シリア難民支援速報

新たな課題〜主体性と自分本位の違い

2013.03.14

ヨルダンは日に日に日照時間が伸び、夜の7時ごろまで明るくなりました。日中の気温も30度近くまで上がることも珍しくなく、砂漠の春の訪れを感じています。

先週もザータリ難民キャンプには新たに約6000人が到着し、人口が急速に増え続けています。目ぬき通りの商店街には牛肉やアイスクリームの売店、さらにはテレビの設置されたカフェまで登場し、シリアの様子を報道している姿を目にすることができるようになりました。

【ザータリキャンプ内のケバブ屋さん】

【ザータリキャンプ内にできたテレビのあるカフェ】

現在キャンプでは、住民自身による個別のテントへのトイレ、シャワーの設置が増加しており、このことが大きな課題の一つになっています。

我々が女性に対して行った調査では、2割強の人々が自分たちのテントやプレハブにこうした設備を自分で設置したと答えました。その理由として、共同トイレやシャワーの備品が盗まれて使用が困難になっていること、トイレまでの道のりが暗いなど特に夜間の治安への不安、などが聞かれました。

最近ではセメント、蛇口等の備品もキャンプ内の商店で売られており、住民によるトイレ建設を助長しています。

しかし、これら個別に設置された衛生設備は排水設備が整っておらず、汚水がそのままテントから垂れ流されて、キャンプ内の多くの場所で生活排水の水溜りができています。

【キャンプ内のいたるところで見られる個別テントからの汚水】
また、汚水で遊ぶ子どもの姿を目にすることも珍しくなく、気温の上昇とともに水因性の疾患に罹る住民の数も増加しています。

【テントから排水される汚水と周りで遊ぶ子どもたち】
今後さらに気温が上昇する中で、深刻な健康被害をもたらすことが懸念されています。

JENは、公共の衛生設備の正しい使い方や維持管理方法について難民主体の水衛生委員会メンバーや住民たちとともに話し合うとともに、正しい衛生知識の普及に取り組んでいます。

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