シリア難民支援速報

ザータリ難民キャンプの文化

2016.10.20

10月5日に、美術工芸センター(Arts and Crafts Center) がオープンしました。
キャンプの第2区にある、International Relief and DevelopmentというNGOの敷地内に設置された同センターのオープニングセレモニーを飾るため、JENも手作りアイテムを展示しました。

キャンプ内の美術工芸センター
20161020_Arts and Crafts Center_1.jpg1020_Arts and Crafts Center_2.jpg
古着をバッグやカーペット、子ども服に作り替えたり、またプラスチック袋をポシェットに、あるいは使用済みの紙を部屋の装飾品にしたものや、キャンプにある使用済みの材料を使い、より価値のあるアイテムを生み出そうと試みているアップサイクリング・プロジェクトに参加している女性たちのアイテムを並べました。

(アップサイクリング・プロジェクトの詳細はこちらから)

JENのコーナー

20161020_JENの手作りアイテム3.jpg

展示品のほとんどがリサイクルアイテムであるにも関わらず、見事な出来栄えのものも多く、とても感動します。

ぺトラ遺跡の建造物
2016_1020ぺトラ遺跡の建造物4.jpg

また、絵画の多くは、シリアの景色であったり、紛争の悲しみを表現しているものが多く、芸術を通して強い想いを届けようとするアーティストの心が見えました。

ザータリ難民キャンプにも文化が生まれているようです。

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ザータリキャンプの転換期

2016.10.06

ザータリキャンプがシリア難民を受け入れるために設立されてから4年以上が経ちました。
キャンプは、更地に住居用の仮設テントを10~20ほど設置した状態からスタートしました。今や、学校、病院、警察所、スーパー、商店街、娯楽施設、コミュニティセンター、上下水道施設などを含んだ社会インフラが構築され、約8万人が住む小さな都市と化したのがザータリ難民キャンプです。8万人もいれば、それぞれの難民やその家族が多様な生活を送っていることは想像に難くないと思います。

親戚同士3、4世帯で固まって助け合っている家庭もあれば、離婚したことをご近所に噂され居心地を悪く感じながらも、小さな子どもたちと静かに暮らす母子家庭もあります。

写真の男性は、息子家族3世帯と共に暮らしています。敷地内に仮設住宅を4つ並べ、広い中庭を持っています。中庭では1種類以上の作物を育て、アヒルや鶏も飼っています。
20161006_JD_01_A man in the garden20161006_JD_02_Two ducks in the garden
こちらの女性の息子は精神障害をもっているとのことです。彼女の息子はキャンプ外のトマト畑で仕事をしているために、彼女は日中も夜もほとんど独り住居内で過ごすと言います。また彼女は足が悪いために、トイレを利用するのにとても苦労するそうです。
20161006_JD_03_A lady in the camp20161006_JD_04_toilet

シリア難民の命をつなぐ、生きるためにあるべき必要最低限の緊急支援を提供すべき時期は過ぎました。今後の支援は、より長い目で見ていかなくてはなりません。身体的・精神的障害をもった方々、身寄りのない一人暮らしの若者やお年寄り、夫と離婚あるいは死別した女性の家庭、介護が必要な両親や子供のいる家庭などそれぞれの立場が違います。弱い立場にある住民の生活レベルを改善するためには、どうすれば良いか考えていく必要があります。

また、このような課題への取り組みと共に、より暮らしやすいコミュニティにするための社会インフラの更なる構築を、国際支援団体のみならず、現地政府機関および企業と共に取り組んでいく。そのような試みをする時期にザータリキャンプは突入しています。

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水タンクの消毒結果のモニタリング

2016.09.23

私は2013年12月からJENでエンジニアをしているシャヘル・アル・ラヘンです。
2015年2月からは、モニタリングと評価の担当をしていて、JENの活動、事業及びプログラムの効果と効率を測っています。今日は、JENが行っている重要な活動について紹介します。

「水タンクの消毒」
この活動は、難民の人びとが飲んでいる水を、安全・清潔に保つために行います。
水を運ぶトラックは、毎日キャンプの中を走り回り、水タンクに水を入れます。暑い天気、空気中の埃、タンクの中で広がる病原菌、また水質が変化し細菌や沈殿物・藻類が増えてしまったりしている可能性があります。

JENは過去に、3,4,5区の公共の水タンクの消毒を1年に少なくとも2回、水衛生関連の支援のフォーカル団体として行っていました。その後、人びとが個人で持つ水タンクの数が増えたことから、JENは個人の水タンクの消毒も始めました。消毒をする水タンクは3区合計で1000個にもなります。

私たちの維持管理チームは、人びとから水タンクを回収し消毒を行います。最初に、石鹸と水でタンクを洗い、塩素でタンクを消毒し、最後にリンスをします。塩素が1.8ppm以上残らないように注意します。

【洗浄中】
20160923_JD_01_Washing.jpg

【消毒中】
20160923_JD_02_Disinfecting.jpg

以前は、タンクが回収されてしまうのではないか、古いタンクと交換させられてしまうのではないかと心配した人びとが、タンクを渡してくれないなどの課題を抱えていました。
こうした課題を解決するために、正しい情報を周知し、タンクを消毒することのメリットや重要性を理解してもらえるよう努力しました。

元々、3-5区の人びととの間に信頼関係を築けていたことから、皆に納得してもらうことができました。今回も作業の最終日には、すべての人にタンクを返すことができました。

今回私は、消毒後にタンク内に残留する塩素の割合を測っています。私は、可能な限り正確に数値を測って、飲み水として安全だと人びとに知らせることができるようにしたいと思っています。よい結果を得られる度に、モチベーションを強く持つことができます。

指標をモニタリングして、事業結果を評価することは、難民に適切な支援を届けるために必要不可欠なものであると信じています。

シャヘル・アル・ラヘム

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バーティカルガーデンの可能性を模索中

2016.09.01

ザータリキャンプの住民には、シリアで農業を営んでいた方が多くいます。その方たちの中には、心の拠り所として、小さなスペースを工夫して、家庭菜園を作り、野菜、果物、花を栽培している方が多くいます。

ここで一つ問題が。ヨルダンの夏は40℃を超すので、節水が大切になっています。
そこで節水しながら家庭菜園を続けてもらう方法を模索し、簡易袋と塀や壁を利用したバーティカルガーデンを実験で作ることにしました。

現在、水の消費量、野菜種苗の成長速度、管理上の注意点などを把握するために、定期的にモニタリングをしながら、一緒に育てています。

【バーティカルガーデンへの水やり】撮影:フサム・アルユセフ
20160901_JD_01.jpg

【ズッキーニの成長】撮影:アリ・アルジャドゥーア
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ごみ収集チェック!キャンプ生活の衛生環境を保つために

2016.08.18

約8万人が暮らすザータリ難民キャンプ。私たちの暮らし同様に毎日ごみが出ます。

住民は、居住ブロックごとに複数設置されている鉄製の大型ごみ収納容器(ダンプスター)に家庭のごみをどんどん入れていきます。
そのため、ごみは毎日収集しないとすぐにあふれかえってしまい、悪臭が漂ったり、ハエが発生したりと衛生環境の悪化につながってしまいます。

だからこそ、JENはごみ収集業者がスケジュール通り収集作業をしているか定期的にチェックし、ごみが溢れかえっているダンプスターを発見した場合は即座に業者へ連絡し、収集依頼と注意をします。

今後、住民を巻き込んだごみ削減、リサイクル運動も計画できればと考えています。

【ごみ収集】
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ダンプスターのごみの量を確認するスタッフ】
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【満杯になったダンプスター】
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