シリア難民支援速報

配水と排水

2015.08.24

シリア難民が暮らすザータリ難民キャンプは、6平方キロメートル弱の中に、現在約80,000人の人びとが暮らしています。人口密度の数値だけをみれば、世界でもこれより多い都市もあるでしょう。でも、ザータリキャンプには、1階建ての建物しかないことを考えると、住宅の密集度合は単純に比較できません。

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↑ 通称シャンゼリーゼ通り。多くの買い物客で賑わうマーケット。

また、住宅が密集しているだけではなく、上下水道がないという問題を抱えています。

水はトラックでキャンプへ運搬され、いたる所に設置されている公共の水タンクに給水されます。難民の人びとは、そのタンクからバケツやポリタンクで水を家まで運ぶのです。
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↑ 配水を待つ列

また、下水がないため生活排水は家屋から外にそのまま流している状態です。
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↑ 家屋から排出された生活水

これらの問題を解決するため、JENは複数の支援団体と共に上下水道設備の設置作業を行っています。生活における利便性が向上するというメリットは明白ですが、難民の人びとにとってはそれ以外にもたくさんの意味があります。

1.水を汲みに行く手間がなくなる
2.運用コストがシステムの保守点検のみとなり、トラックによる配水より低コストで運用できる。そのため、支援団体の規模縮小後も持続的に活用できる
3.大型排水トラックが通らないため、特に狭い路地に住む住民の安全性が増す
4.トラックの走行による騒音がなくなる
5.生活用水が路面に露出しないため、衛生環境が改善される (病気、悪臭の予防、景観の向上)

キャンプ設立から3年が経過しシリア情勢の安定がまだ見えない状況では、中長期的な視野が必要不可欠で、このインフラの整備もその1つです。
そして、このような大きなプロジェクトには、計画・技術・資金面で多大なリソースが必要になってきます。各所と連携し、サポートを仰ぎながら、少しでもシリア難民の生活状況が改善されるよう全力で支援活動を行っています。

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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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jordan