再発防止策の進捗状況について

お知らせ|2020.12.25

特定非営利活動法人ジェンでは、2018年4月に第三者である特別調査委員会により、ジェン職員による不適切な事業執行行為(助成金の一部に目的範囲外の使用が判明、簿外現金の取り扱い、内部規則違反の調達取引)が認定され、ジェンはホームページ上でこれを報告しました。 (調査報告書要旨
不適切な事業執行行為に関与したことが調査により確認された職員につきましては、内部規定に照らして厳正に処分いたしました。
また、それらの者を管理監督する立場にある理事、事務局長につきましても、管理責任の観点から処分の上、2018年9月より理事会と事務局体制を刷新いたしました。

ジェンの活動実施地域の皆さま、ジェンを支えてくださる支援者の方々、関係者の皆さまの信頼を損ねるような事態を起こしてしまったことを、改めて心よりお詫び申し上げます。
特別調査委員会による調査報告書に挙げられた以下の4項目の提言に従って実施した再発防止策の実施状況と再生への取り組みについて、以下の通り報告いたします。

(1) 「職員間における寄付金や助成金を託された者としての責任意識の共有」について

  • ジェンは、中長期戦略を改めて策定いたしました。その際に、海外事務所の職員を含む全ての役職員、海外事業所の職員と、ジェンが実施する事業とその進め方について検討を重ね、存在意義と事業実施の方向を再確認し、そこに伴う責任について認識を共有しました。中長期戦略の内容に関しては準備が整い次第公表いたします。
  • 上のプロセスを通して確認された責任意識を実際の業務に反映させる一つの方法として、ジェンは、『人道支援の質と説明責任に関する必須基準(Core Humanitarian Standard)(以下、CHSと呼びます)』を守って行動することを定めました。これを受けて、役職員全員がCHSの研修を受けて理解を深め、研修を継続するだけでなく、実行確認シートを作成して、研修で学び直した内容が団体運営と事業実施に反映されていることを確認する仕組みを構築しました。
  • ジェンでは、『災害救援における国際赤十字・赤新月運動および非政府組織(NGOs)のための行動規範(以下、赤十字の行動規範と呼びます)』をジェンの行動規範としてきましたが、理事会決定を経て、これを正式に就業規則に明記し、職員全員が赤十字の行動規範を遵守して行動することを約束する書面に署名しました。また、赤十字の行動規範はCHSに含まれているものではありますが、職員全員がCHS研修の他に、この赤十字の行動規範の研修を修了しました。

(2)「 現地事業責任者等のローテーション(任期制)及び兼務状況等の見直し」について

  • ジェンは、人事管理を適切に行うために、採用手続きの作業標準手順書(以下、SOPと呼びます)を策定し、運用を開始しました。
  • ジェンは、人事評価制度を見直し、職責の達成段階を評価する基準を導入し、職員一人一人が適切に評価される仕組みを再構築し、運用を開始しました。 また上司に対する評価にも同様に職責の達成段階評価を導入し、運用しています。
  • ジェンは、内部監査のSOPを策定し、各事業所の業務が適切に行われているかどうかを把握し、内部統制を図る仕組みを強化しました。
  • ジェンは、実際に現地を訪問する形を含む事業評価を実施し、その評価結果を事業に反映する、また、評価結果からすべての職員が学び合うというSOPを策定しました。これに基づき、理事及び事務局長がそれぞれパキスタン、熊本、東北を訪問しました。2020年4月にも代表理事と事務局長がパキスタンを訪問する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、現在は延期しています。

(3) 「東京本部における理事・役員・職員の役割・責務の明確化及び集中管理体制の整備」について

  • ジェンは、理事会、もしくは理事懇談会を毎月開催することとし、事前もしくは適時に迅速に協議・判断を行う仕組みを構築しました。
  • 理事と職員の懇談の機会も設け、直接対話することで状況や課題の更なる理解と相互の信頼を高める努力を続けています。
  • ジェンの事務局長と現地事務所長が、隔週で、また、本部職員とは毎週ミーティングをもち、現地の状況を常に把握することに努めています。
  • 海外事務所を含むジェンの各職員は、各職員の役割と責務を明確化し、効率的に業務を行い、且つ効果的に協力し合える自己組織化という仕組みを導入し、運用しています。
  • ジェンの理事会・理事懇談会では、再発防止策の進捗状況を報告し、特別調査委員会に提言された事項に留まらず改善点をあげ、再発防止に務めています。
  • ジェンの役職員は、理事会や監事が役割を確認し、組織の改善拡充をしていくためのガバナンスの研修を受講し、組織の在り方について学び直しました。

(4)「ジェンによる調査の継続と改善策の実行」について

  • ジェンは、団体内での調査を継続し、同報告書に記載された以外には不正は存在しないことを確認しました。
  • ジャパン・プラットフォーム(以下、JPFと呼びます)からジェンに対する助成金申請停止措置は、2019年11月19日付で解除されました。措置の解除に当たっては、JPFの皆さまがジェンの東京本部とパキスタンのイスラマバード事務所を訪問し、ジェンが適切に再発防止策を策定・実施している事を一つ一つ検証・確認されました。 措置解除後、ジェンはJPFかの資金を受けて、2020年1月13日に開始した”パキスタン・カシミール地方ミルプール県の地震被災者を対象とした防寒物資の提供および心理社会的サポート事業”を実施し、コロナ禍の中、無事に事業を完了しました。

(5)その他
ジェンは、特別調査委員会による上述の4項目の提言に加えて、再発防止及び再生に向けた以下の様な取り組みを実施しました。

1.研修・ワークショップ・勉強会

  • 2019年1~9月に、本部事務局とパキスタン事務所において、毎週CHSの組織内研修を実施しました。
  • 2019年5月21日に、本部事務局とパキスタン事務所において、ジェンの職員が赤十字の行動規範を理解するための勉強会を実施しました。
  • 2019年1月、パキスタン事務所において、「質の高い事業とは何か」について学び合うワークショップを実施して、支援事業を適切な方法で実施することの意義を再確認しました。
  • ジェン職員2名がリスク管理について外部研修を受講し、役職員向けの研修を実施する予定です。
  • 2020年11月26日国内外の事務所合同で、質の良い事業をするためのインパクトマネジメントのワークショップを行いました。

2.SOP

  • これまで存在していたSOPの改訂及び新たな策定を行い、2019年10月10日付で改訂版が発効となりました。以後、SOPに規定されている全ての業務はSOPに従って実施し、SOPがより適切なものなるよう半年に一度見直しをすることとしました。

3.機関の設置

  • 2019年1月に、内部通報窓口を設置し、新たに策定したSOPに従って、周知、運用しています。

4.取り組み

  • 各国の経理処理に関して、数値的な経理データのみならず、証憑を月次で本部事務局へデータを送付し、内容確認を逐次行うように改善しました。
  • 調達などの手続きもSOPに従って行っています。確実にSOPに従って調達などが行われていることを確認するべく業者選定・契約・納品などの書類一式のスキャンデータを海外事務所から月次で本部事務局へ送付し、内容確認を逐次行うように改善しました。
  • 2019年10月に就業規則を改訂しました。改訂にあたり、職員に対する就業規則の理解を深めることを兼ねて、約半年の時間をかけて説明会と合意に向けた意見交換を行いました。
  • 効率的かつ各職員がより力を発揮できるように、外部コンサルタント(プロボノ)の指導を受けながら働き方改革を進めています。各職員の業務内容を開示し合い、世界に貢献するという目的を共に達成する協力体制がより強固になるように、毎週1回の業務確認ミーティングと毎月1回の組織改善提案ミーティングを実施しています。

ジェンの活動実施地域の皆さま、ジェンを支えてくださる支援者の方々、関係者の皆さまの信頼を今後も維持できるように、事業の質とその実施方法を向上させる努力を惜しまず、情報開示を続け、持続可能なインパクトをもたらす貢献ができる団体を目指してまいります。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

不適切な事業執行行為についての詳細
JEN の再生に向けた取り組みに関するご報告とご支援のお願い(2018年9月18日)
JEN職員の不適切な事業執行行為について(2018年4月27日)

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