東北支援速報

岩手県宮古市 「子ども食堂フレンドカフェ」

2018.03.15

岩手県の宮古市社会福祉協議会が実施する子ども食堂「しおかぜキッチン」「しおかぜダイニング」を、JENは支援しています。

7人にひとりの子どもが貧困の日本。特にシングルマザー世帯の貧困率は50%を超えます。
「しおかぜキッチン」は毎月、ひとり親、その子どもたちとボランティア、そして宮古社会福祉協議会のスタッフが集まり、いっしょにご飯をつくる、食べる、楽しい時を過ごす、そして時に困りごとの相談にのる場になっています。

しかし、市街地で実施する「しおかぜキッチン」には、自宅から遠くて気軽に参加することが難しい方々がおられます。そこで、宮古市社会福祉協議会では、より多くの方々がアクセスできるよう、宮古市の各地で子ども食堂「しおかぜダイニング」の開催を目指しています。

今回は、先月に引き続き、「しおかぜダイニング」開催準備の様子をお伝えします。
※前回「子ども食堂運営支援者養成研修会」の様子はこちら

3/3(土)宮古市保健福祉センターで、「子ども食堂運営支援者養成研修会」の参加者様を対象に、第2弾「子ども食堂フレンドカフェ」を実施しました。子ども食堂「しおかぜダイニング」の運営支援を検討中の約20名の地域の皆様が集まってくださいました!

【会場の様子】
20180315_TH_01_Workshop

今回は、子ども食堂のコンセプト(地域の課題を改善するためにどんな子ども食堂が必要か?)を明確にするため、rich picturesという手法を使ったワークショップを行いました。大きな模造紙に、子ども食堂の参加者・スタッフ・ボランティア・会場・食事・季節のイベントで使うものなど、必要な資源を絵に描き、それぞれの要素を矢印で結び関連性を検討する中で、子ども食堂のコンセプトを明確化していきます。

【rich picturesの様子】
20180315_TH_02

参加者の皆様からは、
「地域の高齢者にも参加していただくことで、世代間交流を図ろう」
「食事は野菜をたくさん取り入れて、子どもたちの栄養バランスも良く考えよう」
「看護師さんにボランティアとして参加してもらうと、健康相談ができるかも」
などなど、コンセプトをまとめながらも、次々とアイディアが生まれ、終了時間を過ぎてもお話が尽きず、熱気あふれる場となりました。

【参加者の皆様が描いたrich pictures】
20180315_TH_03

「子ども食堂フレンドカフェ」に集まってくださった皆様のお力で、各地域の課題に合ったコンセプトの「しおかぜダイニング」が開催され、子どもたちを中心に地域の方々が集まる場所になると同時に、困難を抱えた方々への支援の拠点となることを願っています。


岩手県宮古市 「子ども食堂運営支援者養成研修会」

2018.02.22

岩手県の宮古社会福祉協議会が実施する子ども食堂「しおかぜキッチン」「しおかぜダイニング」を、JENは支援しています。

7人にひとりの子どもが貧困の日本。特にシングルマザー世帯の貧困率は50%を超えます。
「しおかぜキッチン」は毎月、ひとり親、その子どもたちとボランティア、そして宮古社会福祉協議会のスタッフが集まり、いっしょにご飯をつくる、食べる、楽しい時を過ごす、そして時に困りごとの相談にのる場になっています。

8月の支援速報でもご紹介しています。しかし一方で、市街地で実施する「しおかぜキッチン」には、自宅から遠くて気軽に参加することが難しい方々がおられるという現状があります。
宮古市はとても広く、その面積は東京23区の約2倍もあり、市街地から車で1時間以上の地域に暮らす世帯も多くみられます。

そこで、宮古市社会福祉協議会では、より多くの方々がアクセスできるよう、宮古市の各地で、子ども食堂「しおかぜダイニング」の開催を目指しています。この活動には、各地域の運営支援者の協力が不可欠です。

そこで今回、盛岡市で子ども食堂を運営する、NPO法人インクルいわて代表の山屋理恵氏、NPO法人いなほ代表の佐藤昌幸氏を講師に招き、「子ども食堂運営支援者養成研修会」を実施し、子ども食堂の運営に関心のある方々を募りました。
その結果、約80名もの地域の方々が集まってくださいました!!

【受付の様子】
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【会場には約80名もの地域の方々が駆けつけてくださいました!】
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研修会では、子どもの貧困やひとり親世帯の現状など社会的背景から、子ども食堂の運営方法や参加者の様子など具体的な情報まで、幅広く教えていただきました。また、「しおかぜキッチン」の活動についても紹介し、「しおかぜダイニング」へのご協力を呼びかけました。参加者の皆様は真剣な眼差しで講義を聞き、メモを取っておられました。

今後、宮古市の様々な地域で「しおかぜダイニング」が実施され、より多くの子どもたち、親たち、地域の人びとが集まる場所となり、同時に困難を抱えた方々への支援の拠点となることを願っています。

【研修会の様子】
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写真提供:宮古市社会福祉協議会


東北パートナーミーティング2017開催

2017.10.26

普段は別々の地域で活動するJENの東北事業のパートナー7団体が一堂に介する年に一度のイベント「東北パートナーミーティング」を、今年も2017年10月3~4日に宮城県にある新幹線の駅・くりこま高原近くの宿泊・会議施設「エポカ」で開催しました。

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JENのパートナー団体は、活動テーマはちがっていても、ひとつ大きく共通するビジョンがあります。それは「誰も取り残さない復興」。
1日目はパートナー団体がリレートークを行い、情報共有。

専門家の集団でありながら、地域に密着して、対象となる方の関係性をひろげる活動を行う
・男の介護教室: ケアマネージャー、歯科関係者、医師、栄養士などが行う男性介護者の支援(宮城県石巻市)
・福島県助産師会: 助産師が行う母子の支援と、医師や栄養士、保育関係者などの多職種連携の推進により、母乳育児や離乳食期をサポートする活動(福島県全域)
・減災と男女共同参画研修推進センター:母子や障がいとともに生きる人が取り残されない防災を推進する(福島県いわき市)

ひとり親家庭を中心とした親子の居場所・地域力の結集の場としての「こども食堂」を実施する
・宮古市社会福祉協議会 (岩手県宮古市)
・インクルいわて(岩手県盛岡市)

地域の未来のカギを握る方々の地域づくりへの参画を推進する
・SAVE TAKATA: 中高生によりまちづくりとおとなとのチームワーク推進 (岩手県陸前高田市)
・ウィメンズアイ: 若手女性が地域で活躍するためのエンパワメントのサポート(岩手県、宮城県、福島県)

夜の懇親会では、相互訪問の約束やコラボプロジェクトなど、様々な化学反応が起こっていました。

1日目の午後から2日目の夕方までは、「社会を変える組織」をつくるをミッションに掲げる、非営利組織マーケティングの専門のシンクタンク、(株)PubliCoの代表取締役 長浜 洋二氏による、マーケティング研修を実施。

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JENとのパートナーシップも折り返し地点に入り、あと1年半ほどで各団体の自走による事業の発展・継続が求められる中(*)、マーケティングの視点から、どのように事業の質を高めながら支援者や参加者を得ていくのかについて、講義と演習を交えて学ぶことができ、次の一歩への大きな力になりました。

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*インクルいわては既にJENの資金面での支援は終了していますが、事業内容面での交流やサポートを続けています。

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【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

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親子の明日への力を応援する場所:2カ所の立ち上げをJENが支援

2017.03.02

今「こども食堂」が全国でブームです。
栄養バランスの整った食事を毎日得られない、習い事や塾に通えない、進学をあきらめなければならない・・6人にひとりの子どもが貧困にあるなか、日々の生活と未来への選択肢を閉ざされる現状をなんとかしたいと思う方々が多いなかでの行動力の現れでしょう。

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【こどもたちもお料理を手伝います】

一方で、「こどもの貧困」の原因に目を向けると、構造的な問題が見えてきます。「こどもの貧困」の多くは「世帯の貧困」であり、世帯単位で見ていくと、全国世のひとり親世帯の大半(母子世帯で8割、父子世帯で9割)が仕事をしているにもかかわらず、貧困率が5割と突出しています。

JENがこども食堂2か所を支援する岩手県の調査では、母子家庭の母の就労収入は 10 万円以上 15 万円未満が 40.7%と最も多くなっており、東日本大震災の被害がとりわけ甚大だった沿岸部の収入はさらに低くなっています。

今の社会のしくみが「親がふたりいる家庭の男性働き手モデル」を前提としており、ひとり親の場合他に頼れる人がいなければ、残業ができず、正規の職に就くことは難しい、女性が就く仕事の多くは賃金が低い、他の先進国と比べて、政策におけるひとり親支援が手薄いなどの課題が山積しています。

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【栄養のバランスを考えたメニューです】

子どもの未来は社会の未来、被災地では復興の未来です。
社会的、政策的課題の根本から正していくことが必要ですが、草の根からもできることがあります。ひとつは子どもやひとり親など孤立しがちな方々を地域で包摂する民間の仕組みをつくること。そして、様々な公・民の支援や制度につなげていくことです。JENは、こうした目標を念頭に「子ども」だけを対象とした場ではなく、子どもと、主にひとり親世帯を対象とした次の活動を地元のパートナー団体を通して支援しています。

1.インクルこども食堂(盛岡)
盛岡のNPO、インクルいわての実施を支援しています。先行事例の視察を含む事業計画づくり支援、2016年1月の開設から12月までの月次開催の資金的支援、外部評価を支援してきました。12月でJENの支援は終了しましたが、行政や民間の資金を得て、現在は岩手県でも有名なこども食堂のひとつとして活動しています。
JENの1年間の支援の集大成として、3/11にはシンポジウムを開催しました。外部評価報告書は近日JENのWEBサイトで公開予定です。

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【インクルこども食堂(©インクルいわて・撮影 古里裕美)】

2.しおかぜキッチン(宮古市)
宮古社会福祉協議会が2016年12月から毎月1回開催しています。ひとり親世帯を主な対象としているインクルいわてのこども食堂をモデルとし、盛岡や宮古で研修を重ねつつ、地域の力を活かすしくみをつくりあげています。JENは2017年も「しおかぜキッチン」の支援を継続します。

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【おいしいシチューのできあがり】

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【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

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