シリア難民支援速報

教育省への学校引渡し

2018.04.19

先日、アンマン県にあるAl Mzayer comprehinsive 女子学校の修繕と増築工事が完了し、ヨルダン教育省への引渡しを行いました。この学校には現在約370名の女子生徒が通っており、その5%がシリア人です。今回、6教室の増築、トイレ5席の増築、手洗い場の補修および既存教室の補修を実施しました。

ヨルダンでは多くのシリア難民を受け入れている事などにより、教室数の不足が問題になっています。この工事により学校へ通うことができる子どもが増えます。

また、トイレと手洗い場の補修も行い、子どもたちへ行った衛生に関するセッションの内容を実施できるように環境を整えました。セッションでは手を洗って清潔に過ごすことを重点的に啓発しており、手洗い場の整備はその実践に不可欠です。

JENのエンジニアは引渡し後も引き続き学校を訪問し、実際に生徒が使っている際に不具合がないか確認をしていきます。

<補修前>
蛇口が壊れ、ごみが詰まって水が流れず使えなっていた水洗い場。
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<修繕後>
蛇口をすべて付け替え、汚れにくいタイルへの張り替えを実施。ゴミによる詰まりも解消しました。

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元々倉庫だった場所の壁を取り払い、補修したことで教室として利用できるようになりました。(先生が立っている場所が元々壁があった場所)

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<増築工事>
既存校舎の3階に増築した教室とトイレ

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トイレは生徒が壊さないよう、タンクを壁に埋め込んでいます。

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衛生教育の正しい知識を

2018.03.23

子どもたちが衛生的な行動を日々の生活習慣として身に着けられるようにするためには、親の理解が重要です。そこで、JEN衛生教育チームは保護者会(日本でいう、いわゆるPTA)向けに衛生セッションを開催しました。セッションでは、手洗いの方法など基本的なことから、子どもによく見られる感染症や生理に関する正しい知識を親と先生に伝えています。

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イルビッド県にあるハワラ女学校(Hawara basic school for girls)では、校長先生へのヒアリングをもとに、感染症予防や対策方法および衛生教育について正しい知識が得られるよう、セッションを行いました。
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感染症については、子どもによく見られるシラミや皮膚病について話をしました。シラミは感染していることに親や子どもが恥じて病院に行けないことがとても多いため、まずは家庭でできる治療法を紹介しています。

加えて、今回は女学校でのセッションであったため、生理教育についても話をしました。月経については文化的に話をすることをタブーとする親が多く、初潮を迎えた際に子どもが困惑するケースが多く見られるため、親が子に説明をすることの大切さを伝えています。また、昨今はインターネットでいろいろな情報にアクセスできますが、知識がないと正しいかどうか判断が難しいため、生理に関する正しい情報を伝えています。今までこのテーマについて人に聞くことができる機会がなかったため、親や先生からはたくさんの質問を受け、2時間にわたるセッションとなりました。

今回参加してくれた約120名の母親たちや先生方が、今後正しい知識を子どもたちやコミュニティに広めてくれることを期待しています。

 


子どもたちが安心して勉強できる学校づくり

2018.03.08

ホストコミュニティーチームでは現在、公立校11校の修繕および増築を行っています。

シリアとヨルダンの国境に位置するイルビッド県にあるマーロー女子校(Marw basic school for girls)では、教室および廊下修繕工事の一部が完了しました。この学校には、6歳から12歳のヨルダン人とシリア人の生徒318人が通っています。

ヨルダンの首都、アンマンと東京の平均気温は通年を通してほぼ同じですが、教室には暖房設備が備え付けられていません。廊下には窓がないため冷たい風が直接教室に吹き込んで教室が冷え込み、また、雨が降る日は廊下が水浸しになって滑り、とても危険でした。

今回の修繕工事では、廊下に窓を設置し、風雨を防ぎ、同時に床の張り替えも行いました。床は強度が高く、汚れにくく滑りにくい磁器タイルを使用することにより、安全に衛生的に長く使えるよう工夫をしています。

同校では4つの教室の増築工事も行っています。ヨルダンおよびシリアの子どもたちが勉強に集中できるような学校づくりを目指し、4名のJENエンジニアが日々工事現場に足を運んでいます。

<修繕前>
20180308_JD_01_before壁が低く(元の外壁の高さは右の白い部分)、落下の危険があったうえに風雨にさらされるため、雨が多い冬は特に危険。また、床はセメントのため汚れを吸収してしまい、不衛生でした。

<修繕後>
20180308_JD_02_after1壁を高くして補強し、窓をつけ風雨が直接教室に吹き込まないように修繕。床は強度が高く、汚れにくく滑りにくい磁器タイルを使用。

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教室内の塗装および床の修繕も行い、衛生的な教室で授業が実施できるようになりました。


アンマンの学校での世界手洗いデーイベント

2017.11.02

10月30日、ユニセフの依頼を受けて、アンマン県のアル・バセリヤ共学小学校にて世界手洗いデー(毎年10月15日)のイベントを実施しました。ヨルダンでは、ユニセフが日本政府の支援で水衛生の環境改善事業を行っています。今回のイベントは、この学校が属するコミュニティで実施した給水ネットワーク事業の完成を祝う式典の中で行いました。

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アル・バセリヤ校は、アンマン県を構成する9郡の一つであるアル・ジーザ郡の砂漠地帯にあります。この学校を含むコミュニティを対象にした給水ネットワークが完成したことで、地元の人びとは日々の生活に支障なく水が使えるようになりました。この学校の全校生徒数は約180人です。イベントでは、水を使えるようになった近隣コミュニティの学校の生徒も招待され、約300人の児童が集まりました。また、地元からも約50人が出席しました。

出席者のほぼ全員が赤と白のアラブの伝統的なヘッドスカーフをかぶり、デシュダッシュと呼ばれる長いシャツドレスをまとって、駐ヨルダン日本大使とユニセフのヨルダン代表を出迎えました。

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首都があるアンマン県にも、アル・バセリヤ校のように毎日支障なく水を使用できる環境が整っていない学校が沢山あります。この校にはシリア難民の生徒はいませんが、このように水の使用が限られている学校では、シリア難民を受けいれることで、更なる水不足に陥ってしまうことが問題になっています。

ヨルダン経済は不安定で、政府が自助努力でインフラ整備をすることが困難です。JENを含む支援機関では、ヨルダン国内で水供給の安定化とシリア難民とヨルダン人の社会的結束を促す支援活動を実施しています。

 

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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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学校施設の建設・修復工事の支援とその後

2017.07.20

この支援速報を執筆中、ヨルダンの公立学校は年に2回実施される「タウジヒ」という全国統一大学入試の試験期間でした。タウジヒは2週間程続き、期間中に試験会場の学校で建物の建設や修復工事をすることは出来ないため、直近で支援事業を行った学校からの工事に関する意見に目を通しています。

現場からの意見は、事業実施後にJENエンジニアチームとは別のチームが学校を聞き取り調査訪問する際に校長先生にアンケート用紙を渡して記入をお願いしています。これによって、学校とJENエンジニアや工事を施工する建設会社とのコミュニケーション、建設現場での事故発生の有無、工事の質や事業全体の懸念等について情報を得ることが出来ます。

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【JENエンジニアチーム:左からレイスさん, モハンマドさん, オサマさん, マイさん】

この意見書では、エンジニアが認識していなかった学校側の懸念や苦情、また事実とは異なるような内容も書いてあります。まずは全てのコメントに目を通し、内容を精査します。必要に応じて後日学校を再訪問し、現場で確認をします。過失・行き違いがあれば対策を講じ、発生防止に努めます。

JENでは建設・修復工事開始前に、学校側に対して担当エンジニアが工事内容を説明していますが、学校の意見から更なる工夫の必要性が見えてきます。

工事で技術的な問題が発生した場合、JENが設けている工事後6か月の保証期間中に修復をします。実際は、それ以外の問題の割合が多く、解決が非常に厄介です。

特に、支援を受けたヨルダンの公立学校が整備された施設を支援後に自力で維持管理し、故意による破壊行為を防止することが重要です。生徒による施設の破壊行為はヨルダンの公立学校では顕著で、ほぼ全ての援助関係者が共通して抱えている問題です。

問題解決を図って教員の士気を高める維持管理研修を考案したり、清掃員に対して清掃マニュアルを作ったりします。ヨルダンの子どもたちは各家庭ではトイレや洗面所をきちんと使っていますが、一部の生徒の公共施設の使用マナーは家庭とはかなり異なります。支援側の単独解決は、ほぼ限界に来ています。

学校は、子どもが故意に学校施設の一部を破損すると、学校が対応をするよりも「子どもが施設を壊す」という理由を掲げ、支援機関に定期的メンテナンスを要請してくる傾向があります。

学校施設を新たに整備した直後でさえ、生徒の意図的な破壊行為の防止がむずかしく、清掃員がいても施設の維持・管理がされずに使用不可能な状態になってしまった学校施設がたくさんあります。

ヨルダンの公立学校では、シリア難民危機の影響で学校施設が不足しているため、JENを含めた援助機関は学校施設の増築や新築に焦点を当てて支援をしています。ただその一方で、自助努力で施設維持・管理がされないために増築や新築された施設を含む既存の施設の劣化が加速しています。

JENを含め援助機関側は、支援の効果とその後の持続性を高めるため、一刻も早く連携して教育省に協力を求め、学校側の自助努力で施設維持・管理を実践させていく方法を考えて実行に移す必要に迫られています。

 

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