13年目の3月11日に寄せて

2024.03.11

改めて、2011年の3月11日に起きた東日本大震災と関連して亡くなられた方にお悔やみを、被災された方にお見舞いをお伝えします。それとともに、その前や後に起きた全ての災害や紛争や悲しい出来事で亡くなられた方にお悔やみを、被災された方にお見舞いを申し上げます。

3月11日が近づくと、東日本大震災に関するイベントや報道が各地で開催されるようになります。ジェンのウェブページでも、毎年短い文章を掲載してきました。これは「年に一度思い出す日」だからではありません。あの日変わってしまったこと、あの日の後に起きてきたこと、とられた行動、築かれたこと、出会えた人々、その他関連する全てが、一人ひとりの人生において現在進行形なのです。「思い出す」ではなく「共にあることを続けるきっかけ」にできるはずなのです。世界各地で新しい出来事が起き続ける中で、ニュースはその特性上、同じトピックを毎日配信することはできません。「忘れないで支え続ける」という視点と同時に、その人々の生き様から学び続けて、自らの人生に活かすという視点も持てるのではないでしょうか。

悲しみを抱きしめて立ち上がる人々、それを支える人々、その役割が交代する様子、新しいことに挑戦する姿、打ちひしがれる人に寄り添う様子など、どの姿も一人ひとりの人生に大切な気づきを与えてくれるはずです。その姿を応援し続けたり、新しく応援し始めたり、頼ったり頼られたりと関係が続いていくことで、東北に住む人々にとっても東北に住んでいない人にとっても人生を豊かにすることにつながると思います。私たちの命はつながっていて、与えあえる、そんな思いを抱えながら、13回目の3月11日を迎えます。

特定非営利活動法人ジェン


事務局長 木山啓子からの御礼の言葉

2024.03.01


ジェンのSNSのご紹介

2022.10.19

ジェンはSNSで支援活動に関する情報やジェンに関連する情報を中心に発信しています。
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一人ひとりができることを

2021.03.09

昨年からのコロナ禍は、スペイン風邪以来100年に1度の危機だという。収入の道を絶たれて厳しい暮らしを送る人がいる中、我々の支援活動も十分といえるには程遠く、人を支えることの難しさを感じている。

支えたい相手は多様だ。東日本大震災、コロナ禍、シリア紛争、出来事に一つの名前を付けたとしても、被災状況もその後の回復具合も十人いれば十通り、百人いれば百通りある。その気持ちに至っては、一人の人の一日の中でも変化して捕まえることは決してできない。

一般的に、人は、心が元気な時、どんなことでもできる気がするのではないだろうか。活力に溢れ、多くのことをテキパキとこなし、誰にでも優しくできる。自然災害の様に、自力で防ぐことは不可能な場合でも、悲しい出来事に遭遇すれば、心のエネルギーは奪われる。心のエネルギーが奪われると、自分を責めたり、無力だと感じたりして、更に心のエネルギーは失われていく。本来やれるはずのことができなくなり、表面的にいくら元気そうにしていても、心がどこかをさまよい、集中できず、人と話すことが難しい時もある。

そんな日々を積み重ねて10年が過ぎた。あれから10年と言われる時、東日本大震災で被災された方々の胸に去来する思いはきっと、多様すぎて『これだ』と言えるものはないだろう。その多様な気持ちと多様な状況を抱えて、日々の暮らしがまた積み重ねられてゆく。であれば、本当に良い支援とは何かという問いの答えも一つではないと思う。
多様な個人の営みを、多様な個人や組織ができる形で支えて行く。一つひとつの営みが織物の様に絡み合って復興という名の支え合いが進んできた。これからも、できることをやろうとする一人を支えることから、全てが始まり、続いてゆく。

理事・事務局長 木山啓子(blog


PSEAについての学習会を開催

2020.09.03

8月20日に、ジェンは、アフガニスタン、パキスタンそして日本の職員を対象にした、性的搾取・虐待からの保護(Protection from Sexual Exploitation and Abuse(PSEA))についての学習会を開きました。同学習会では、災害・紛争等で被災した方たちが、人道支援団体の職員・ボランティアなどから性的搾取・虐待を受けることが決してないように、人道支援団体が構ずるべき対策(例:行動規範で性的搾取・虐待・性的ハラスメントなどの行為を禁止する、子ども・女性・脆弱な方たちの安全が守られるよう、彼らの参画を確保して安全なプログラム運営する等)について、世界の事例を学びました。

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ジェンは、これまでも人道支援の必須基準(CHS)を遵守し、被災した方たちの想いを尊重して支援活動に従事してきました。今後も、被災した方たちの自立を支え、人権を尊重し続けることができるように、ジェンの職員は常に必要な知識を学び、最善を尽くしていきたいと考えております。引き続きよろしくお願い申し上げます。


「首都直下地震時の災害ボランティア活動連携ワークショップ」に参加

2020.02.07

東京都災害ボランティアセンターアクションプラン推進会議主催の「首都直下地震時の災害ボランティア活動2020 連携ワークショップ」に2月4日(火)に職員4名が参加してきました。

今回は東京湾北部地震を想定したワークショップ型の訓練で、発災から3か月後を想定し、生活協同組合、労働団体、青年会議所、宗教団体、NPO・NGO、社協など東京にある様々な団体の動きについて共有し、どのような連携・協働ができるのか検討するという内容でした。

それぞれの団体や組織の特徴や動向を知る機会を得ることが出来ましたし、ネットワーク構築にもつながりました。平時から連携の大切さも学ぶことができました。


校外学習の一環として中学生の生徒さんが東京本部に来訪

2019.07.02

2019年6月12日(水)に三重県の中学3年生の生徒さん8名がJEN東京本部に修学旅行の校外学習の一環として来てくださいました。皆さん熱心にメモを取りながら、説明を聞いてくださりました。若い世代の皆さんに活動を知っていただき、国際協力について一緒に話し合うことが出来、嬉しく思いました。
ご来訪をありがとうございました。

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3.11に寄せて~8年を思う~

2019.03.11

8年。小学生は成人式を迎えた。1年でも十分長いが、8年経てばどんな変化があっても不思議はない。実際、傷ついた建物は再建・新築され、盛り土がされ、店が再開し、新たな仕事がうまれ、新たな命も生まれた。見えやすい部分の変化は大きく感じられる。

震災発生直後から、被災状況は多様だった。8年経った今、復興状況は更に多様になっている。外形的な復興状況もさることながら心の復興状況は多様だ。地震と津波と原発事故と、それにまつわる全てのことに、命を、暮しを、思い出を奪われた事実を覆すことはできないが、その受け止め方と乗り越え方は、本当に人それぞれだ。どのやり方が望ましい、ということではない。ただひたすら、人は多様なのだ。多様な中に、共通の課題は山積している。8年経って、既に、復興という言葉を使うことすらためらわれるが、敢えて復興という言葉を使うならば、一人ひとりの状況が多様だからこそ、現地にいる一人ひとりが主人公となった復興が不可欠だ。複雑化した共通課題に取り組む一人ひとりを支えるというのは、これからもJENの東北支援の方針であり続ける。

一人ひとりが自分の人生を十全に生きようとするその営みは、大災害に遭っても、それによって方向性が変わっても、本質は変わらない。その尊厳を支えていく行為に、この頃ローカリゼーション(Localization)という名前がついている。世界の人道支援の現場で、これまで以上に意識的に、現地の人々を主体として尊重する形で支援をしていこうという決意を表した言葉だと考えている。

東北の人々が、外部の人々の支えとともに、これまで成し遂げてきたことは、世界の厳しい状況にある人々の希望だ。世界の人道現場のお手本でもある。

木山 啓子


工数管理の勉強会に参加してきました

2019.02.15

1月21日にNPOの社会責任(NSR)取組み推進プロジェクト 人事・総務勉強会「(特)ハンガー・フリー・ワールド に学ぶ工数管理」第2回目の勉強会に参加してきました。昨年の第1回は報告をしていませんでしたが今回は第2回目です。

この勉強会の主旨は、(特)ハンガー・フリー・ワールドさんで実践されている工数管理の手法を学びながら、自組織で工数管理を導入するための課題や対策を検討し、課題解決のための知恵を出し合おう!というものでした。

10月12日に実施した第1回勉強会では、ハンガー・フリー・ワールドさんの工数管理がどういう経緯でできたのか、どういうしくみで成り立っているのかを事務局次長 田中梨佳様に教えていただきました。

第2回勉強会では、参加団体の工数管理の取り組みについて、発表し合いました。
またそれぞれの取り組みに対する質問や助言をお互いに行いました。

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ジェンは工数管理についてはまだまだこれからです。
しかしこの勉強会に参加して、改めて「時間は大事な経営資源であること」を実感しました。また目的達成のため、優先順位の確認と、誰が何にどれだけのの工数を割くべきかをより明確にし、職員全員が常に「大事な事」を意識しながら、仕事に取り組めることができるようにしていきたい。それがジェンの活動にとっても、職員にとってもよりよい結果をだせるのではないかと強く思うようになりました。

この勉強会で知り合えた講師の方や皆さんに今後もヒントや助言を頂きながら、2019年度中には、ジェンの工数管理のベースを完成させ、本格的に導入していきたいと思っています。

管理部 スタッフ


「スフィア基準2018」最新版を職員間で共有

2019.01.29

「スフィア基準*2018年」第4版が11月6日に改定になった事を受けて
2018年12月21日JPF(ジャパンプラットフォーム)NGOユニットの勉強会に職員が参加し、
1月8日今年最初のジェンの全体会議(毎週開催)で概要を職員全体で共有しました。

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スフィア基準の基本構成に大きな変化はないものの、主な変更点は、以下の通りです。

1)時代の変化に伴い、これまでの難民キャンプでの支援から都市部での災害の発生や、
これまでの現物支給による物資支援だけでなく、技術や現金などによる様々な複合的支援に
対応できるようになりました。

2)2011年版はコア基準でしたが、2018年版は「人道支援の質と説明責任に関する基準(CHS:Core Humanitarian Standard)」と統合になりました。

3)保健活動(生命を守る4つの活動の内の一つ)の中に新たにSexual Violence(性的暴行)の要素が含まれており性的搾取・虐待(SEA:Sexual exploitation and abuse)関連に対する配慮がより注力されております。

4)その他、基本行動に細かい説明の追記、基本指標に新しい分類の追加、ガイダンスノートの説明は、最近の事例に変更されました。

私たちは今後これらの基準を順守する事を、よりいっそう努めて支援を続けていくことが大切である事を改めて実感しました。

スフィア基準 2018英語版
上記版のアプリがあります。
*CHS Alliance Verificationsで、団体がCHSを出来ているかチェックできます。

*人道憲章と人道対応に関する最低基準。1990年代ルワンダ難民危機を受けてNGOグループと国際赤十字・赤新月運動が1997年に開始したスフィアプロジェクトで策定。


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