シリア難民支援速報

ザータリ難民キャンプを襲った暴風雪「フーダ」<後編>

2015.02.12

2日目に日が昇った頃には、水だけでなく12センチ近くの雪が地面を覆っていました。JENが手配した12台のトラックは迅速に排水を行ったのですが、トラックの処理能力よりももっと速く雪が解け始めました。そして、雨と雪がより激しくなりました。別の団体は浄化槽をきれいにするトラックも導入しました。このような状況に対応するため、JENのチームは、この日も夜遅くまで、水位を安定させるために働き続けました。

3日目も、とても長くて寒い1日でした。他の団体も排水作業のために追加のトラックを導入しました。JENのチームはたゆまず作業を続け、夜遅くには、かなり状況を改善できました。約60%の水を、キャンプの外へと汲み出すことができたのです。

【排水作業は泥だらけになる作業です】
150129 ③排水作業

その晩、気温は氷点下を大きく下回りました。国中の道路は凍結のために閉鎖されました。

4日目の朝に日が昇ると、また電話が鳴り始め、疲れ切ったJENのチームは厚着をして作業を続けるために出かけました。この日には事態がどんどん収拾に向かっていきました。稼働させるトラックの数や、日中の対応も減らすことができました。それでも、全ての水が排除され、キャンプが通常の状態に戻るまでには、さらに1週間かかりました。

結局、「フーダ」は2013年にアンマンが経験した大雪の被害よりも、より深刻な被害をヨルダン北部地域にもたらしたのでした。その地域に長年暮らしている住民によると、このような深刻な被害は初めてだったとのことでした。JENの緊急チームは、厳しい寒さと水浸しという状況にも勇敢に立ち向かい、キャンプの人たちの生活に支障が出ないように迅速に対応したのです。

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jordan


ザータリ難民キャンプを襲った暴風雪「フーダ」<前編>

2015.01.29

2015年1月初旬に、暴風雪の予報が発表されました。深刻な被害をもたらす恐れがあるとのことで「フーダ」と名付けられました。

アンマンでは、今回の雪は2013年に経験した大雪よりも少ないと予測されていましたが、政府は「フーダが襲来する日は休日にする」と前日に発表しました。

キャンプでは、大きなタンク、ホースや吸水ポンプを積んだトラックを出動させ、水を吸い上げ排水する必要があります。そのため、嵐の前日には、多くのスタッフが予期せぬ休日に喜んでいる中、JENのメンテナンスチームのメンバーとキャンプ近くに住むスタッフは、嵐に対応する緊急計画を見直し、対応するスタッフを5人ずつの2つのシフトに分け、必要に応じて夜通し作業を続けられるように準備しました。前回に水がたまった場所も地図で確認し、今回の排水作業の間にスタッフ間で連絡を取り合う方法も決めました。

翌朝、強風が吹き荒れました。緊急チームは、ほとんど1日中、水タンクの固定作業をすることになりました。水タンクは重いので吹き飛ばされることはないだろうと思っていたのですが、予想以上に風が強かったためです。私たちが使用しているキャラバン(仮設住宅)の防水シートと屋根の一部も吹き飛ばされてしまいました。

正午頃には雨が降り始めました。初めは弱かったのですが、どんどん激しくなり、緊急チームのリーダー・ラミは、排水用トラックの出動を命じました。まず3台、さらに3台、数時間後にはもう4台出動させました。気温が下がり、雨が雪に変わりました。

最初のシフトの者たちだけでは対処しきれず、別シフトのスタッフも作業に加わりました。私の携帯電話は排水用トラックを求める緊急要請で鳴り続けました。キャラバンの中には浸水しているものもありました。道は冠水してしまい緊急車両も通れませんでした。水が浄化槽に流れ込み、汚水があふれ出しました。ある学校は浸水して教科書が水浸しになりそうになり、テントは雪の重みで押しつぶされました。このような深刻な事態になったため、翌日用に12台のトラックを手配しました。

<次回に続く>

【テントが雪につぶされてしまっています】
150129 ①雪につぶされたテント 

【ザータリ難民キャンプにて、嵐の中休み】
150129 ②嵐の中休み

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jordan


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