普段は別々の地域で活動するJENの東北事業のパートナー団体が一堂に会する年に一度のイベント「東北パートナーミーティング」を、2018年9月4~5日に、岩手県の北上駅近くの宿泊・会議施設「ホテルシティプラザ北上」で開催しました。今回は、東北各地から5団体の皆様が参加してくださりました。
<参加団体>
*インクルいわては既にJENの資金面での支援は終了していますが、事業内容面での交流やサポートを続けています。
各団体の活動分野は異なるものの、地域の連携を通して、地域の力を活かしていくこと、対象となる方々をエンパワーしていく点では共通しています。今回のミーティングでは、①各団体に蓄積されたノウハウ・知見の共有、②ニーズ調査やモニタリング、評価等、よりよい事業のために情報を得る手段としてインタビュー技法の研修(講師:一般社団法人参加型評価センター 代表理事 田中博先生)を行いました。
この研修の中で、「地域の協力者を増やしていくためにどうすればよいか?」というテーマで、ディスカッションを行いました。各団体の皆様からは、地域の方々とお話する際に心がけていることや、チラシ・WEBサイト等での情報発信など、これからより多くの地域の協力者を得ることにつながる知見が得られ、とても実り多い内容となりました。
このパートナーミーティングで使用した「地域との関係づくり虎の巻」という資料をダウンロードしてご覧いただけます。
JENは石巻市のケアマネージャー、医師、歯科専門家等で構成される「男の介護教室」を通じて、男性介護者の支援をしてきました。
今回は、9月2日に開催しました「男の介護教室&男性介護者の全国ネットワーク第1回東北大会」をサポートしたJENインターンが報告します。
男性介護者をどのように専門職や地域で支えられるか、介護者が取り残されることのない社会の構築への課題を共有し、解決策を探るために東北で初となるイベントを宮城県塩籠市で開催しました。
前半では「男の介護教室」代表の河瀬歯科医師による、事業紹介など、男性介護者の置かれた状況やかかわり方を深く理解する4つの講義があり、登壇者の方々は様々な側面から介護に関わっており、男性介護者の現状のお話や、実際の事例紹介をしてくださいました。
続く後半ではJENの東北事業統括である高橋によるワークショップを行いました。
ワークショップでは、数人のグループに分かれ、介護の現状と理想の状態、課題と理想の状態に近づくための取組みを話合い、最後に各グループの取組みについて発表しました。
参加者は、家族を介護している当事者、医師、看護師、栄養士、社会福祉士、地域包括支援センター職員、社会福祉協議会職員など、多岐に渡っており様々な情報共有や意見交換がなされていました。
参加者へのアンケート結果からは、今回の講演内容の学びだけでなく、講演やワークショップを通じて自身が介護に関して考える時間をもてたこと、それを他者と共有できたことが大きな学びであったとの声も多く寄せられました。
今後開催してほしい企画についても、多くの意見をよせていただきました。
内容が盛りだくさんな一日となりましたが、ご参加いただいたみなさま誠にありがとうございました!
今回、家族を介護している当事者だけでなく、様々な立場から介護に関わる方々のお話しを窺うことができ、より現実的に介護の現実を感じ、社会全体で支援していかなければならない大きな課題であると実感しました。
一方で、社会の介護支援に対する最新の動向も感じられ、社会全体でみんなが自分事として捉え、取り組んでいかなければならないと思いました。
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入念に調査し、何度も関係者と話し合ったうえで計画した事業。
それでも予想していなかったトラブル起きたり、逆におもがけない効果が表れたりすることがあります。
事業実施の責任者は、そのような兆候をしっかりととらえ、事業の効果を最大限にして、対象地域がよりよくなるようにする義務を負っています。
そのために重要なのが「モニタリング」です。「モニタリング=観察」は文字通り、事業実施中に客観的に事業を観察することです。
モニタリングで得られた結果をもとに、活動を適宜適切に改善したり変更したりすることで、よりよい結果がうまれます。
2017年7月5日、JENの主催で盛岡にて、プロジェクト・サイクルマネジメント (PCM)の手法に基づくモニタリングの研修を実施しました。
4月に開始した「計画編」に続く第二弾で、東北で、ひとり親家庭の支援、中高生や若手女性による地域づくり支援などを行うJENのパートナー団体とその関係者約15人が参加しました。
講師の (特活) PCM Tokyo 代表の三好 崇弘氏より、モニタリングで成否を測る「指標」は具体的で、かつ事業実施や参加者に過度な負担をかけない方法を考えること欠かせないが強調されました。
そして、それ以前に重要なことが、事業の設計が、論理的にきちんとなされているかが重要であり、
それができていないとモニタリング指標の設定自体が的外れになってしまうことが伝えられました。
JENのパートナー団体の方々は既に、しっかりとした事業計画をつくり、モニタリグに取り組みながら、事業の成果をあげていますが、今回の研修であらためて自らの経験をPCMの枠組みにあてはめてブラッシュアップすることができました。
参加者からは、
「関係者が多い事業だからこそ、モニタリング結果の共有をきちんとしていくことが重要だと思った」。
「今回の研修でさらに考えが整理された。すぐに事業の改善に活かしていきたい」。
といったコメントが寄せられました。
引き続き、JENはパートナー団体と共に歩みながら、よりインパクトの出せる事業づくりをお手伝いして参ります。
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前回に引き続き、今回も男の介護教室の話題です。
宮城県石巻市中心街から車で1時間、そこからさらにフェリーで20分。牡鹿半島の西端に位置する網地島(あじしま)は、宮城県随一の透明度をほこるビーチと豊かな漁場をもつ人口400人の島です。
【船着き場から会場まで移動するスタッフ】
かつては、遠洋漁業の基地としてにぎわった島の現在の高齢化率は70%です。
人生最後のときを住み慣れた島で暮らしたい人が多く、介護施設等の社会資源が限られた島では、住民同士の助け合いが鍵となります。
島の男性の多くの生き甲斐と人間関係、そして趣味は「仕事」に集約されています。裏をかえせば思うように動けなくなったとき、漁に出られなくなったときに、孤立してしまう傾向があります。
「もしものとき」にどうしたらよいのか知識があること、相談できるひと、助け合う仲間がいること。そして、そうして支え合う関係が、普段のときから男性の人生を豊かにしていくことが重要であると、地域包括ケアシステムの構築の一端を担う網小医院と、牡鹿地域包括支援センターが考ました。
そこで、JENのパートナー「男の介護教室」とともに、網地島ではじめての男の介護教室を2017年6月22日に開催しました。
【教室前の打ち合わせ】
島の端と端にあるふたつの集落の真ん中に建てられたかつての小学校をリフォームした網小医院の集会室が今回の男の介護教室の会場です。
牡鹿半島から、食材と調理器具をもってわたった男の介護教室のスタッフが朝早くから準備した会場に、60代から90代の男性が到着します。
栄養士による講義に続き、早速調理開始。缶詰や冷凍食品を使いながら、栄養バランスの良い料理を男性の参加者がつくります。皆さん、包丁さばきがとても鮮やか。
島では中学校を卒業するとほとんどの男子が遠洋漁業の船にのり、最初の2年間は厨房で大人数の料理をつくっていたとのこと。あっという間に料理ができあがり、スタッフと参加者の方々の間で、船に乗っていた頃の話、島の生活などの話が盛り上がります。
食事のあとは、河瀬歯科医師による、歯と健康のお話し。口の健康を保つことがいかに健康長寿にとって大事なのかを、ときどき会場から笑いをとりながら、お話をされました。
あっという間の3時間。
参加者の方々からは
「昔の青年団みたいで楽しかった」
「みんなで食べるとおいしい」
「普段話さない人とも話せた」
次回も来てくださいますか、と聞いたら、大半の方が手をあげてくださいました。
政府がすすめる「地域包括ケアシステム」は住み慣れた地域で、最後のときまで幸せに暮らすビジョンを掲げ、そこで地域の力である「互助」が重要な要素です。
網地島の男の介護教室の開催は、これからの網地島、そして高齢化がすすむ日本各地の地域のありように対して重要な示唆を与えてくれました。
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2017年4月に、JEN主催による「プロジェクトサイクル・マネジメント」の研修を実施しました。JENの東北事業のパートナーや、その関係団体の地域の復興に携わる関係団体の方々27人が参加した熱い3日間でした。
【まずは、自己紹介からスタートです】
プロジェクトサイクル・マネジメントとはプロジェクトの計画・実施・評価という一連のサイクルを「プロジェクト・デザイン・マトリックス(PDM)」と呼ばれるプロジェクト概要表を用いて運営・管理する方法です。今回の研修では、上記サイクルの「計画」段階で用いられる手法について、講義と参加型演習を行ないました。
【参加者同士でディスカッション中です】
【アイデアがたくさんでました】
講師のPCM Tokyoの代表、三好崇弘先生が作成した架空のさびれた商店街の事例から、この商店街の立て直しのプロジェクトを4つのグループに分かれて計画しました。
関係者分析、問題分析、目的分析、プロジェクトの選択、ログフレームづくりといった段階を経て、4グループともそれぞれ違ったプロジェクトに行きつきました。
3日目は各自の事業のログフレームに落とし込む作業をしました。
【参加者のみなさんで演習の合間に体操です】
参加者が現場に戻って事業を推進するにあたって大きな力となった研修でした。
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