シリア難民支援速報

インターンから見たザータリキャンプの今

2015.07.09

“厳しい陽射しが、ヨルダンの乾いた大地に照りつける

巻き起こる砂ぼこりが眼に痛い

雲ひとつない美しい青空が時折恨めしく思われる”

*  *  *

私は、JENのヨルダン事務所でインターンとして国際支援について学んでいます。

ザータリ難民キャンプに来るのは今日で6日目になります。前述の一文は、私が初日に日記に書きつけたものです。

私がキャンプに対して抱いた印象は、その気候の厳しさだけではありません。秩序が保たれている様子にも感心しています。キャンプ内は12の地区に区分され、シャンゼリゼとよばれる中心通りでは、野菜や肉などの食材のほか、洋服や香水、おもちゃが売られています。ゲームセンターもあるそうです。ここに来ると、いつも活気と若さを感じます。道という道には、きちんと電気や水道があり、道もすべてコンクリートで舗装されています。もともと何のつながりもない人々の間に、コミュニティが生まれていく。何もないところから、経済や社会ができていく様子は、まるで都市の発展の歴史を辿っていくような気さえします。

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私は今、JENが発行する月刊誌“アルタリク”(アラビア語で“道”の意)の製作チームに所属しています。この月刊誌は、キャンプ住民の、キャンプ住民による、キャンプ住民のためのマガジンで、住民のボランティアチームが主体となって、住民から記事を集めます。チームのメンバーには、僕はジャーナリストだと胸を張って語ってくれる人もいました。かれらは、JENが企画したジャーナリズムトレーニングを修了した人たちです。

私は、難民キャンプといえば、祖国の戦禍を逃れてきた人々のための一時しのぎのシェルターと思い込んでいました。実際にキャンプにやってくると、いろんなことが見えてきます。たとえば、ここザータリキャンプは、「学びの場」として機能しています。

キャンプ内のコミュニティーセンターでは、女性のための健康セミナーが定期的に開かれています。JENの衛生環境改善事業の一環で行うこのワークショップは、家族の健康に重要な役割を担う女性(主に成人女性)が対象です。以前配布した冬物衣料のダメージ品を使った古着リサイクルプロジェクトもまた女性を対象にしています。私が見学した日は、女性たちが古着のリフォーム方法を習っていました。住民は、いつ終わりがくるか、見通しのたたないキャンプ生活を少しでも有意義にしようと、学ぶ機会に積極的に参加しています。

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日々強さを増す陽射しに加え、今日からラマダン(イスラム教の断食月)が始まります。私にとっては、初めてのラマダンです。キャンプの“今”をスーパーバイザーや、キャンプ住民の方々から引き続き学んでいけたらと思います。

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jordan