JENの対談企画 Mimosa Talk // #2 品川女子学院校長 漆紫穂子さん×木山啓子| 003

ミモザトーク|2016.12.19

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(写真:左から/木山啓子、品川女子学院校長 漆紫穂子さん)

誰かのために、一歩を踏み出すことが大切

漆:
今年、スイスの時計「swatch」を生み出したスイス人起業家のエルマー・モックさんに講演に来ていただきました。ある生徒の「どうすれば、起業家になれますか?」という質問に、彼は「起業家は目指してはいけません。それは、世の中に贈り物をした人が後から呼ばれる名称です」とおっしゃいました。とても共感できました。

木山:
生徒さんたちは本質的な学びをされていますね。P1130222

漆:
生徒たちには、「もともと何を解決するためなのか、という考えがないと起業しても途中で嫌になってしまうよ」と言っています。誰かのために、小さな問題を見つけて、まず自分で一歩を踏み出し、まわりに協力してもらってそれを解決するという習慣づけをするように話しています。最初は大変でも、苦労した結果みんなに喜ばれることの幸せや成長を感じて、生徒たちは日々成長をしています。

木山:
適切な目的を持つことは、本当に重要ですね。敢えて大きな言葉を使うと「志」と呼んでよいと思います。やり方は、JENの行う自立支援と同じだと思いました。JENでも自立とは、課題を見つけて、周りをまきこみ、解決していく力を回復することと定義しています。志を持って誰かと力を合わせて困難を乗り越える体験は、一生の宝になりますね。

漆:
人のためになったら嬉しいという気持ちは、みんなの心の中にはあるのですね。プロセスは大変でもそれを乗り越えた時の達成感や成長、周りの人に喜ばれる経験を、若いときに味わう事が人道支援においても大切かもしれませんね。

対談はまだまだ続きます。次回をお楽しみに。

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漆 紫穂子 | うるし しほこ
品川女子学院6代目校長。早稲田大学国語国文学専攻科修了。2006年より現職。教育再生実行会議委員(内閣官房)。同校は平成​26年度よりスーパーグローバルハイスクール指定校。「28歳になったときに社会で活躍する女性の育成」を教育の柱に社会と子どもを繋ぐ学校作りを実践している。著書『伸びる子の育て方』(ダイヤモンド社)など。

(敬称略)

 

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