東北支援速報

〜 車いすテニスの金メダリスト 国枝慎吾選手と石巻の子どもたちとの交流会 〜

2012.10.25

JENは、ユニクロ様と協働し、石巻市内各所で復興支援プロジェクトを行っています。

そのプロジェクトの一環として、10月17日、ロンドンパラリンピック車いすテニス男子シングルスで見事2大会連続で金メダルを獲得した国枝慎吾選手を石巻に招き、地元の子どもたちとの交流会が行われました。

【国枝選手とテニスクラブの子どもたち】

国枝選手より、被災地を視察したいとの申し出もあり、イベントが始まる前に「復興ふれあいマルシェ」に立ち寄り、マルシェの皆さんと懇談、写真撮影などを行いました。

【石巻漫画館近くに今年6月にオープンした「石巻復興マルシェ」を訪問】
11月末に再開予定の「石ノ森漫画館」を見ながら内海橋を渡り、川口町にある瓦礫仮置き場を視察しました。圧倒的な瓦礫の量、数10本にも及ぶ自然発火対策のための煙突などを見て驚いておられました。

また、石巻魚市場周辺の地盤沈下の状況を視察し、1メートルにも及ぶ地盤沈下を目の当たりにした国枝選手は、地震の凄まじいエネルギーに驚愕しておられました。

【地盤沈下地域を視察する国枝選手】

日和大橋を渡り南浜町に入り、流失した車輛や市立病院、焼失した門脇小学校を視察し、会場である石巻ローンテニスクラブ(本間栄一代表)のテニスコートに着きました。

集まった地元の小学生や高校生たちから、「オリンピックには何回出られましたか?」「金メダルを何個持っていますか?」などの質問がありました。国枝選手は、質問に丁寧に、時にユーモアを交えて答えていました。

【高校生の質問に答える国枝選手】

 

テニス教室では、金メダルを2個取った世界一の技術を披露した後、子どもたちにレッスンしました。子どもたちは真剣にレッスンを受けました。

【子どもたちにレッスンをする国枝選手】
最後に、金メダルを子どもたちに触れさせたり、首にかけてあげたりし、石巻ローンテニスクラブでの交流会が終了し、次の会場である釜小学校に移動しました。
釜小学校では体育館の入口で、土井校長先生に出迎えられ挨拶を交わした後、全校児童487人が待つ体育館に入場しました。入場と同時に拍手が沸き起こり、国枝選手は軽快なフットワークを見せ体育館ステージ下に移動し、子どもたちとの交流会が始まりました。

【子どもたちに出迎えられる国枝選手】
「国枝選手に聞きたいことがある子は手を挙げて!」と司会者(はすみ奈緒さん)が呼び掛けると、ほとんどの子どもたちが大きな声で「ハイ! ハイ!」と手を挙げました。

これには、土井校長先生たちもびっくり。普段はシャイな子どもたちが多く、「国枝選手への質問といっても、自分から手を挙げる子どもは少ないのでは」と思っていたそうです。

【予想に反して、次々と質問を浴びせる子どもたち・・・。】
こども   「国枝選手は何歳ですか?」

国枝選手  「何歳に見える・・・?」

子どもたち 「40歳」「50歳」・・・!

国枝選手  「みんなひどいよ!」

国枝選手  「28歳です」

子どもたち 「エーッ・・・!!」(会場内に地鳴りのような驚きの声)

ここでも国枝選手の世界一の技術を披露し、かけっこで競争したり、記念撮影したりしました。

そして、子どもたちに向けたメッセージとして、「夢を持つこと、その夢を実現するイメージを持つこと、決してあきらめないこと」が大切であると呼びかけました。

【子どもたちにメッセージを伝える国枝選手】
そして最後に、児童代表から、「自分もテニスを習っています。震災から一年間は練習することが出来ず、とてもつらかったです。今は、テニスができることの喜びを感じています。国枝選手の話をきいて私も将来プロテニス選手になりたいという夢が強くなりました」とお礼の言葉が述べられました。
今回の会場、釜小学校の校区には、震災で犠牲になった地域住民、児童が少なくありません。校長先生は、子どもたちを勇気づけるような授業やイベントを積極的に行っていきたい、と考えているそうです。

ジェンは、これからも学校などとも協同して、子どもたちの心のケアにつながるような活動を通じ、子どもたちの成長を見守っていきます。

【国枝選手を囲んで記念撮影】

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『再生上釜』ふれあい広場フェスティバル

2012.10.18

10月14日、秋晴れの日曜日、公園の再開を記念して、「『再生上釜』ふれあい広場フェスティバル」が行われました。

前回の支援速報でお伝えしたチューリップの植栽が行われた公園です。

【気持ちのいい秋晴れの日曜日、たくさんの人が集まりました】
【開会の前には、ご祈祷が行われました】

火葬場が足りなかった発災直後、この広場では、約200名のご遺体が仮土葬されました。
震災で犠牲になったすべての方々、広場に安置された方々のご冥福をお祈りしました。

【あいさつをする亀山石巻市長】
セレモニーには亀山紘市長も登場し、「広場の再開が、これからの地域コミュニティ再生のきっかけになっていってほしい」と挨拶。

ほか多くの方が祝辞を述べたあと、テープカットを行いました。

【記念として、チューリップの球根を子どもたちの手で植えてもらいました。】
先日のチューリップの植栽にも参加した、渡部さんは「みんなで植えられて、また公園に集まるきっかけが出来たし、本当によかった。ほかにも荒れたままの部分があるので、そこにもチューリップを植えたい」とおっしゃっていました。

準備運動のあと、様々なレクリエーションが行われました。

【オープニングの式典の後は、跳ね子踊り】

【大縄跳び】
【最後は綱引き!】

 

準備運動に始まり、障害物競走、大縄跳び、凧揚げ、綱引き、と盛りだくさん。上釜地区は伝統的に地区運動会が盛んな地域で、久しぶりの競技を楽しみました。

【お昼にはみんなで芋煮】
【出店】

東浜や佐須浜、鹿妻など、JENが地域支援を行っている地域から、出店の協力をしていただきました。このように、石巻地域の中で地域同士が交流し、お互いの理解と連帯を深め、共に復興へと歩んでいく機運を盛り上げていくことを、JENは重要なミッションのひとつと捉えています。

青空の下、嬉しそうに走り回るこどもたち、地域の方たちの笑顔が印象的でした。

仮設住宅や、他地域に避難して生活している方もたくさん来場し、久しぶりの再会を喜び合う場面も見られました。

地域コミュニティの再生を目指して、JENはこれからも地域に寄り添った支援活動に継続して取り組んでいきます。

【町内会役員の皆さん、ボランティアの皆さんと記念撮影】

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一万本のチューリップを咲かせよう!

2012.10.11

10月7日秋晴れの日曜日、石巻市の西端に位置する運動公園「上釜(かみかま)ふれあい公園」に、約70人の地域住民、ボランティアが集合。株式会社フェリシモ 基金事務局 様のご支援のもと、公園の周りに1万本のチューリップの球根を植えました。

この「上釜ふれあい公園」には、昨年の震災直後、ご遺体を安置する場所が足りなくなった際に“仮土葬場”として、付近で犠牲になった多くの方が安置されました。そのため、広場の使用再開には複雑な思いを抱いている方も、少なくありません。そのような事情を十分に鑑みたうえで関係者は「子どもたちの遊び場を取り戻す」ことを優先し、施設の再開が決まったそうです。そして今年4月から工事が始まり、この10月から、ようやく一般利用が再開されました。震災前に植えられていた桜やツツジなどは津波の被害を受けて伐採されてしまったため、今回の植栽のイベントが企画されました。
【球根は、花王国オランダから届きました。】


きれいに咲くように、注意深く植えます。

【球根の向きを揃えることで、葉の位置がそろい、きれいに咲くのだそうです。】

お昼には、宮城県の秋の風物詩「いも煮」が、地元のお母さんたちから振る舞われました。JENが緊急期に上釜地区で炊き出しを行っていた際にお手伝いに入ってくれたお母さんたちです。いも煮片手に、地元のお母さんたちとボランティアさんたちは、楽しいひと時を過ごしました。

【いも煮で団らん】
【石巻市の花、ツツジの植栽も行いました】


【作業は午後3時ころに終了。お疲れ様でした!】

天候にも恵まれ、予定されていた作業は無事終了しました。参加された皆さま、大変お疲れ様でした。子どもたちの遊び場である公園や広場は、被災によって使えなくなったり、無事だった場所にも仮設住宅が建設されたりと、震災後、大幅に減少しています。再整備された広場には、バスケットコートや人工芝のグラウンドもあり、多くの子どもたちが毎日のように訪れています。


今週末14日には「再生上釜ふれあい広場フェスティバル」と題して、地元町内会の主催で施設再会を記念したお祭りが開かれる予定です。上釜地区には震災前1000世帯が住んでいましたが、多くの住宅が被害を受け、現在は約400世帯に減少しています。コミュニティの再生はいまだ、道半ばです。JENはこれからもコミュニティ、そして人々に寄り添った支援活動に取り組んでまいります。


スタートラインに立ったコミュニティ 〜鹿妻地区夏祭り〜

2012.10.04

猛暑日の続いた夏が終わり、石巻もようやく涼しくなってきました。

8月から9月にかけ、石巻市湊鹿妻地域では、各町内会で夏祭りが行われました。

【8月18日、鹿妻西公園(通称「パンダ公園」)の完成を祝う夏祭り】
こちらの公園では、震災以降、被災した遊具がそのままになっており、再整備のめどが立たないため、使用禁止の状態が続いていました。

しかし、鹿妻地域は集合住宅が多く、子どもの数も多いため、地域からは早期再開の要望があがっていました。公営団地の自治会長、土屋さんは、そのような地域の声を集め、遊具を提供してくれるというボランティアとの調整や話し合い、行政への働きかけを続け、ようやく公園を再整備することが出来ました。

【たくさんの子どもたちが集まりました】

公園奥にはバスケットコートも整備され、保育園児から高校生まで、毎日にぎやかな声が響いています。

【9月2日、鹿妻東公園で行われた「がんばっちゃ!鹿妻」晴天に恵まれました。】
昨年に引き続き、「がんばっちゃ!鹿妻」祭りが行われました。こちらの公園も再整備され、新しい遊具で遊ぶ子どもたちの姿が目立ちました。

【新しい遊具で遊ぶ子どもたち】

【ステージライブにはたくさんの人が集まりました】

【9月30日には、鹿妻第三町内会主催、「大お茶っこ飲み」が行われました】
9月30日には、第三町内会主催による、「鹿妻大お茶っこ飲み」。会場は、今年6月に完成した新しい集会所とその広場です。「祭りを成功させたい!」という町内会役員さんたちの意気込みが感じられました。

【お餅つきなどの催しには、県外からのボランティアの協力もありました。】

【2011年の会場は、被災した大型書店の駐車場でした。】
「あれから、もう一年経つのか…」感慨深げに、つぶやく人もいました。

【牡鹿半島狐崎浜からは、漁師さんによる「魚やさん」の出店も】
今年は、「鮮魚詰め放題」という珍しい出店も登場しました。詰め放題500円!という破格には、住民の皆さんも大喜びでしたが、出店した漁師さんも、「同じ石巻と言っても、このように他の地域のお祭りにかかわる機会はなかった。こういう縁を大切にしていきたい」とおっしゃっていました。

以上3つのお祭りを紹介しましたが、今年のお祭りはどこも本当に和やかで、笑顔があふれていました。人びとの気持ちに、少しずつ余裕が出てきているのかもしれません。

しかし一方で、この段階になってようやく、「損壊した自宅の修繕をして、地域に戻る決心がついた」という方もおられます。

1人ではどうしていいかわからなかったけれど、同じ地域の人と話すうちに、周りの状況、環境を知り、やっと地域に戻る決心がついたのだそうです。

復興への道のりは、個人個人によって差があります。そしてその個人個人が互いを尊重し、協力し合うことで、地域全体の復興に主体的に取り組む機運が生まれてくるのではないでしょうか。

「お祭り」は、地域住民が一丸となって取り組むことで、そこに対話が生まれ、協力が生まれます。そのプロセスにこそ価値があるということを、改めて感じました。

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牡鹿半島にも秋の訪れ  〜荻浜の秋祭り〜

2012.09.20

9月9日、牡鹿半島の荻浜で、秋祭りが行われました。

周辺の浜の多くは、春に祭りを行うため、周辺の住民は荻浜の秋祭りで少しだけ秋を感じるそうです。

荻浜は、昨年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けました。住家を流失した14世帯(30人)が荻浜地区内にある仮設住宅に暮し、あとは荻浜を離れ市内の仮設住宅やみなし仮設住宅などで暮らしています。

神社総代の伏見さん(漁協運営委員長を兼務)は、祭りをきっかけに人びとが集まることが出来るように、荻浜を離れた一人一人に案内を出しました。祭り当日、荻浜を離れて暮らす大勢の住民たちが祭りを見にきました。

【写真:荻浜の仮設で暮らす江刺さん、侍浜の杉浦区長さん】
荻浜の神社には、「女人禁制」、「神輿(みこし)担ぎの声だし禁止」という習わしがあるそうです。

男たちは家を出るときに紙を口に咥え、祭りが終わるまでの間一切声を出すことを禁じられるそうです。(今年はボランティアの参加者が多かったため、すべて解禁されていました)

神社まで206段ある石段を、宮司さん、地区の氏子さんやボランティアの方たちが一緒に上りました。神社は、周辺では一番高い場所にあるそうです。神社からは、荻浜湾を一望することができます。

【写真:神社からの景色】
【写真:神社】

 

境内で行われた神事の後、皆で石段を下り神輿の準備をしました。獅子頭を車の屋根に乗せ、地元の若者たちとボランティアの方たちが一緒になって神輿を担ぎ、太鼓を積んだ先導の車に続きます。海まで到着すると、船着き場から神輿を船に乗せ、荻浜湾をグルリと回り、陸に戻りました。そして再び地区内を練り歩きました。

【写真:神輿が荻浜湾を船で回る】

 

【写真:地区内を練り歩く神輿】

昨年も規模を縮小して祭りを開催しましたが、今年は、ジェンを初め、荻浜に関わった多くのボランティア団体や人々の協力の下、震災前に負けない規模で開催することができました。祭りのラストは、紅白の餅まき、大きな歓声でフィナーレを迎えました。

祭りに参加した皆さんの笑顔が溢れていたことは言うまでもありません。

【写真:荻浜支所前での餅まき】

【写真:拾った餅】

 

「こんな光景を毎年みたいね、あと何年生きられるかわからないけど・・・。」万石浦(まんごくうら)の仮設住宅に暮らすおばあちゃんがポツリと呟きました。

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