11月4日のNHK報道について | ミャンマー

お知らせ|2015.11.06

11月4日朝、NHKで放送された、ミャンマーの現状リポートで、教員の不足などにより小学校が閉鎖されているという報道があった際、JENのロゴがついた学校が映しだされました。この学校建設事業の背景は以下の通りです。

2008年5月にミャンマーを襲い、死者、行方不明者あわせて13万人以上、被災者250万人を超える大きな被害をもたらした、サイクロン「ナルギス」。JENは被災後直ちに現地に職員を派遣。多くの皆様のご支援のお蔭で、緊急支援物資の配布、更地の様になってしまった被災地で家の再建支援とともに、防災啓発事業を実施しました。

サイクロン発生から1年後に行った更なるニーズ調査によって、村人たちのサイクロンへの恐怖心は根強く残っていることが分かりました。実際に被災地周辺には高台がなく、もし再びサイクロンに襲われたら、避難する場所がないことが不安を強めていました。そこで、JENは被災者が安心して生活を送れるように、災害時に避難所としても利用できる『サイクロン・シェルター型※』の学校2校を建設しました。併せて学校管理委員会の設置を促し、維持管理ができる体制もサポートしました。

※サイクロン・シェルター型とは:サイクロンが再来した場合に周辺住民が避難できる構造とし、トイレと飲料水供給施設併設しています。

また、同時に避難訓練や防災ハンドブックの作成などを通じて防災に対する知識を学び、次の自然災害の再来に備えました。ハンドブックには、村人たちみんなで村中を歩き回って作成した地図が描かれています。再びサイクロンが来ても、2度と同じような悲しい思いをしないために、身をもって学んだこと全てが盛り込まれているのです。また、村の人びとで構成される防災委員会を設置し、村の防災計画を強化するなど、自らの力で安心して生活できる環境づくりを実施しました。これらの活動は、地域住民により的確な運用、使用がされていることを確認した後、2010年10月にJENの活動は終了しました。活動終了に際しては、正式な国の教育施設として登録されていた小学校も、正式な手続きを経て国に引き渡されていました。

2013年12月に外務省によって実施された事後調査でも、『学校管理委員会が学校校舎の維持に努め、防災委員会を設立し、防災意識が風化せぬよう定例会を行うなど積極的な取り組みが窺がわれた。』などのコメントと共に高い評価を受けていました。

NHKの報道にもある通り、ミャンマーの都市と農村の経済格差などのため、農村での教員不足は深刻な問題です。JENが建設した学校の一つも、教員の不足などにより閉鎖されてしまったとのことです。 、これらの小学校の建物は、コミュニティーによって管理され、いつなんどき起こるかわからないサイクロンに備えた防災施設としての大切な役割は、はたしています。けれども、学校として使われなくなったということは大変残念です。ミャンマーからは既に撤退してしまいましたが、経済格差などによって子どもの教育機会が奪われることがない様、JENは今後も活動している地域で、人々の更なる自立を支えてまいります。引き続き、JENの今後の支援にご注目ください。

 

 

ニュース一覧へ戻る