今回は、JENの東北ボランティアについてお伝えします。
Facebookではひとあし先に写真だけでお伝えしましたが、11月3日、4日のJEN東北復興ボランティアは、石巻市上釜地区での被災農地の復旧作業を行いました。
【土の中から大きながれきを掘り返します。】
がれきの除去作業はすでに、農家の皆さんの手によって二度、三度と行われているそうですが、土を掘り返すとまだまだたくさんのがれきが出てきます。
【大きな脚立が出てきました。】
作業は、数十人からなる地元の農業者グループと調整をしながら進めています。この地域は海岸から1kmも離れていない、被害の大きい地域です。そのため、別の地区に農地を借りて事業を再開している方が多いそうです。それと並行して、先祖代々の土地を復旧させたいと願い、地道に作業を行っていらっしゃいます。
重機を使って大きながれきは除去されていますが、その撤去作業の際に、中程度から小さながれきは、地中に埋まってしまいます。
このままでは、農業用の機械を入れると機械を傷めてしまう恐れがあるため、スコップを使って地道に掘り返し、除去していきます。
最後に、集めたがれきを種類ごとに分別します。
【分別はひとつひとつ手作業で行います。】
遠景に見えるのは、がれきの仮置き場です。
作業終了後には、農家さんから感謝の言葉をいただき、参加者一人ひとりから感想が述べられました。
【農家さんを囲んで、作業の振り返り】
「まだ手つかずのところがあって、自分でもできることがあることが分かった。また来たいと思う。」「充実した作業だった。また参加したい。」
秋晴れの下、晴れ晴れとした表情で多くの方が、「また参加したい」と話していたのが、とても印象的でした。それは、われわれスタッフにとっても、とても嬉しい言葉でした。
【二日間の作業に参加したのは、個人参加、企業からの参加含め14名。お疲れさまでした。】
農地がどこまで復旧されるのか、まだ先の見通しは完全には立ちません。地域全体で被災農地の復旧に取り組んでいますが、内陸に転居されている方の中には、「今でも、海岸に近づくだけで気分が悪くなる」という方もいるなど、それぞれに事情を抱えておられます。JENでは、農業者グループ、地元コミュニティと連携を取りながら、目の前の作業に一つ一つ取り組んでいきます。
●更新情報
JEN復興支援ボランティア、インフォメーションを更新しました。こちらからご確認ください。
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その他、銀行へのお振り込みに関しては、恐れ入りますが、ジェン東京本部(03-5225-9352 担当:富田、浅川)までお問い合わせください。
9月9日、佐須浜(さすのはま)で、“佐須の浜小屋 浜友(はまゆう)”の完成式が行われました。“佐須の浜小屋”は、地域コミュニティのための集会施設です。
【集会所まえにテントを設置し、式典を行いました。大漁旗がたなびきます】
佐須浜は牡鹿半島の付け根の小さな集落です。震災前は約40世帯、津波により多くの家屋が流出してしまい、現在は7世帯が残って生活しています。それ以外の世帯は、親戚の家、仮設住宅などバラバラに避難生活を続けています。
JENでは漁業資材の支援と地域コミュニティへの支援を並行して行っており、浜の人びとと話し合いやワークショップを重ねてきました。
その中で、“浜を一時的に離れている人も、残った人も、みんなが集まれる集会所がほしい”という要望があがり、この“佐須の浜小屋”は生まれました。
【関係者からの挨拶のあと、集会所の鍵が贈呈されました。】
浜の言葉では、子どもたちが船や砂浜で遊ぶことを、“浜遊”といいます。それをもじった“浜友”というネーミングは、佐須浜の人びとの話し合いで決定しました。
【式に集まった地元の方々と関係者で記念撮影】
施設の建設にあたったのは、福島県浜通りに本社がある業者さんです。震災・原発事故後は仙台に支社を置き、事業を行っているということです。担当の方からは、「いつの日かふるさとに帰ることのできるその日まで、この宮城の地で、東北の復興のために尽力していきます。」という内容のご挨拶をいただきました。
佐須浜では、秋から出荷が始まるカキのシーズンに合わせて、採れたてのカキを観光客やボランティアに提供する“カキ小屋”をはじめよう、という計画が進んでいます。
佐須の浜小屋にテントを併設し、順調にいけば10月中旬から営業を開始する予定です。
支援速報では今後も随時、一歩ずつ前進する浜の人びとの姿を伝えていきます。
JENの活動へのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
※ 今回の完成式の様子は9月8日付の三陸河北新報、9月10日付の石巻日日新聞にも取り上げていただきました。ぜひご覧ください。
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突然ですが、漁師さんが持っているこの道具、何を取るための仕掛けかわかりますか?
【ロープの先に、プラスチック製の筒と、おもりがついています】
写真ではわかりませんが、プラスチックの筒はふたが円錐形になっていて、一度筒の中に入った獲物が、外に出ることが出来ない構造になっています。素材は、かつては竹筒が用いられていたそうです。
これは、いまが旬の「あなご」を取るための仕掛け、あなご筒(どう)です。
JENでは生業回復支援として、各漁協を通じてニーズを聞き取り、必要な資材の支援を行っています。表浜地区漁協から要望があがったのが、このアナゴ漁用のロープでした。
写真は漁協への資材搬入の様子です。操業規模に合わせて資材が配分されました。そしてそれぞれの家で筒と組み合わせて仕掛けを作り、漁に使用します。
【表浜アナゴ部会は47名。実際に稼働しているのは21名とのこと。】
こちらは、実際の漁に出る前の様子。仕掛けがきれいに船上に並べられています。
写真の船(8トン)の場合、仕掛けが全部で1200本。4〜5人で行うそうです。仕掛けの総延長は20kmにもなります。
天気に依りますが、だいたい月に15〜17回くらい漁を行うそうです。
【船を失った方は、仲間の船に乗ります】
アナゴ部会の大澤さんは、少しおどけて、こう言います。
「震災の後と言っても、海でとれるものは変わらないし、今までやってきたことに誇りを持ってるから、まずはそれを取り戻すこと。それが第一。震災を受けても、それが理由でやめようとは思わなかったね。それを言うなら、地震の前から毎日、船の上ではつらい、やめたい、って思ってるよ。漁師だって船酔いするんだよ。我慢してるだけ(笑)」
震災前の情況を取り戻す―。表浜がアナゴの全国的な産地であることは、あまり知られていません。かつては日本一、現在でも東日本一の漁獲高を誇っているそうです。漁の最盛期は7月〜9月ですが、アナゴ漁は12月頃まで続きます。
「俺は船が残ったから、仕事をやれる状況にあるから。仕事をすることで、あとから再開する人に“まだやれるんだ”っていうところを見せるのが、船が残った者の責任なのかな、と思ってる。」
【あなご。漁獲高、市価ともに例年並み、とのことです】
【アナゴ部会のみなさんと】
アナゴ漁は再開した、とは言っても、漁港の岸壁や住まいの再建、流出した船の確保、浜の復旧、復興にはまだまだ時間がかかります。JENは浜の人びととともに、これからも活動を続けてまいります。
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JENでは昨年10月から、浜の人たちに漁網材料を配布し漁網を編んでいただく、そして完成した漁網を津波により漁具が流出した漁師さんに使っていただく、という収入創出事業を、4つの地区(表浜地区、東浜地区、裏浜地区、石巻地区)で始めました。
6月29日、表浜地区での漁網支援をご支援いただいている雑誌「STORY」「美ST」の皆様とともに、視察に行ってきました。
今回お伺いした表浜地区給分浜(キュウブンハマ)の高橋さんは、自分のことを“小漁師” と呼びます。“小漁師”とは、季節ごとの魚や磯もの(貝、海藻など)をさまざまな仕掛けや素潜りで採り、生計を立てる漁師さんです。
シャコエビ漁は、網の巻き上げ機 のついた小舟で行います。
港から10分ほど船を走らせると、旗が立っています。この旗が仕掛けの目印です。
【巻き上げながら、かかった獲物を外していきます】
【船上で作業をする高橋さん】
【網から外されたシャコ】
高橋さんは、奥さんと息子さんの3人で漁を行っています。奥さんの照代さんは言います。
「震災後は私も、とりあえずラーメン屋さんでアルバイトをしていたんだけど、漁網づくりをきっかけに、こうやって海の仕事に戻るようになったの。そうするとやっぱり楽しいし、やりがいがあるの。もちろん大変なこともたくさんあるけど、ね。」
【高橋さんご夫婦のお話に耳を傾ける「STORY」「美ST」の皆さまとJENスタッフ】
「これからは家族も一緒にやるし、養殖にも挑戦してみようか、とも考えてるんだ。」
当初、震災でなにもかも失ったことから、“漁師をやめてもいいんだよ”と息子さんに伝えたそうです。しかし息子さんは、“俺は漁師しかできないから。漁師で仕事をすることを覚えてしまったから。漁師をやるよ”と、漁師を続ける道を選ん だのだそうです。
漁港のかさ上げと整備、流出した船や漁具の調達、仮設住宅から高台への移転…、未解決の課題はまだまだ山積していますが、できるところから取り組む浜の人びとの力強さを感じました。
JENはこれからも、復興に向かって進んでいく人びととともに、歩み続けます。
引き続きJENの活動への支援をお願いいたします。
JENでは、昨年より石巻の各浜においてさまざまな漁業支援活動を行っています。
今回は、JF石巻地区支所管内の石巻10浜での取り組みのご紹介、第2弾です。
石巻10浜へのこれまでの支援についてはこちらをご覧ください。
浜への“番屋”設置第一号が、先日、桃浦にて行われました。
【設置前に、安全祈願】
さて、“番屋”とは、休憩や作業をする場所や小屋、という意味の漁師ことばです。
写真のとおり、桃浦は港湾施設、住居のほとんどが津波によって壊滅的な被害を受けました。
現在、桃浦では16軒の漁師さんが漁業再開へ向けて働いています。その全員が浜から離れた仮設住宅や民間借り上げ住宅で生活を送っています。中には、80㎞離れた仙台市内から通っている方もいます。
これから本格的な夏がやってきますが、通いで仕事をしている漁師さんたちには、お昼休憩をする場所さえありませんでした。
番屋は港の正面に建てられました。そこは、かつて漁協の建物があった場所です。
「これで夏の間も落ち着いて仕事ができるよ。ありがとう!」
【「ありがとう」 固い握手を交わしました。】
皆さんの笑顔を胸に、JENはこれからも継続的な自立支援活動を行っていきます。各浜への番屋の設置は桃浦を皮切りに、共同利用を含め5か所で予定されています。
その様子は、順次支援速報でお伝えしていく予定です。
【桃浦の皆さんと、記念撮影】
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