シリア難民支援速報

ザータリキャンプに下水道網を設置する

2016.05.12

JENは、他の国際機関との協力のもと、シリア難民ザータリキャンプに下水道網を設置する工事を行っています。2017年に完成する予定です。

完成すれば、キャンプの全ての世帯から出る排水がその下水道につながり、キャンプ内の汚水処理場に運ばれ、あらゆるタイプの排水を処理できるようになります。

プロジェクトの内容:

このプロジェクトは次の2つの段階からなっています。

第一段階では、高密度ポリエチレンを使ってキャンプ内のキャラバンと固形廃棄物を集めるコンクリート製タンクをつなぎます。

そして第二段階でコンクリート製タンクとキャンプ内の汚水処理場を結びます。

しかし、このプロジェクトを実施するにあたり、次のような多くの困難があります。

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1.工事中の周辺住民の安全確保

最も大切である工事中の周辺住民の安全確保について、多くの対策が取られています。例えば警告テープや金属製の防護柵の設置などです。他にも、工事現場の近くで遊んでいる子どもたちがケガをする危険があるので、広く親たちに注意を喚起するための集会を開いたり、工事現場や工事用機械に子ども達が近づかないよう学校で話をしたりしています。学校で教えるのは特に重要です。

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2.キャンプ内のキャラバンの不規則な並び方

難民の人々がキャンプ内で、一定の規則には基づかずバラバラに定着してきたことが、私たちの仕事を一層困難にしています。
そのため、事前に調査をして計画を立てた上で、毎日現場から最新のデータを集めて調整し、新たに指示を出しています。

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3.工事用機械の紛失と妨害行為

スタッフは毎日仕事が終わって帰る時、工事現場の保全に気を配らなければなりません。工具や建設資材が盗まれないよう特別の警戒が必要なのです。そういった被害を最小にするには、工事が行われている地域に住んでいる人を警備員として雇うことが有効です。

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4.キャンプ内での難民やキャラバンの絶え間ない移動

一部の難民は、親戚やかつての隣人の近くに住むため、あるいはよりよいサービスを求めて、よくキャンプ内の別の場所に移動します。そのような人たちに対して、現在下水道網整備のプロジェクトが進行中であり、それらはキャンプ内の全ての世帯を対象にしている、ということをわかってもらうため、説明会を実施しています。

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私はこのプロジェクトで測量士として働いています。測量は道路や建物や上水や下水関連の工事では必須のものです。測量によって、下水道網に詰まりが起きないよう下水管を適切な位置に設置することが可能になるからです。

このプロジェクトが完了したら、ザータリキャンプに住むシリア難民が直面していた下水処理に関するさまざまな問題が解決されます。さらにマフラク県の地下にある水を汚染から守ることに役立ちます。

JENと働くことは、私にとって人道支援分野で仕事をする初めての経験であり、私のキャリアに今までとは違う側面を与えてくれました。シリア難民を支援するために働くことは素晴らしい経験です。プロジェクトの成果が難民の人たちの毎日の生活に役に立つことを大変誇りに思います。

測量士 Mo’awiya Issa Shakboua

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一石三鳥のごみ拾い

2016.04.21

月に1回のお掃除の日の様子です。

1つの地区でスタッフ総動員でゴミを拾っていきます。毎回、そこに住民も加わって、大所帯になります。

ゴミをそこら辺に捨ててしまう住民の意識チェンジのためにも、住民との交流のためにも、スタッフの運動不足解消のためにもとても良い活動となっています。

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ザータリキャンプでのKAP調査

2016.04.07

毎年行われている事前事後調査(KAP調査)が2015年12月に5日間行われました。

ザータリキャンプ全体で行われるこの調査では、水及び衛生環境に関わる難民の知識、行動、習慣を調べ、その結果に応じて新規のプロジェクトが立ち上げられることがあります。

この調査は、4年前にJENの主導で他の機関との協力によって開始され、年々改善されてきています。

本調査の質問は、飲料水、衛生環境、食糧、健康、下水設備(現在整備中)など多岐にわたります。

調査チームは性別、所属機関、職務経験が偏らないよう配慮されています。午前9時から午後3時まで、不作為に選ばれた家庭を各チームが訪問します。

まず、当日のスタッフ欠勤については、チーム間の調整により他の人員を充てることができました。また、昨年は通話機器の故障が大きな問題になりましたが、予備を用意することにより各チーム間で円滑に連携が取れ、大幅な延長もなく調査を終えることができました。

経験のあるスタッフとないスタッフが一緒に調査を円滑に行えるかは大きな関門でしたが、日々の問題を一つずつ解決していくことにより、無事に調査を終えることができました。

データ収集終了後、調査に参加した全員に向けて修了式が開催されました。全員で昼食を一緒に取り、調査の経験を共有しました。式では、全員に修了証が授与され、JENが感謝の意を述べました。収集されたデータはまとめられ、近日中に報告書が出される予定です。

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ホストコミュニティでの活動

2016.03.24

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JENは水衛生設備の修復と衛生意識向上セッションを通じて衛生環境改善に取り組んでいますが、生徒たちがより確実に実践出来るように、冊子と衛生キットを配布しました。

上の写真は配布したものを受け取って喜んでいる生徒たちの様子。

 

 

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シリア危機によって発生した教育危機

2016.03.03

中東にあるヨルダンは、日本の北海道(83,424 km2)とほぼ同じ面積(92,300 km2)の小さな国です。非産油国で海外の燃料・食料価格動向の影響を受け、水資源にも乏しく、目ぼしい外貨獲得手段のない脆弱な社会・経済構造を有しています。

西にイスラエル、東にイラク、また南はサウジアラビア、北はシリアに囲まれ、地域の治安情勢の影響を受けやすく、これまで周辺国からパレスチナ難民とイラク難民を受け入れてきました。パレスチナ難民の流入は第三次中東戦争以降に始まり、現在では全人口約750万人の約3分の2をパレスチナ系住民が占めているといわれます。

更に2011年に発生したシリア危機により、同国に大量のシリア難民が押し寄せました。約430万人の難民のうち、ヨルダンでは現在約140万を受け入れているといわれています(このうち約63万人が国連難民高等弁務官事務所UNHCRに難民登録・認定済)。これは、ヨルダンの全人口の約19%、ほぼ2割に達します。

ヨルダン政府は、景気の改善や財政赤字の削減に取り組む一方、国家予算の約四分の一を難民支援に充当しており、急増するシリア難民の受け入れによって一層厳しい財政状況に陥っています。

あまり知られてはいませんが、シリア難民の8割以上が、難民キャンプ外の「ホストコミュニティ」と呼ばれるヨルダンの一般社会で暮らしています。そしてその多くは都市部に居住しています。

ヨルダン政府は、難民登録・認定をしたシリア難民の子どもに教育の機会を提供しています。2015年度にヨルダンの公立学校に入学したシリア難民の生徒数は143,500人で、前年度に比べて約60%増加しました。2016年度は、更に50,000人のシリア難民生徒の受け入れを予定しています。同国にいるシリア難民140万人の半数が子どもと言われており、今後もヨルダンの公立学校に就学するシリア難民生徒の更なる増加が見込まれています。

将来シリア危機が終結し,シリア人が母国に帰還して再建を担うために、ヨルダンでの教育の機会は大切です。しかしながら、シリア人難民生徒の増加によって、受け入れる側のヨルダンの公立学校では、インフラも教員も不足し、教育の質の低下、校内暴力が問題になってきています。シリア人難民の生徒を受け入れるため、現在100校(全体の約3%)近くの公立学校が2交替制を導入しています。すでに厳しい財政状況のヨルダン政府にとって、学校のインフラ整備や教員の負担軽減に対する投資は困難で、公立学校は多大な負担を余儀なくされています。2交替制の学校の大半は、午前をヨルダン人生徒、午後をシリア人生徒に分けています。

【小学校1年生の教室では、2人掛けの机で3-4人の子どもが勉強しています】
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【全校生徒で埋め尽くされた校内には余分なスペースがありません】
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ドナー国は、ヨルダン政府と連携し、2019年までにこれらの2交替制の午後の学校を撤廃し、シリア人の生徒も午前開始の学校に組み入れて通学できるような支援をする方針を打ち出しました。シリア人生徒が教育の機会を取り戻すことによってシリア危機で失われた世代(No lost generation)を生み出さないこと、またヨルダンの公立学校への負担軽減を目指しています。

ホストコミュニティで暮らすシリア難民の教育危機を回避するためには、難民を受け入れる国の人びとに対しても同様に支援をすることが必要なのです。

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