東北支援速報

【生計回復】歩み出したリサイクル業者 〜未来への一歩〜(2012.02.14取材)

2012.02.14

震災後、石巻市内では、町中にあふれた瓦礫を撤去したり、ゴミを収集してくれる専門の業者も被災し、業務ができない事態に陥っていました。

JENは、そんな被災業者へトラックを提供することで、瓦礫撤去やゴミ収集に貢献していただこうと思い調査を行いました。

調査の結果、最も被災状況がひどかったのは、旧北上川の河口付近に自宅兼事務所を構えていた創業120年のリサイクル業者の方でした。

震災当時、従業員33名のうち、10名が震災により亡くなられました。

失意の中で、仕事を再開するにも、まったく気力が起きない状況で「会社を再建したくても、現実には事務所も車も仕事も…何もないという現実がありました。どんなに頑張っても会社の再建はできない。やはり諦めるしかないのか。でも…」と、様々な葛藤があったそうです。

そんな中、JENが仕事で使うダンプカーやゴミ収集車を無償で貸出しますという話をすると、最初は信じてもらえませんでしたが、「車があれば、仕事ができる。会社を再開しなきゃ。一歩ずつし進めないけど、生かされた命だから、従業員のためにも頑張ろう」と、僅かですが希望の光が見えたそうです。

貸出したゴミ収集車

また、車が使えることにより業務を再開できるだけでなく、雇用促進の効果も生まれて、以前の従業員5人が戻ってきて働いているそうです。「得意先が7〜8割被災しているので、以前のようには仕事がこないけれど、鉄くず回収や受け入りの仕事もくるようになりました。これも仕事で使える車があるおかげですよ」と感謝の言葉をいただきました。

さらに、その車を使って津波でえぐられた岸壁の補修[m1] を行う等の社会への貢献活動にも無償で携わっていただきました。

【ダンプカーで岸壁を補修している様子】

最近では、被災にあった川口町の工場を、半分補修しながら残りの半分で稼働しているそうです。以前から仕事の一部として考えていた貿易分野にも取り組んでいきたいとおっしゃっていました。「これから先、いばらの道だけど、まずはマイナスからゼロへと一歩ずつ、着実に前に進んでいこうと思う」

【川口町の工場】

湊小学校での避難所生活は辛いこともありましたが、楽しいこともたくさんあったそうです。

「みんなで一緒にごはんを作って食べたり、山形から旅行のご招待もあったし、日本人の友情も捨てたもんじゃないですね。ありがたいですよ。日本だけでなく様々な国の方々との出会いや経験を通して、絆に国境はないですね」とおっしゃっていました。

「支援していただいた方々へ、どういう形でできるかわからないですが、恩返しをしていきたいです」と明るい笑顔を覗かせてくださいました。

【リサイクル業者の社長夫妻】

今回の事業は、支援者の皆さまと、ジャパン・プラットフォームのご協力により実施しています。少しでも多くの方々の自立を助けるために、これからもJENは希望の糧となるような支援をしていきたいと思います。一歩ずつ、希望があふれる未来へ向けて。

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