東北支援速報

佐須浜のお手伝い〜地元漁師さんたちとの交流

2012.03.29

3月24日(土)、石巻市佐須浜で三井物産の皆さんに朝早くから清掃作業をお手伝いいただきました。

雪が多く残るなか、津波被害で多くの家屋を失った佐須浜で、皆さんは腐食した竹や、津波で流れ込んできた自転車、家庭用品などをかき集めました。

作業の途中、「コーヒー飲まいん(飲みなさい)」と地元のお母さんからコーヒーの差し入れがありました。鍋であたためてくれたコーヒー缶を片手に、しばしのブレイクです。

漁師さんからは、震災発生時に波が押し寄せて山へ逃げた人の話など、佐須浜の当時の話を伺いました。

午後には、翌日の「佐須浜カキ復興感謝祭」に向けた準備が行われました。

三井物産の皆さんには、カキ養殖の初期段階である原盤づくり(からこ刺し)、種つけ作業からお手伝いいただいてきました。そのカキが立派に生育し、今回の復興感謝祭でふるまわれることになったのです。

その水揚げされたカキを手に取り、皆さんでひとつひとつ丁寧に分けていきます。

【ごつごつしたカキのかたまりをひとつひとつ分けていきます】

【しうり貝(ムール貝)のごみ取り作業】

 

ときに笑い声が交じりながら、地元漁師さんやお母さんたちと一緒に楽しく準備が進んでいきました。

さて、翌日はいよいよ「佐須浜カキ復興感謝祭」です。その詳細は次回に続きます。

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打ち上げられた船を見つめて

2012.03.08

打ち上げられた船を見つめて

これは去年の12月10日に撮影された底引き中型船の写真です。震災から9か月を経ても動かすことができず、港にこの1隻だけが取り残されたままになっています。

実は、この船の持ち主というのが、JENの支援を受けている業者さんなのです。今回は、この船と業者さんとJENのエピソードをお伝えしたいと思います。

解体業を営んでいる業者さん。震災当日は、買い取った船を陸揚げ・解体するため、別の漁港へ曳航(えいこう)する準備をしていました。あと5分で曳航開始という矢先に、激しい揺れに襲われました。間違いなく大津波が来ると確信し、一刻も早く高台へ逃げなければと思ったものの、船のことが気にかかり、30分がかりで岸壁に係留し直しました。その後、逃げる途中で津波の第1波にのまれ、一気に押し流されたのです。高台のふもとの墓地の墓石にしがみつき、かろうじて一命を取り留めることができました。そして高台へと這い上がり、同じように後から流されてきた人たちを何人も引っ張り、避難させました。しかし、家屋をのみこんで襲い来る第2波を目の当たりにした後の記憶は、断片的にしか残っていないそうです。

翌日、高台から近くのパチンコ店に避難。そこで2晩過ごし、7時間歩いてやっと自宅へ帰れたのは3日後のことでした。ご自宅もご家族も無事でしたが、従業員が1名、津波に命を奪われてしまいました。また、営業用のトラック2台と重機1台が流され、大型車1台も半分冠水しました。

あまりにも非現実的な現実の連続。一体これからどうしていけばいいのかと、頭の中の整理がつかずにいたある日、JENとの出会いがありました。JENから、被災した個人事業主にトラックを無償で貸し出すという支援の打診があったのです。

全く聞いたことのない団体、全く面識のない人からの突然の電話に、最初はそんな虫のいい話などあるわけがないと思ったそうです。しかし、自力で車両を手配しようと探し回っても、販売・リース共に1台もないのが現実でした。

半信半疑ながらもコンタクトをとっているうちに、話がまとまり始め、最終的にはトラック2台貸し出しの契約を結ぶことができました。それによって仕事が生まれ、新たに4名の従業員を雇用でき、今ではトラックを使った社会貢献活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。

(人々の生活再建のための本事業は、支援者の皆さまと、ジャパン・プラットフォームのご協力により2月末日まで実施されました)

「今まではテレビなどで復興支援活動をする人々を見ていたけれども、今回、実際に支援を受ける立場になって、口では言い表せないほど感謝をしている。本当にいい経験をした」と、業者さんは語ります。

【業者さんのお話に耳を傾けるJENスタッフ】

さて、そんな業者さんの船のその後はというと、今年の1月10日、ついに陸揚げに成功したのです。実はこれまでに2度陸揚げを試みましたが、2度とも失敗。これが3度目の正直、というわけです。これには業者さんも、JENスタッフも感無量です。

【吊り上げられた船】

そして2月27日、大がかりな解体作業が始められました。作業には、JENが支援しているトラックも使われています。

【解体された船の部品をトラックで運搬】

港に取り残された最後の一隻の船。姿を消しても人々の記憶にはずっと残ることでしょう。間もなく震災から1年を迎えます。これからも景色はどんどん変わっていきますが、震災の教訓と支え合いの心は決して忘れてはならない、と改めて思いました。

JENはこれからも地元の人々に寄り添いながら、支援を続けていきます。

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東浜より感謝の気持ちをこめて

2012.03.03

3月3日(土)、牡鹿半島東浜小学校にて、「東浜地区災害復興祭」が行われました。元東浜災害対策本部の方々が、今までお世話になった各支援団体や自衛隊へ感謝の意を表したい、ということで主催し、JENも招待客の一員としてお招きにあずかりました。

5つの浜から成る東浜地区は、石巻でも特に被害の大きい地区のひとつです。この場所とJENとの関わりは、緊急時の物資配布から始まりました。

全国から寄せられた長靴・スコップなどの汚泥撤去道具の配布 。株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)様からご提供を受けた衣類の配布。全国から集まってくださったボランティアの皆さんと共に家屋の泥出し。小学校での人形作り 。資生堂様による美容エステボランティア。夏には野菜支援漁業支援 災害対策本部の解散後も、引き続き漁業支援 を行っています。

さて、お祭り当日。会場に到着した私たちをお出迎えしてくれたのは、東浜の住民の皆さまの温かい笑顔と、養殖再開を果たした牡蠣のおいしそうな磯の香りでした。

【この時期が一番おいしいという牡蠣を炭火焼きで】

かつては地震で天井が落ちていた中で物資配布を行っていた体育館も、復旧し、もとの姿に戻りました。

【きれいになった天井】

1分間の黙とうを捧げた後、「今までのたくさんの支援に心から感謝している。今後も絆を大切にし、復興への道を歩んでいきたい」と、元東浜地区災害対策本部長の豊島さんが開会のご挨拶をされました。

【着ているベストにはびっしりと応援メッセージが】

お祭りでは歌や踊りに太鼓の演奏、とれたての牡蠣やワカメを使った料理がふるまわれ、会場に訪れた約160名の招待客を楽しませてくれ ました。

【幸せを呼ぶといわれる地元の伝統芸能「獅子風流(ししふり)」】

【会場に鳴り響く太鼓とお囃子】

【お母さんたちからも黄色い声援が】

また、天候の都合により急きょこの体育館へ会場変更ということで、兵庫県芦屋市からお隣の荻浜小学校野球チームへのユニフォームの贈呈式も行われました。思いがけず、もう一つの心温まる絆の物語に立ち会うことができました。

【ユニフォームを受け取る子どもたち】

浜の方々との楽しい交流のひとときは、福貴浦区長の阿部さんのご挨拶で締めくくられました。「本当に大変なのはこれからだ。皆で一致団結し、乗り越えていこう」とのお言葉に、改めて身の引き締まる思いがしました。

【全員で力強く拳を上げて閉幕】

あの日から1年が経ちました。だいぶ復旧が進んだとはいえ、まだまだ至る所に震災の爪痕が色濃く残っています。課題は山積みだけれども、1歩ずつ、前へ進もう。JENはこれからも浜の皆さんの自立のために支援を続けていきます。

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【ボランティア派遣】狐崎稲荷神社 〜お神輿ボランティア〜

2012.02.27

期間:2012/2/24〜2/27
ボランティア参加者累計:3980名
漁業支援ボランティア参加者累計:755名

2/25〜2/27の3日間、三井物産など36名のボランティアさんがご参加くださいました。

牡鹿半島の東浜と呼ばれる地域には5つの浜(福貴浦、鹿立、狐崎浜、竹浜、牧浜)があります。4つの浜は津波による被災状況がひどい状態でした。狐崎浜は津波の被害は少なかったものの、海沿いの数軒においては、他の浜と同じように壊滅的な被害をうけていました。

さかのぼること去年の7月頃、泥出しボランティアで狐崎浜の2軒のお宅を掃除した縁で、JENはこの方たちと出会いました。その後もJENは、漁業支援として牡蠣養殖の再開に向けた「原盤づくり」(からこ刺し)や「種つけ作業」、また、漁網支援を通じて狐崎浜との絆がますます強くなっていきました。

最近では、狐崎浜の皆さんとも顔なじみになっており、「今年は狐崎神社のお祭りをやろうと思うんですが、良かったら、一緒にお神輿をかついで参加しませんか?」とお誘いを受けました。昨年は、津波により行うことのできなかったこの地域の伝統的なお祭りにJENスタッフやボランティアの皆さんも一緒にと声をかけてもらい、とてもうれしく思います。

【1個ずつお餅を丸めている様子】

お祭りの前日、私たちは準備のお手伝いに伺いました。神社の入口から社に向かっての山道へ、のぼりを数か所に設置するのですが、のぼりがとても長いため、1つ設置するのも数人がかりでの作業でした。その他、祭りの日にまく3色のお餅の準備など、皆で協力して作業を進めていきます。

【のぼりを建てるのも一苦労】

2月27日、迎えたお祭りの当日。強風でしたが、空は晴れ渡っていました。お祭りには、立派な袴や着物を装った浜の皆さんと、白い服に身を包んだお神輿担ぎの若い衆やボランティアの方々が集まりました。狐崎稲荷神社へむけてお神輿を迎えに一列になり練り歩きます。

神主さんがお神輿へ神様をお迎えする儀式を終えると、いよいよ狐崎の神様がお神輿に乗り、浜に降り立つ時が来ました。

【掛け声を掛けながら、みんなで盛り上がります】

一度、お神輿をお迎えしてから、地域の皆さんへの餅まきが行われました。1つでも多くお餅を取ろうと、みんな真剣なまなざしで見上げています。子どもたちは袋を持参して、餅ひろいへの参戦です。広場には子どもからお年寄りまでたくさんの人でにぎわいました。

【餅まきに歓声が沸きました】

その後、お神輿を担いで、家を何軒かまわった後に向かった先は、海でした。恒例のお神輿を担いだまま、海へ入る儀式です。陸にいても体が冷えきるような寒さの中、勇壮な担ぎ手の皆さんは海へと入っていきました。

本来なら、神輿を担いだまま胸まで入りますが、今回は浜の若い衆が一人胸まで入り、残りの方は地下足袋のまま足首まで入りました。海は強風で白波が立っていました。

【強風で白波が立つ海へ】

最後に神社へとお神輿を奉納し、お祭りは無事に終了しました。

山の神社から海に入る儀式まで、そこに住む浜の人たちが海や山と一体となって行われる伝統的なお祭り。今年は狐崎浜の人だけでなく、東浜の他の浜からも担ぎ手が参加してくれました。そこにJENも参加することができ、皆さんと一体感を共有し絆を深めることができました。

JENはこれからも地域に根ざした支援を通じて、生きる楽しさを皆さんと一緒に探していきたいと思います。復興へむけて、確かな一歩を。

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【生計回復】歩み出したリサイクル業者 〜未来への一歩〜(2012.02.14取材)

2012.02.14

震災後、石巻市内では、町中にあふれた瓦礫を撤去したり、ゴミを収集してくれる専門の業者も被災し、業務ができない事態に陥っていました。

JENは、そんな被災業者へトラックを提供することで、瓦礫撤去やゴミ収集に貢献していただこうと思い調査を行いました。

調査の結果、最も被災状況がひどかったのは、旧北上川の河口付近に自宅兼事務所を構えていた創業120年のリサイクル業者の方でした。

震災当時、従業員33名のうち、10名が震災により亡くなられました。

失意の中で、仕事を再開するにも、まったく気力が起きない状況で「会社を再建したくても、現実には事務所も車も仕事も…何もないという現実がありました。どんなに頑張っても会社の再建はできない。やはり諦めるしかないのか。でも…」と、様々な葛藤があったそうです。

そんな中、JENが仕事で使うダンプカーやゴミ収集車を無償で貸出しますという話をすると、最初は信じてもらえませんでしたが、「車があれば、仕事ができる。会社を再開しなきゃ。一歩ずつし進めないけど、生かされた命だから、従業員のためにも頑張ろう」と、僅かですが希望の光が見えたそうです。

貸出したゴミ収集車

また、車が使えることにより業務を再開できるだけでなく、雇用促進の効果も生まれて、以前の従業員5人が戻ってきて働いているそうです。「得意先が7〜8割被災しているので、以前のようには仕事がこないけれど、鉄くず回収や受け入りの仕事もくるようになりました。これも仕事で使える車があるおかげですよ」と感謝の言葉をいただきました。

さらに、その車を使って津波でえぐられた岸壁の補修[m1] を行う等の社会への貢献活動にも無償で携わっていただきました。

【ダンプカーで岸壁を補修している様子】

最近では、被災にあった川口町の工場を、半分補修しながら残りの半分で稼働しているそうです。以前から仕事の一部として考えていた貿易分野にも取り組んでいきたいとおっしゃっていました。「これから先、いばらの道だけど、まずはマイナスからゼロへと一歩ずつ、着実に前に進んでいこうと思う」

【川口町の工場】

湊小学校での避難所生活は辛いこともありましたが、楽しいこともたくさんあったそうです。

「みんなで一緒にごはんを作って食べたり、山形から旅行のご招待もあったし、日本人の友情も捨てたもんじゃないですね。ありがたいですよ。日本だけでなく様々な国の方々との出会いや経験を通して、絆に国境はないですね」とおっしゃっていました。

「支援していただいた方々へ、どういう形でできるかわからないですが、恩返しをしていきたいです」と明るい笑顔を覗かせてくださいました。

【リサイクル業者の社長夫妻】

今回の事業は、支援者の皆さまと、ジャパン・プラットフォームのご協力により実施しています。少しでも多くの方々の自立を助けるために、これからもJENは希望の糧となるような支援をしていきたいと思います。一歩ずつ、希望があふれる未来へ向けて。

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