シリア難民支援速報

水タンクの消毒結果のモニタリング

2016.09.23

私は2013年12月からJENでエンジニアをしているシャヘル・アル・ラヘンです。
2015年2月からは、モニタリングと評価の担当をしていて、JENの活動、事業及びプログラムの効果と効率を測っています。今日は、JENが行っている重要な活動について紹介します。

「水タンクの消毒」
この活動は、難民の人びとが飲んでいる水を、安全・清潔に保つために行います。
水を運ぶトラックは、毎日キャンプの中を走り回り、水タンクに水を入れます。暑い天気、空気中の埃、タンクの中で広がる病原菌、また水質が変化し細菌や沈殿物・藻類が増えてしまったりしている可能性があります。

JENは過去に、3,4,5区の公共の水タンクの消毒を1年に少なくとも2回、水衛生関連の支援のフォーカル団体として行っていました。その後、人びとが個人で持つ水タンクの数が増えたことから、JENは個人の水タンクの消毒も始めました。消毒をする水タンクは3区合計で1000個にもなります。

私たちの維持管理チームは、人びとから水タンクを回収し消毒を行います。最初に、石鹸と水でタンクを洗い、塩素でタンクを消毒し、最後にリンスをします。塩素が1.8ppm以上残らないように注意します。

【洗浄中】
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【消毒中】
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以前は、タンクが回収されてしまうのではないか、古いタンクと交換させられてしまうのではないかと心配した人びとが、タンクを渡してくれないなどの課題を抱えていました。
こうした課題を解決するために、正しい情報を周知し、タンクを消毒することのメリットや重要性を理解してもらえるよう努力しました。

元々、3-5区の人びととの間に信頼関係を築けていたことから、皆に納得してもらうことができました。今回も作業の最終日には、すべての人にタンクを返すことができました。

今回私は、消毒後にタンク内に残留する塩素の割合を測っています。私は、可能な限り正確に数値を測って、飲み水として安全だと人びとに知らせることができるようにしたいと思っています。よい結果を得られる度に、モチベーションを強く持つことができます。

指標をモニタリングして、事業結果を評価することは、難民に適切な支援を届けるために必要不可欠なものであると信じています。

シャヘル・アル・ラヘム

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女性による公共の場の清掃について

2016.06.09

私は、JENの活動が滞りなく行われるよう、難民が参加する活動の調整を行っています。今回は、私が関わっている現在の活動と課題について紹介したいと思います。

ザータリ難民キャンプには、日常生活の中で難民が参加する活動が多数あります。JEN は水・衛生分野での役割を担っており、地域衛生整備の一環としての公共の場の清掃、水の分配、下水ネットワークの構築などの活動に難民が参加しています。

JENは、2013年11月1日から担当している3つの地区のうちの1つで難民参加による清掃の活動を開始しました。翌2014年1月1日よりこの活動を残り2つの地区にも拡大し、また学校でも活動を開始しました。

しかし、2015年9月中旬に学校での清掃活動から撤退したことにより、女性の活動機会は減少してしまいました。この状況を改善するため、JENはそれまで清掃区域の対象となっていなかった住居間のスペースの清掃を女性に行ってもらうことを提案しました。応募の条件は、離婚もしくは死別により夫のいない人であること、としました。

パイロットケースとして開始した当初は5人だった女性参加者が、5か月後には3人のリーダーを含む20人になり、活動範囲も2つの他の地区まで拡大しています。

宗教的な制約により女性が公共の場で働くことが好まれないことや、キャンプ内では警備員・建設現場での力仕事など主に男性を対象とした活動が多いため、清掃活動では男性参加者が占める割合を減らしました。女性参加者はこうした活動に参加する機会に恵まれて嬉しいと話しており、コミュニティの衛生状態も改善されました。

ザータリ難民キャンプでは、現在緊急支援から開発支援の段階に移ってきています。現状からは難民がいつシリアに帰ることができるのか、誰にも分かりません。彼らが自立することができるよう、個人的には特に社会的弱者にあたる女性のための事業を発展させていきたいです。また、シリア危機が早く終わり、彼らが故郷へ帰ることができるよう願っています。

ムハンマド・オライヤン

【住居間スペースの清掃前と清掃後】
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【女性たちによる清掃の様子】
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ザータリキャンプに下水道網を設置する

2016.05.12

JENは、他の国際機関との協力のもと、シリア難民ザータリキャンプに下水道網を設置する工事を行っています。2017年に完成する予定です。

完成すれば、キャンプの全ての世帯から出る排水がその下水道につながり、キャンプ内の汚水処理場に運ばれ、あらゆるタイプの排水を処理できるようになります。

プロジェクトの内容:

このプロジェクトは次の2つの段階からなっています。

第一段階では、高密度ポリエチレンを使ってキャンプ内のキャラバンと固形廃棄物を集めるコンクリート製タンクをつなぎます。

そして第二段階でコンクリート製タンクとキャンプ内の汚水処理場を結びます。

しかし、このプロジェクトを実施するにあたり、次のような多くの困難があります。

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1.工事中の周辺住民の安全確保

最も大切である工事中の周辺住民の安全確保について、多くの対策が取られています。例えば警告テープや金属製の防護柵の設置などです。他にも、工事現場の近くで遊んでいる子どもたちがケガをする危険があるので、広く親たちに注意を喚起するための集会を開いたり、工事現場や工事用機械に子ども達が近づかないよう学校で話をしたりしています。学校で教えるのは特に重要です。

20160512_JD_02.jpg

2.キャンプ内のキャラバンの不規則な並び方

難民の人々がキャンプ内で、一定の規則には基づかずバラバラに定着してきたことが、私たちの仕事を一層困難にしています。
そのため、事前に調査をして計画を立てた上で、毎日現場から最新のデータを集めて調整し、新たに指示を出しています。

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3.工事用機械の紛失と妨害行為

スタッフは毎日仕事が終わって帰る時、工事現場の保全に気を配らなければなりません。工具や建設資材が盗まれないよう特別の警戒が必要なのです。そういった被害を最小にするには、工事が行われている地域に住んでいる人を警備員として雇うことが有効です。

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4.キャンプ内での難民やキャラバンの絶え間ない移動

一部の難民は、親戚やかつての隣人の近くに住むため、あるいはよりよいサービスを求めて、よくキャンプ内の別の場所に移動します。そのような人たちに対して、現在下水道網整備のプロジェクトが進行中であり、それらはキャンプ内の全ての世帯を対象にしている、ということをわかってもらうため、説明会を実施しています。

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私はこのプロジェクトで測量士として働いています。測量は道路や建物や上水や下水関連の工事では必須のものです。測量によって、下水道網に詰まりが起きないよう下水管を適切な位置に設置することが可能になるからです。

このプロジェクトが完了したら、ザータリキャンプに住むシリア難民が直面していた下水処理に関するさまざまな問題が解決されます。さらにマフラク県の地下にある水を汚染から守ることに役立ちます。

JENと働くことは、私にとって人道支援分野で仕事をする初めての経験であり、私のキャリアに今までとは違う側面を与えてくれました。シリア難民を支援するために働くことは素晴らしい経験です。プロジェクトの成果が難民の人たちの毎日の生活に役に立つことを大変誇りに思います。

測量士 Mo’awiya Issa Shakboua

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ザータリキャンプでのKAP調査

2016.04.07

毎年行われている事前事後調査(KAP調査)が2015年12月に5日間行われました。

ザータリキャンプ全体で行われるこの調査では、水及び衛生環境に関わる難民の知識、行動、習慣を調べ、その結果に応じて新規のプロジェクトが立ち上げられることがあります。

この調査は、4年前にJENの主導で他の機関との協力によって開始され、年々改善されてきています。

本調査の質問は、飲料水、衛生環境、食糧、健康、下水設備(現在整備中)など多岐にわたります。

調査チームは性別、所属機関、職務経験が偏らないよう配慮されています。午前9時から午後3時まで、不作為に選ばれた家庭を各チームが訪問します。

まず、当日のスタッフ欠勤については、チーム間の調整により他の人員を充てることができました。また、昨年は通話機器の故障が大きな問題になりましたが、予備を用意することにより各チーム間で円滑に連携が取れ、大幅な延長もなく調査を終えることができました。

経験のあるスタッフとないスタッフが一緒に調査を円滑に行えるかは大きな関門でしたが、日々の問題を一つずつ解決していくことにより、無事に調査を終えることができました。

データ収集終了後、調査に参加した全員に向けて修了式が開催されました。全員で昼食を一緒に取り、調査の経験を共有しました。式では、全員に修了証が授与され、JENが感謝の意を述べました。収集されたデータはまとめられ、近日中に報告書が出される予定です。

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難民キャンプ支援に携わること

2016.01.07

私たちは11月初めからJENの一員となり、ザータリキャンプの現場アシスタントとして働いています。最初、水の使用が制限されることや衛生環境が最低限であることに驚きました。今も日々学ぶことがたくさんあります。

私たちの主な仕事は水衛生設備へのアクセスを改善し、適切な衛生環境を確保することです。毎日水の配布状況をモニタリングして、全員がひとり35リットルのきれいな水を受け取れるよう目を配っています。

もう一つの大切な仕事は、公共の水衛生設備をモニタリングし維持することです。ザータリキャンプのインフラは徐々に改善されています。私たちは、コミュニティーと協力しながらそれらを維持しています。現在、公共の水衛生設備から各家庭での設置への移行期間ですが、公共の設備はまだ使用されているので、よい状態を保つ必要があります。

さらに、人口密度の高さに比べ最低限の衛生環境しかないキャンプで病気の蔓延を防ぐため、人びとの知識強化をめざして衛生促進のメッセージを伝えています。
戸別訪問やグループセッション、場合によっては衛生促進イベントを行います。毎月コミュニティーと一緒に清掃活動もしています。これらの活動は、キャンプのコミュニティー全体が、彼ら自身で健康的な環境を作るよう努力することを促進するよい機会となっています。
将来彼らが自立できる力を持つことを信じて、JENスタッフは、設備を維持する水衛生設備委員会、衛生促進を行うコミュニティー衛生プロモーターなどの活動への参加を勧めています。

【世界トイレの日にちなんだ衛生促進活動の様子】
20160107_JD_01_World Toilet day

そして現在、私たちは過去の経験から冬季の大雨や大雪によって引き起こされる洪水を予測し、緊急時対応策について話し合っています。一方で地区のすべての難民が彼ら自身の世帯に責任を持っていると認識してもらうために、各世帯に注意を呼びかけるメッセージを伝えています。

最近、地区の人びとから、凍るような冷たい水を扱う大変さを聞きました。優先順位を決め、関係機関とチームで仕事を行うことで、現場で彼らのニーズに対応していきたいと思います。

過去3年間を振り返るとキャンプは安定してきたようですが、誰にもこの先どのくらいキャンプでの暮らしが続くかわかりません。さらによい居場所をつくるために、私たちは何かしたいと思っています。

どのように私たちの過去の経験からの情報を使うのかを考えながら、彼らをより効率的にサポートする方法を学びたいと思います。

マハ&ファレス

【マハとキャンプの子どもたち】
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【水衛生設備のモニタリングを行うファレス】
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