、清掃員に対して清掃マニュアルを作ったりします。ヨルダンの子どもたちは各家庭ではトイレや洗面所をきちんと使っていますが、一部の生徒の公共施設の使用マナーは家庭とはかなり異なります。支援側の単独解決は、ほぼ限界に来ています。

学校は、子どもが故意に学校施設の一部を破損すると、学校が対応をするよりも「子どもが施設を壊す」という理由を掲げ、支援機関に定期的メンテナンスを要請してくる傾向があります。

学校施設を新たに整備した直後でさえ、生徒の意図的な破壊行為の防止がむずかしく、清掃員がいても施設の維持・管理がされずに使用不可能な状態になってしまった学校施設がたくさんあります。

ヨルダンの公立学校では、シリア難民危機の影響で学校施設が不足しているため、JENを含めた援助機関は学校施設の増築や新築に焦点を当てて支援をしています。ただその一方で、自助努力で施設維持・管理がされないために増築や新築された施設を含む既存の施設の劣化が加速しています。

JENを含め援助機関側は、支援の効果とその後の持続性を高めるため、一刻も早く連携して教育省に協力を求め、学校側の自助努力で施設維持・管理を実践させていく方法を考えて実行に移す必要に迫られています。

 

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The Road ×クーリエ・ジャポン|イードの日、シリア難民は遠い「故郷」が見えるほど空高く飛ぶ夢を見る

2017.07.19

 cj_logo_blue_100px [ 本連載は、クーリエ・ジャポンとの連動掲載です。 ]
ヨルダンのザータリ難民キャンプで創刊された、“難民の難民による難民のための”月刊誌「THE ROAD(ザ・ロード)」。同誌から選りすぐった傑作記事や動画を毎月お届けする。

20170719_JD_A girl largeイードの日におしゃれをしたシリア難民の少女 COURTESY OF THE ROAD

イスラム教の断食月ラマダンの終了を祝う「イード・フィトル」は、ムスリム(イスラム教徒)たちにとって最も大切な祝祭の一つだ。ザータリ難民キャンプで暮らすシリア人たちもまた、故郷での盛大な祝宴に思いを馳せつつ、つつましやかに大事な慣習を続けるのだった。
ザ・ロードの詳細はこちらから

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イードの喜びとシリアへの哀情に浸る日
Text by Ahmed Ismail Al-Salamat


ザータリ難民キャンプに祝祭を知らせるのぼりがはためき、子供たちは空高く飛ぶ夢を見る。「イード・フィトル(ラマダン明けの祝祭)」には、「遠く離れた家族の姿も見えるほど、高く高く舞い上がる」という意味がある。

キャンプで避難生活を送るシリア難民たちにとっても、イードは待ち遠しい祝日であり、故郷に思いを馳せる日でもある。

アフマド・アル・カティビ(25)は、イードに対する複雑な思いを次のように語った。

「シリアにいたころは、イードの日に遊園地に行ったり、新しい服や花火を買ってもらったりしたものです。難民キャンプにいても、もちろんイードはわくわくしますが、いまだにシリアに残る家族のことを想うと、心から幸せな気持ちにはなれません」

イードの初日には、朝起きて礼拝し、いとこたちがやってくるのを待つ。午後の礼拝の後は、親戚の家を訪ねる。

「シリアでは父と一緒に礼拝した後、母と朝食の準備をしました。朝食後は、祖父の家を訪問し、ゆっくり一緒に過ごした後、友達や親戚の家を訪ね歩きました。
遊園地は笑顔の子供たちであふれていました」

20170719_JD_kidsキャンプのなかのお店でおもちゃを選ぶ子どもたち COURTESY OF THE ROAD

ウム・カセム(56)は、シリアとザータリ難民キャンプでのイードの違いをこんなふうに嘆いた。

「昔は、みんな助け合って生きていたけれど、ここでは残念ながらみんな自分の暮らしで精いっぱい。シリアでは、イードの数日前から、子供たちの服やお菓子、おもちゃの買い物に夫と一緒に出かけたものだよ。イードの初日は、孫たちが朝早くから遊びに来ていた。私が笑顔で迎えると、孫たちは遊園地に行くお小遣いをせがんだものさ。

でも、ここでは同じようにはいかないね。孫たちにはもう4年も会っていないし、近所の人はだれも訪ねてきてくれない」

ムハンマド・アル・ナブルシは、シリアでは父から受け継いだ農園を経営していた。経済的にも恵まれていたので、イードの日には子供たちを喜ばせるためにたくさんの買い物をしたという。

「でも、残念ながら、ここでは仕事がないので、家族が最低限必要なものさえも手に入れることができません。イードのための新しい服やおもちゃさえ買ってやることができないのです。
イードの日が来ても、難民キャンプでできるのは、親戚を訪問するぐらいです。

子供たちに何もしてやれないのは辛い。早くシリアに戻って、失われた時間の埋め合わせをしたいです」

イードの思い出は人それぞれだが、その日に故郷シリアがいっそう恋しくなるのは、すべてのシリア難民に共通しているようだ。


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イードの準備で華やぐザータリ難民キャンプ

イードが近づくと、ザータリ難民キャンプ最大の市場「シャンゼリゼ通り」には、ラマダン明けを祝うためのよそいきの洋服やおいしそうなお菓子が並び、祝宴を心待ちにする人々の顔には笑顔があふれる。動画にて、年に一度のお祭りに沸くザータリの様子をお届けする。

※動画のなかで人々が口にしているのは、「Kullu am wa antum bi-khair(よい1年となりますように)」というラマダン明けの挨拶。

The Road ×クーリエ・ジャポンの記事はこちらからもご覧いただけます。
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 cj_logo_blue_100pxクーリエジャポンで連載中のコンテンツを、編集部のご厚意により、JENのウエブサイトでもご紹介させていただいてます。

ラマダンに祝福を! 

2017.06.07

イスラム歴の「ラマダン」が5月27日に始まりました。ラマダンのほぼ一ヶ月間、イスラム教徒は日の出から日の入りまで(約16時間)飲食を控えます。

日暮れ以降に親類などの互いの家を訪問し合って共に時間を過ごしたり、食事などをふるまったりと、イスラム教徒にとっては特別な一ヶ月です。

JENは、ザータリ難民キャンプで、女性グループの活動をサポートしています。これは、キャンプ内コミュニティで、お互いに助け合って生きていく環境づくりに貢献するためです。女性たちはグループになって、たとえば、古着からリサイクル品を作りコミュニティの中でそれをシェアするなど、様々な活動をおこなっています。

今日お伝えするのは、そんな女性グループのある活動です。

ラマダン中に、3~4人の女性たちが集まって調理をし、お年寄り、障がい者、ひとり親家庭等、ご近所のこういった家庭に食事を届けました。活動に参加した人の声をきいてみました。

クズマさんは、7人の子どものお母さん。調理グループのメンバーです。

「私たち3人で6家族、25人分のカプサ(アラビア風ピラフ)を作りました。一緒に料理するのは楽しくて、時間はあっという間に過ぎました。イフタール(断食明けの食事)に間に合うよう、食事を届けました。そして、私の家族も、おいしくいただきました」。

 

 

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【食事の準備をする女性の調理グループと、皆でカプサを取り分けているところ】

70歳の未亡人カルマさんは、精神障がいのある55歳の息子と二人暮らしです。火曜日に、調理グループのメンバーのヒンドゥさんとファイザさんが訪問し、翌日、料理を持ってくることを伝えられました。

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【キャンプ内で食事の配達をする女性たちと、食事をうけとる人】

ヒンドゥさん、ファイザさんは「近所にこんなに困っている家庭があることを、今まで知りませんでした。食事を届けることができて、うれしいです」と言います。

カルマさんは「美味しかったです。あたたかい心遣いを受け取りました」と言いました。

ナスラさんは、6人家族です。ご主人と娘さんは、障がいを抱えています。「料理はとても美味しかったです。量も十分だったので、ご近所の他の家族にも分けました。ラマダンには、とてもよい習慣だと思います」。

身近な困っている人びとの役に立てれば、人生の意義を感じることができます。どんな小さなことでも、だれかの役に立てることを探し続けることが大切だと思います。

JENヨルダン、ザータリ難民キャンプ、生計向上支援担当
イプティハル・ハラーシェ

 

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