東北支援速報

一年と半年が過ぎて。〜全国から消防士のタスキリレー〜

2012.09.20

9月11日(火)14:00、全国の消防の皆さんの想いを繋いだタスキが石巻広域消防本署でゴールを迎えました。

【写真:タスキリレー実行委員会の武藤さんとJENスタッフ】
【写真:ゴールの瞬間】

 

このタスキリレーは、東日本大震災で大きな被害を受けた、消防本部、消防職員およびその家族を応援し元気を運ぼうと、全国の消防士の有志が集まり、今年の3月11日に鹿児島市を出発しました。1都2府23県にわたる4881キロを8124人が気持ちをこめて走り、タスキをつないでいきました。

最終区間の約2.2キロは、震災時、女川消防署に勤務し、同僚4人が死亡・行方不明となり、自らも大けがを負った野田和好さん(43才)ら石巻広域消防本部職員3人が担当しました。

最終ランナーとして走り終えた野田消防司令補は、「タスキを繋いでくれた消防士や応援してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。リレーを通して全国の消防の繋がりも強く感じた」と話しました。

【写真:最終ランナーの野田消防司令補】

タスキリレーの消防士を応援しようと、近隣の仮設住宅で暮らす市民や近くの子どもたちも駆けつけました。

【写真:南境第4仮設団地のみなさん】

【写真:歌の練習、阪上さんと湊第二小学校の子どもたち】

 

ゴール後、集まった全員で記念写真を撮りました。最後に、阪上めいこさんがミュージカル「ファイヤーマンの祈り」の主題歌「Thank you Fire Fighters」を応援に駆け付けた市民や子どもたちと一緒に、涙を流しながら歌いました。

*「Thank you Fire Fighters」の歌詞

Thank you Fire Fighters 人の為に命さえ 惜しまぬ その勇気

Thank you Fire Fighters 大きな優しさと 愛溢れる その笑顔

本当の優しさは 無償の愛 たとえ誰でも 認められなくても

危険な場所へ 飛び込んで行く ためらいのない その後姿

あなたは 本当の 強さ 教えてくれた

すべての人と 同じ 愛する妻と子ども 思う気持ち

それでも 私たちを守り どんな時にも 勇気見せてくれる

言葉なんて 言い尽くせないけど

ありがとう ありがとう ありがとう

【写真:Thank you Fire Fightersを歌う阪上さんと子どもたち】

石巻広域消防の星消防長が謝辞の挨拶の中で、「最初に石巻に捜索応援隊として来られたのが鹿児島の消防隊、タスキリレーのスタートの地が同じ鹿児島と聞いて感無量です。管内では未だに800人弱の行方不明者がおり、その中に同僚職員4人も含まれます。今日、大きな勇気をもらい、一人でも多くの方を探し出すことを改めて誓います。」と謝辞を述べられました。

午後2時46分、瓦礫の中から発見された半鐘(はんしょう)を鳴らしながら、大震災で亡くなられた方に対し1分間の黙とうを捧げました。

【写真:瓦礫の中から見つかった消防の半鐘】
【写真:午後2:46全員で黙とう】

 

タスキリレーを主催した実行委員会から、全国の消防士一人一人のメッセージと汗が染みこんだタスキとメッセージ入り日章旗が贈呈され終了しました。

【写真:贈呈されたメッセージ入り日章旗】

今回、新しい楽器を使った消防音楽隊の演奏 は、行われませんでした。

行方不明の方の捜索活動は、まだ続いているからです。晴れやかな演奏が聴ける日が一日でも早く訪れるよう、祈りと希望の気持ちを強く感じた一日でした。

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佐須の浜小屋〜浜友〜 完成式!

2012.09.13

9月9日、佐須浜(さすのはま)で、“佐須の浜小屋 浜友(はまゆう)”の完成式が行われました。“佐須の浜小屋”は、地域コミュニティのための集会施設です。

【集会所まえにテントを設置し、式典を行いました。大漁旗がたなびきます】

佐須浜は牡鹿半島の付け根の小さな集落です。震災前は約40世帯、津波により多くの家屋が流出してしまい、現在は7世帯が残って生活しています。それ以外の世帯は、親戚の家、仮設住宅などバラバラに避難生活を続けています。

JENでは漁業資材の支援と地域コミュニティへの支援を並行して行っており、浜の人びとと話し合いやワークショップを重ねてきました。

その中で、“浜を一時的に離れている人も、残った人も、みんなが集まれる集会所がほしい”という要望があがり、この“佐須の浜小屋”は生まれました。

【関係者からの挨拶のあと、集会所の鍵が贈呈されました。】
浜の言葉では、子どもたちが船や砂浜で遊ぶことを、“浜遊”といいます。それをもじった“浜友”というネーミングは、佐須浜の人びとの話し合いで決定しました。

【式に集まった地元の方々と関係者で記念撮影】
施設の建設にあたったのは、福島県浜通りに本社がある業者さんです。震災・原発事故後は仙台に支社を置き、事業を行っているということです。担当の方からは、「いつの日かふるさとに帰ることのできるその日まで、この宮城の地で、東北の復興のために尽力していきます。」という内容のご挨拶をいただきました。

【式の後には、懇親会が行われました】

【料理を作った浜のお母さんたち】

佐須浜では、秋から出荷が始まるカキのシーズンに合わせて、採れたてのカキを観光客やボランティアに提供する“カキ小屋”をはじめよう、という計画が進んでいます。

佐須の浜小屋にテントを併設し、順調にいけば10月中旬から営業を開始する予定です。


支援速報では今後も随時、一歩ずつ前進する浜の人びとの姿を伝えていきます。

JENの活動へのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

※  今回の完成式の様子は9月8日付の三陸河北新報、9月10日付の石巻日日新聞にも取り上げていただきました。ぜひご覧ください。

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生業支援事業 ~表浜その2~

2012.09.06

突然ですが、漁師さんが持っているこの道具、何を取るための仕掛けかわかりますか?

【ロープの先に、プラスチック製の筒と、おもりがついています】

写真ではわかりませんが、プラスチックの筒はふたが円錐形になっていて、一度筒の中に入った獲物が、外に出ることが出来ない構造になっています。素材は、かつては竹筒が用いられていたそうです。

これは、いまが旬の「あなご」を取るための仕掛け、あなご筒(どう)です。

JENでは生業回復支援として、各漁協を通じてニーズを聞き取り、必要な資材の支援を行っています。表浜地区漁協から要望があがったのが、このアナゴ漁用のロープでした。

写真は漁協への資材搬入の様子です。操業規模に合わせて資材が配分されました。そしてそれぞれの家で筒と組み合わせて仕掛けを作り、漁に使用します。

【資材の配布では、自然と漁師さんの笑顔が見られました】

【表浜アナゴ部会は47名。実際に稼働しているのは21名とのこと。】

こちらは、実際の漁に出る前の様子。仕掛けがきれいに船上に並べられています。

写真の船(8トン)の場合、仕掛けが全部で1200本。4〜5人で行うそうです。仕掛けの総延長は20kmにもなります。

天気に依りますが、だいたい月に15〜17回くらい漁を行うそうです。

【船を失った方は、仲間の船に乗ります】

アナゴ部会の大澤さんは、少しおどけて、こう言います。

「震災の後と言っても、海でとれるものは変わらないし、今までやってきたことに誇りを持ってるから、まずはそれを取り戻すこと。それが第一。震災を受けても、それが理由でやめようとは思わなかったね。それを言うなら、地震の前から毎日、船の上ではつらい、やめたい、って思ってるよ。漁師だって船酔いするんだよ。我慢してるだけ(笑)」

震災前の情況を取り戻す―。表浜がアナゴの全国的な産地であることは、あまり知られていません。かつては日本一、現在でも東日本一の漁獲高を誇っているそうです。漁の最盛期は7月〜9月ですが、アナゴ漁は12月頃まで続きます。

「俺は船が残ったから、仕事をやれる状況にあるから。仕事をすることで、あとから再開する人に“まだやれるんだ”っていうところを見せるのが、船が残った者の責任なのかな、と思ってる。」

【あなご。漁獲高、市価ともに例年並み、とのことです】
【アナゴ部会のみなさんと】

アナゴ漁は再開した、とは言っても、漁港の岸壁や住まいの再建、流出した船の確保、浜の復旧、復興にはまだまだ時間がかかります。JENは浜の人びととともに、これからも活動を続けてまいります。
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〜石巻・大森団地の夏祭り〜

2012.08.30

石巻市中心から北に向かって車で15分、田んぼと山に囲まれた自然豊かな二俣地区に大森団地があり、450戸に867人の方が暮らしています。(平成24年8月1日現在)

この団地は4つの団地で構成されており、このうち第3と第4に自治会が立ち上がりました。

ちょうど一か月前の7月下旬に第3自治会の阿部自治会長さんと第4自治会の内海自治会長さんより連絡が入りました。8月25日(土)に大森団地で夏祭りを開きたいとのお話でした。

会長さんたちのお話では、JENを初めこの団地に関わっているボランティアさんや団体さんに協力頂き、住民と一緒になって「祭り」を成功させたいとのことでした。

JENの仮設住宅団地を担当するコミュニティ支援チームは、喜んでご協力しますと答えました。こうして計画が練られ、8月14日の第2回会議で内容が決定され、JENを含めた複数の団体が協力し、それぞれが出店を出しました。

JENでは「水ヨーヨー」と「カキ氷」店をだしました。当日は、朝から晴天で気温も30℃を超え、多くの人々で終日にぎわいました。

【写真①:大森団地夏祭りのステージ】

【写真②:JENのカキ氷の出店】
【写真③:JENの水ヨーヨーの出店】
ふれあいコンサートでは、世界チャンピオンによるスコップ三味線の演奏、地元の渡波獅子風流(ししふり)、スイカ割り大会にカラオケ大会と盛りだくさん、夕方からは盆踊り大会で大いに盛り上がりました。

【写真④:盆踊り大会】

自治会長さんをはじめ、住民の皆さんによる手作りの夏祭りが、東北の短い夏のひと時を鮮やかに彩りました。明日に向かって一歩踏み出す力に変えて。

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仮設住宅団地防災訓練

2012.08.23

JENでは仮設住宅への継続的な支援として、団地自治会と協働して防災訓練を行っています。

今回は、その一環として行われた炊き出し訓練の様子をお伝えします。

大きな災害が発生した場合、津波や火災などによる直接の被害がなくても、発災後3日間は、ライフラインの寸断や物流の停止などの影響により、公の支援は期待できません。

何かしらの外部からの支援が入るまでの間は、自助、そしてコミュニティ単位での共助が大切となります。

仮設住宅団地は、基本的に津波の浸水被害のなかった区域に建てられていますが、複数の地域から抽選によってばらばらに入居している場合も多くあります。複数の地域から集まった人々が、いざというときに共助の力を発揮できるよう、準備しておく必要があるのです。

避難訓練、救急救命訓練と合わせ、今回の炊き出し訓練は、団地で行う訓練としては3回目でした。
【集会所に集まった団地入居者のみなさん】

今回の炊き出し訓練は、地域防災および緊急時の炊き出しを専門とされているNPO法人camper(キャンパー)さんの指導のもと行われました。炊き出しの訓練には石巻の現地JENスタッフも参加しました。
【調理開始!】



参加した住民の方からは、

「地域防災の視点から、炊き出しの考え方を知ることができてよかった」

「団地のイベントとして、訓練を兼ねて定期的に行うことが出来たらいいのではと感じた」

といった感想が聞かれました。

【おつかれさまでした!】

今回の震災をきっかけに、地域防災、コミュニティでの共助の大切さがあらためて注目されています。JENは、地域の人々がお互いに支え合い、その力を発揮することができるような社会の実現を目指して、地域コミュニティへの支援活動に引き続き取り組んでいきます。

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