東北支援速報

東北パートナーミーティング2017開催

2017.10.26

普段は別々の地域で活動するJENの東北事業のパートナー7団体が一堂に介する年に一度のイベント「東北パートナーミーティング」を、今年も2017年10月3~4日に宮城県にある新幹線の駅・くりこま高原近くの宿泊・会議施設「エポカ」で開催しました。

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JENのパートナー団体は、活動テーマはちがっていても、ひとつ大きく共通するビジョンがあります。それは「誰も取り残さない復興」。
1日目はパートナー団体がリレートークを行い、情報共有。

専門家の集団でありながら、地域に密着して、対象となる方の関係性をひろげる活動を行う
・男の介護教室: ケアマネージャー、歯科関係者、医師、栄養士などが行う男性介護者の支援(宮城県石巻市)
・福島県助産師会: 助産師が行う母子の支援と、医師や栄養士、保育関係者などの多職種連携の推進により、母乳育児や離乳食期をサポートする活動(福島県全域)
・減災と男女共同参画研修推進センター:母子や障がいとともに生きる人が取り残されない防災を推進する(福島県いわき市)

ひとり親家庭を中心とした親子の居場所・地域力の結集の場としての「こども食堂」を実施する
・宮古市社会福祉協議会 (岩手県宮古市)
・インクルいわて(岩手県盛岡市)

地域の未来のカギを握る方々の地域づくりへの参画を推進する
・SAVE TAKATA: 中高生によりまちづくりとおとなとのチームワーク推進 (岩手県陸前高田市)
・ウィメンズアイ: 若手女性が地域で活躍するためのエンパワメントのサポート(岩手県、宮城県、福島県)

夜の懇親会では、相互訪問の約束やコラボプロジェクトなど、様々な化学反応が起こっていました。

1日目の午後から2日目の夕方までは、「社会を変える組織」をつくるをミッションに掲げる、非営利組織マーケティングの専門のシンクタンク、(株)PubliCoの代表取締役 長浜 洋二氏による、マーケティング研修を実施。

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JENとのパートナーシップも折り返し地点に入り、あと1年半ほどで各団体の自走による事業の発展・継続が求められる中(*)、マーケティングの視点から、どのように事業の質を高めながら支援者や参加者を得ていくのかについて、講義と演習を交えて学ぶことができ、次の一歩への大きな力になりました。

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*インクルいわては既にJENの資金面での支援は終了していますが、事業内容面での交流やサポートを続けています。

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男の介護教室&男性介護者の全国ネットワーク 第1回東北大会

2017.09.28

JENは石巻市のケアマネージャー、医師、歯科専門家等で構成される「男の介護教室」を通じて、男性介護者の支援をしてきました。

今回は、9月2日に開催しました「男の介護教室&男性介護者の全国ネットワーク第1回東北大会」をサポートしたJENインターンが報告します。

男性介護者をどのように専門職や地域で支えられるか、介護者が取り残されることのない社会の構築への課題を共有し、解決策を探るために東北で初となるイベントを宮城県塩籠市で開催しました。

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【登壇者の方々(右から、清川氏、高室氏、津止氏、河瀬氏)】

前半では「男の介護教室」代表の河瀬歯科医師による、事業紹介など、男性介護者の置かれた状況やかかわり方を深く理解する4つの講義があり、登壇者の方々は様々な側面から介護に関わっており、男性介護者の現状のお話や、実際の事例紹介をしてくださいました。

続く後半ではJENの東北事業統括である高橋によるワークショップを行いました。
ワークショップでは、数人のグループに分かれ、介護の現状と理想の状態、課題と理想の状態に近づくための取組みを話合い、最後に各グループの取組みについて発表しました。

参加者は、家族を介護している当事者、医師、看護師、栄養士、社会福祉士、地域包括支援センター職員、社会福祉協議会職員など、多岐に渡っており様々な情報共有や意見交換がなされていました。

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【講演中の様子】

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【ワークショップの様子】

参加者へのアンケート結果からは、今回の講演内容の学びだけでなく、講演やワークショップを通じて自身が介護に関して考える時間をもてたこと、それを他者と共有できたことが大きな学びであったとの声も多く寄せられました。

今後開催してほしい企画についても、多くの意見をよせていただきました。

内容が盛りだくさんな一日となりましたが、ご参加いただいたみなさま誠にありがとうございました!

今回、家族を介護している当事者だけでなく、様々な立場から介護に関わる方々のお話しを窺うことができ、より現実的に介護の現実を感じ、社会全体で支援していかなければならない大きな課題であると実感しました。

一方で、社会の介護支援に対する最新の動向も感じられ、社会全体でみんなが自分事として捉え、取り組んでいかなければならないと思いました。

 

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高齢化率70% の離島で男の介護教室開催

2017.06.29

前回に引き続き、今回も男の介護教室の話題です。
宮城県石巻市中心街から車で1時間、そこからさらにフェリーで20分。牡鹿半島の西端に位置する網地島(あじしま)は、宮城県随一の透明度をほこるビーチと豊かな漁場をもつ人口400人の島です。

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【船着き場から会場まで移動するスタッフ】

かつては、遠洋漁業の基地としてにぎわった島の現在の高齢化率は70%です。
人生最後のときを住み慣れた島で暮らしたい人が多く、介護施設等の社会資源が限られた島では、住民同士の助け合いが鍵となります。

島の男性の多くの生き甲斐と人間関係、そして趣味は「仕事」に集約されています。裏をかえせば思うように動けなくなったとき、漁に出られなくなったときに、孤立してしまう傾向があります。

「もしものとき」にどうしたらよいのか知識があること、相談できるひと、助け合う仲間がいること。そして、そうして支え合う関係が、普段のときから男性の人生を豊かにしていくことが重要であると、地域包括ケアシステムの構築の一端を担う網小医院と、牡鹿地域包括支援センターが考ました。

そこで、JENのパートナー「男の介護教室」とともに、網地島ではじめての男の介護教室を2017年6月22日に開催しました。

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【教室前の打ち合わせ】

島の端と端にあるふたつの集落の真ん中に建てられたかつての小学校をリフォームした網小医院の集会室が今回の男の介護教室の会場です。

牡鹿半島から、食材と調理器具をもってわたった男の介護教室のスタッフが朝早くから準備した会場に、60代から90代の男性が到着します。

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【持ち込んだ調理器具を前に全スタッフの打ち合わせ】

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【わかりやすいように使用する食材の区分け】

栄養士による講義に続き、早速調理開始。缶詰や冷凍食品を使いながら、栄養バランスの良い料理を男性の参加者がつくります。皆さん、包丁さばきがとても鮮やか。

島では中学校を卒業するとほとんどの男子が遠洋漁業の船にのり、最初の2年間は厨房で大人数の料理をつくっていたとのこと。あっという間に料理ができあがり、スタッフと参加者の方々の間で、船に乗っていた頃の話、島の生活などの話が盛り上がります。

食事のあとは、河瀬歯科医師による、歯と健康のお話し。口の健康を保つことがいかに健康長寿にとって大事なのかを、ときどき会場から笑いをとりながら、お話をされました。

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【お話中の河瀬先生】

あっという間の3時間。

参加者の方々からは
「昔の青年団みたいで楽しかった」
「みんなで食べるとおいしい」
「普段話さない人とも話せた」

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【参加者のみなさん】

次回も来てくださいますか、と聞いたら、大半の方が手をあげてくださいました。

政府がすすめる「地域包括ケアシステム」は住み慣れた地域で、最後のときまで幸せに暮らすビジョンを掲げ、そこで地域の力である「互助」が重要な要素です。

網地島の男の介護教室の開催は、これからの網地島、そして高齢化がすすむ日本各地の地域のありように対して重要な示唆を与えてくれました。

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介護する男性を支える ~石巻の実践~

2017.05.25

みなさんは「介護している人」と聞いてどんな人を思い浮かべますか?

「お嫁さん(子の配偶者)」?
「ヘルパー」?
「女性」?

実は介護者で一番多いのは、上記いずれでもなく、同居する配偶者(26.2%)。それに同居する子(21.8%)が続きます。
介護者のうち、男性が占める割合は3人に一人です。

東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市では介護認定率は震災前の16.1%(2011年2月)から3年後には、1.3倍の19.0%に上昇しました。

JENは、医療と介護福祉の専門家で構成される任意団体「男の介護教室」とパートナーシップを結び、男性介護者の支援をしています。「男の介護教室」は限られた家事の経験しかなく、孤立しがちな男性介護者のために、介護教室を開催するために震災後に立ち上げられました。

口腔ケア実技
【口腔ケア実技】

月に1回開催される「教室」は毎回30人ほどの参加者を迎え大盛況。ケアマネージャーが丁寧に男性介護者の方に声をかけ足を運んでもらい、参加者の声をききながらニーズに合ったプログラムを提供しています。教室では介護の基礎知識、技術の習得はもちろん、参加者同士が互いに日頃の悩みなどを相談できる環境作りや、専門職や医療従事者とのネットワークづくりを心がけています。

おにぎり楽しそう
【おにぎり、楽しそう】

今までの主なプログラムは以下の通り。
今年は石巻の「男の介護教室」の経験と学びを東北の介護福祉や医療の専門家と共有するための、9月に宮城沿岸でシンポジウムを予定しています。
詳細決まりましたらお知らせします。

・介護食の作り方
・簡単料理の作り方(パッククッキング、レトルトを使用した料理等)
・摂食嚥下(せっしょくえんげ)に関する勉強会
・口腔ケアについての勉強会
・熱中症とその対策についての勉強会
・インフルエンザ、胃腸炎の予防と対応についての勉強会
・認知症についての勉強会
・褥瘡(じょくそう/とこずれ)予防についての勉強会
・救急救命研修
・介護技術についての勉強会(おむつ交換、食事介助、移乗等)
・介護者の健康づくり
・介護者のストレス軽減のための陶芸教室
・参加者の意見交換、参加者同士の親睦を図る目的のグループワーク

 

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地域の方々とともに ~JENの新しい取り組み~

2015.11.19

日本の過去の経験から、「災害後3~4年たったころから特につらくなった」という人が多くなるといわれ、様々な心理的な研究もそれを裏付けています。

被災地を歩くと復興はまだまだ進んでいないことを実感します。街の中心の復旧は終わっていても、中心街から一歩出ると、津波が襲った地域では未だブルドーザーが唸りをあげています。

【釜石市郊外の海岸沿いの様子。かつてここには暮らしの営みがありました。】
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ハード面の復興に比べ、ソフト面の復興は目に見えにくいだけに見過ごされがちです。震災から時が経つにつれて若い世代の流出、介護問題、貧困問題等、震災前からあった課題が深刻になっています。

そこで、JENは2015年10月より、岩手県、宮城県、福島県での長期的な課題解決のために、従来のJENによる直接支援から、地域で活動する団体等とのパートナーシップによる支援にシフトしました。パートナーシップにおいては、事業の実施に必要な活動費を提供するだけでなく、事業づくりに際し一緒に考え、必要に応じてパートナー団体の実施力を強化するカスタムメイドの研修やネットワーク作りをJENが担います。

JENの新たな取り組みについてはこちら

石巻市では、地元の団体、「男の介護教室」とパートナーシップを組んでいます。多くのシニアの夫婦が震災後に他の家族と別れて暮らさざるを得なくなったなか、シニア世代の男性の介護の苦労と孤立を和らげ、介護する人、される人の生活の質を高めようと、医療と介護の専門家が行う男性向けの介護教室を実施しています。

【パートナー団体のひとつ「男の介護教室」(石巻市):
JENのファシリテーションによる事業計画策定ワークショップの様子】
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これからも各地のパートナー団体との活動を支援速報にて報告して参ります。どうぞよろしくお願い致します。

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