シリア難民支援速報

自分のコミュニティは自分で守る(防災訓練)

2017.04.06

ザータリキャンプは25℃を超す日々が増え、春を早々と通り越し、初夏の気候になってきました。暖かくなってくると人びとの活動も増えていきます。

例えば、このピザ屋さんは、住民や支援関係者から注文を受け、配達で大忙しのようです。
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オーブンにいれて、ピザを焼き上げていますね。ここのピザは美味しいです。
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ピザを焼くために、火を使っています。

さて、ここ最近のもう一つの気候の変化は、湿度です。とても乾燥していて、喉も皮膚もすぐにカラカラになります。もし火事が起これば、瞬く間に火がキャンプ内に広がってしまうでしょう。

そのようなことが起こらないように、先月、ヨルダン治安当局による消火器訓練が実施されました。受講者は、キャッシュ・フォー・ワークという有償ボランティア活動にてキャンプの至る所で仕事をしている住民を対象としました。

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【講師より説明を受ける住民】

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【JENの支援活動に参加しているキャッシュ・フォー・ワーク労働者】

キャンプが設立された2012年夏当初より、JENはどのようにして難民の方々を巻き込みながら自立のシステムを導入できるか熟考してきました。自分のコミュニティは自分で守る、という気概を住民の方々から感じられたこの訓練。自立を促す、小さなステップではありますが、とても大事なステップに立ち会えたことを嬉しく思います。

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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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jordan

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Residents take a step to protect their community (Emergency training)

2017.04.06

Here in the Za’atari refugee camp, we are getting used to seeing the thermometer hit 25 Celsius, cutting the spring short and heading into the early summer. All this warm weather makes people become more active.

Just take a look at this pizza restaurant. Staff are busy making and delivering pizzas ordered by local residents and by people working to provide support in the area.

He is sliding pizzas into the oven. This restaurant’s pizzas are great.

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[The pizza shop’s kitchen]

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[To cook pizzas, the restaurant uses fire]

Now, let’s get back to the topic of the weather. There is also a change in humidity. The air is very dry. What if there is a fire? The fire could engulf the camp quickly.

To prevent such incidents, Jordan’s security authorities held a training seminar last month on how to use fire extinguishers. The seminar was for residents working under the “cash for work” programs.

Supported by humanitarian aid organizations, such programs provide temporary employment in public projects, which can be seen everywhere in the camp.

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[Residents are listening to explanations by the instructor]

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[Workers engaged in JEN's cash-for-work support projects]

Since the Za’atari refugee camp was set up in the summer of 2012, JEN has had in-depth discussions about how we can help refugees develop a self-sustainable community. Five years later, the training seminar showed that the refugees are thinking in the same way.

Their mindset is to protect their community by themselves. This is a small but very important step to become self-sustainable, and we are pleased to have had the chance to see it.

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The Road ×クーリエ・ジャポン|自転車に乗る「自由」を勝ち取るために戦う少女たち

2017.03.17

 cj_logo_blue_100px [ 本連載は、クーリエ・ジャポンとの連動掲載です。 ]
ヨルダンのザータリ難民キャンプで創刊された、“難民の難民による難民のための”月刊誌「THE ROAD(ザ・ロード)」。同誌から選りすぐった傑作記事や動画を毎月お届けする。

20170727_JD_The main photo1シリアの昔ながらの慣習が根強く残るザータリ難民キャンプでは、近頃、「女性が自転車に乗っていいのか?」問題が人々を賑わせている。男女それぞれの熱い意見を、男性記者が取材した。

大好評の動画シリーズでは、シリアの伝統音楽「アラーダ」を復活させた音楽家たちを紹介。華やかな衣装に身を包み、高らかに民謡を歌い上げる彼らの姿からは、故郷を離れても決して伝統を絶やさないという強い決意が伝わってくる。
ザ・ロードの詳細はこちらから

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女の子だって自転車に乗りたい
Text by Yaser Al-Hariri Photographs by Ali Al-Musleh

「ザータリ難民キャンプで初めて自転車に乗ったときは、恥ずかしかったです。みんなが私を見ていましたから」

15歳の少女ヌール・ムスタファは、イベントで自転車に乗ったときのことをこう振り返る。だが結局のところ、彼女は大勢の目を気にせず、風を切りながらぐんぐん進んでいく自転車の爽快感を楽しむことができた。
その日は他にも15人ほど女の子がいたので、それに勇気づけられたのだ。

ヌールが参加したのは、難民キャンプで男性にだけ自転車が提供されたことに対する抗議イベントだった。

「ここで、私みたいな女の子が自転車に乗っていると、じろじろ見られるし、陰口も叩かれます。でも私は、自転車に乗ることをやめるつもりはありません」

難民キャンプでは、交通手段が限られている。それゆえ、紛争で男性家族をなくした女性だけの家庭では、自転車がないとどこにも行けない。また、ザータリ難民キャンプの敷地面積は設立当初からかなり広がった。そのため、市場からずっと離れた不便な場所に住んでいる人もいる。

ヌールもいつも自転車で買い物に行っている。女性にだって自転車が必要だということを周囲に訴えるため、これからも乗り続けるつもりだ。

彼女は、キャンプで支援活動をしている団体が主催する自転車ツアーに、いまも女友達と参加しているという。

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【ザータリ難民キャンプで自転車に乗る女性】

「現実的に考えてください。キャンプでは、自転車以外の移動手段がないんです。女性が自転車に乗ってはいけないという人たちの根拠は、『伝統的にそうだったから』に過ぎません」

ウム・ラフィ(46)も、ヌールの意見に同調する。彼女もまた、自転車に乗っているといつも白い眼で見られるそうだ。

「シリアの伝統では、受け入れられないことでしょう。でも私は気にしていません。男性たちは時間を節約するために、キャンプを自転車で移動しますが、私たち女性にだって当然同じ権利があると思います。この考えが浸透するには、時間が必要でしょうけどね」

男性は、こうした女性たちの意見をどう見ているのだろうか。アブ・イッサ(52)は、シリア社会を象徴するある諺を引用した。

「食べるものは自分の好みに合わせなさい。でも、服はまわりの好みに合わせなさい」

だが、イッサは決して女性の自転車使用に反対しているわけではないようだ。

「我々の社会は保守的です。よっぽどの事情があっても、女性が自転車に乗ることを容認するのは、かなり難しいと思います。

でも私個人は、近い将来それが当たり前になればいいと考えています。女性たちの自信にもつながりますし、誰かが必要に迫られてやっていることを、否定的な目で見るべきではありませんから」


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「アラーダは、世界中を両肩に乗せているような気分にしてくれる」
Directed by IN TRANSIT TEAM / Project Director Omar Braika / Supervisor Cyril Cappai, Hada Sarhan

00:20-00:40 私はジヤード・アブ・ルストム。シリアのホムスから来た。42歳。2014年からここに住んでいる。シリアにいたときのように「アラーダ楽団」を結成した。アラーダとは、愛と喜びと伝統を表現するものだ。
1:23-2:06 はじめは多くの問題に直面した。
(故郷)ホムスにあった楽団のようなものはなかったので、(ここ、ザータリ難民キャンプで)新しい楽団を作った。アレッポ、ダラー、ゴータ、ダマスカス、ホムス等、シリアの各都市から11人を集めた。簡単ではなかったが、神のご加護のもと、うまくいった。
初めは道具や衣装がそろわなかった。また、キャンプで暮らす人々の家計を考え、祝い事で演奏するときでも、ギャラを通常の4分の1に抑えた。
2:08-2:22 タンバリンが買えなかったので、ドラムから作った。グワールという仲間が、ドラムを切って、タンバリンにしたんだ。
2:53-3:02 アラブの衣装には3つのスタイルがある。「ドゥマニヤ」「ハマウィヤ」そして、フランス式だ。
3:18-3:29 パーティーを開き、タマリンドジュースを売り、衣装をそろえていった。1~2ヵ月に1着ずつ衣装を買い足していったんだ。
3:34-3:55 シリアでは、いつもこのタマリンドジュースを入れるボトルと一緒に仕事をしていた。23年間、このボトルを背中に抱えた。もともとは兄がタマリンド売りをしていたが、腰を痛めて続けられなくなった。
初めて背負ったときは、転んでしまったよ。だから3日間、家で背負い方の練習をした。この仕事を愛しているので、手放すことなど考えられない。このボトルは、いつも私と共にある。
4:27-4:50 アラブの衣装を着て通りを歩けば、世界中を両肩に乗せているような気持ちになる。
次の世代にも過去を忘れず、伝統を継承していってほしい。彼らがアラブの衣装をバカにしないように願う。我々の起源であり、受け継ぐべき遺産なのだから。
5:36-5:57 第2、第3の楽団も作りたい。私、アブ・ルストムがいなくても、ここで育った若い世代に伝統をつないでもらいたい。
そして、人々が悲しみや苦難を少しでも忘れていられるよう、幸せと喜びを広げてほしい。

The Road ×クーリエ・ジャポンの記事はこちらからもご覧いただけます。

 cj_logo_blue_100pxクーリエジャポンで連載中のコンテンツを、編集部のご厚意により、JENのウエブサイトでもご紹介させていただいてます。

小学生ザイナの話

2017.03.09

今回はヨルダンの北部イルビッド県の公立女子校に通う12歳のザイナのインタビューをご紹介します。このインタビューは、シリア難民を受け入れるコミュニティ(ホストコミュニティ)を支援するJENヨルダン事業所の現地衛生促進コーディネーターによって実施されました。

ヨルダンでは、現在も家庭や学校で月経についての正しい知識を伝えられないまま 初潮を迎えて動揺してしまう女の子が少なくありません。このインタビューでザイナが自身の経験を踏まえ、思春期の女の子たちが初潮についてもっとオープンに話し、正しい知識を身につけることが大事だと語っています。

「私の名前はザイナ。12歳です。ヨルダン北部のイルビッド県エイドゥーン地区に住んでいます。月経について自分の経験を話すのはこれが始めてです。これまで誰も月経について聞きませんでしたし、私自身も月経についての話は恥ずかしいと思っていたからです。思春期の女の子のためにも、今回私の経験についてお話したいと思います。月経について率直に話すことで何かアドバイスできればいいですし、恥ずかしがることはないと言いたいです。私の経験から学びを得てくれれば、と思います。」

「私が11歳の時、月経について何も知りませんでした。ただ、宗教の先生が『ラマダン(イスラムの断食月)中に生理であれば断食をしません」『出産後の40日間は断食をしません」と言っていたのは知っています。でも生徒が先生に月経の意味を聞いても、『大人になったらわかります」とだけ言われ、説明はしてもらえませんでした。」

「家では母と祖母は私の目前で月経の話はせず、私がわからないように特定シンボルを使って月経の話をしたり、私の存在を無視して小声で話し始めたりするので、恥ずかしくなってその場を離れていました。」

「ある日学校から帰宅すると、痛みもなく初潮が来ました。母にケガをしたと言ったら、初潮が来た若さに驚いていました。この時は、母は簡単にですが、女の子はある年齢になると初潮を迎えること、またその時の身体の仕組みについても説明してくれました。どうやったら初潮が終わるのかと母に聞いたところ、数日で終わると言い、本当に数日で終わったので、母が生理を止めてくれたとばかり思っていました。」

「生理だった時、母が父に私の初潮について話をしていたのが聞こえました。父は私のために男兄弟と別の部屋を用意してくれ、車で学校に送迎もしてくれました。次の生理が初潮から11か月経って来た時、私は母に腹を立て、生理が来たのは母のせいだと思いました。」

「この時には、母はもっときちんと説明をしてくれました。これはケガではなく、思春期の女の子には普通のことだ、と。母は初めて弟に私用の生理ナプキンを買ってくるよう頼み、弟がむき出しで手に持って帰ってきたのを見て怒っていました。この後、母はトイレに家族全員用と女性用の2つのゴミ箱を用意してくれました。生理用ナプキンと空袋も常備され、母は使用済みのナプキンをどのように捨てるかも教えてくれました。」

「母は私の通学用カバンの中に小袋に入れた生理用ナプキンを忍ばせてくれました。空袋も一緒です。そして、生理中にはお祈りをしないようにと言いました。この時、生理中に神様の名前を言うことさえとても怖く思いました。」

「私の母は素晴らしい人です。でも時折、心を開いて私と個人的なことについて話せないようです。また、私が病気や出血、普通じゃない事柄を怖がっているのを知っているので、2時間おきにトイレに行って生理用ナプキンを変えるように言います。そして常に、トイレを使う前と後の2回、トイレの便座をキレイにするように指示します。それは、私がバイ菌に感染しないためだけではなく、ほかの人にもバイ菌を残さないためです。」

「学校では、私のクラスだと誰も月経について話しません。数人の子は初潮が始まっているはずですが、こういう話をするのはとても恥ずかしいのです。一度体育の時に私の友達の一人が腹痛を訴え、トイレに行ったら初潮だとわかり泣きだしてしまいました。この時は私の通学カバンに入っていた生理用ナプキンをその友達にあげて、母が私に教えてくれたことを説明し、彼女の気持ちを落ち着かせようとしたのでした。」

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【インタビューに答えるザイナ】

衛生促進コーディネーター
ウィサム・アル・ジュマイリ

 

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The Road ×クーリエ・ジャポン|拳を磨き壁を破っていく「難民テコンドー一家」

2017.02.17

 cj_logo_blue_100px [ 本連載は、クーリエ・ジャポンとの連動掲載です。 ]
ヨルダンのザータリ難民キャンプで創刊された、“難民の難民による難民のための”月刊誌「THE ROAD(ザ・ロード)」。同誌から選りすぐった傑作記事や動画を毎月お届けする。

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荒野に建てられた仮設住宅に暮らす難民キャンプの生活では、さまざまな不自由を強いられる。だが、支援団体などからのサポートを通してこれまでの古い慣習を打ち破り、自分たちの将来を切り拓こうとする女性たちの姿も見られるようになった。
大好評の動画シリーズでは、ザータリで有名な「テコンドー一家」を紹介。首都アンマンで開催された2つの大会を制覇するなど、彼らの快進撃はザータリの住人に明るいニュースをもたらしている。
ザ・ロードの詳細はこちらから

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夢の前に立ちはだかる「壁」を壊そうとする女性たち
Text by Sundus Al-Hariri

ザータリ・キャンプで暮らすシリア人女性は、男たちが造り出した「禁止」という名の壁に常に取り囲まれている。そして、往々にしてその壁が、彼女たちの夢の障害になっている。

中東地域には伝統的に、男性主導で決定すべきことが確かにある。だが、自分の将来に関わることは女性たち自身が選択し、決断するべきだ。

それにもかかわらず、ザータリでは多くの女性たちが、父親、夫、兄弟などの男性家族に教育や職業訓練を受けることを禁止されてしまう。彼女たちの豊かな未来の可能性が、男たちによって狭められてしまうのだ。

20170217_JD_the 2nd photo2PHOTO: COURTESY OF THE ROAD

「THE ROAD」編集部はこの問題について、さまざまな年代の男女に取材をした。1人目は、匿名希望の20代女性。彼女は男女混合だからという理由でUN WOMANなどがおこなう教育・職業訓練コースへの参加を家族に禁止された。

「男性と一緒というだけで、コースへの参加を禁止する父親もいます。我々の慣習では、男女が同じ部屋にいることが許されていないため、娘が心配なのです」

14歳のヌールも、父親にコースへの参加を禁止された。

「私は将来のために英語やコンピュータのコースに参加したいんです。けれども、たいてい父から反対されます。父は、コースに通う道中で私が何かトラブルに巻き込まれるのを心配しているのです。でも残念ながら父の心配のせいで、私の未来は閉ざされています」

もちろんなかには、家族の許可を得てコースに参加している女性もいる。もう1人の匿名の20代女性は、それに疑問を感じているようだ。

「ザータリの女性全員が、家族にコースへの参加を禁じられているわけではありませんが、よく聞く話ではあります。親が娘を信頼して、私たち自身が進むべき道を決められたらいいのですが」

実際に教育・職業訓練コースに参加した、もう1人のヌール(40)は、コースの意義を次のように称える。

「私は参加者のなかで最年長だったので、当初は気後れすることもありました。でも、このコースでたくさんのことを学んだおかげで、仕事に就くことができました。誰かにコースへの参加を邪魔されなかったことを神に感謝していますし、他の女性にもぜひ私のように学んでほしいと思います。

私は、自分のことはすべて自分で決めます。それに、ザータリにも男女共学の大学に進学した女性は大勢います。大学と教育・職業訓練コースの間に、どんな違いがあるというのでしょうか?」

20170217_JD_the 3rd photo3PHOTO: COURTESY OF THE ROAD

.では、男性側はこれについてどう思っているのだろうか?

2人の娘を持つアブ・ハサン(40)は、反対派だ。

「娘を教育・職業訓練コースには参加させたくない。どうせ役に立たないだろうし、男女混合のコースで娘たちに問題が起きたら困る。だから許可しないんだ」

だが、すべての男性が女性に教育の機会を与えることに否定的なわけではない。アブ・シャヘル(50)は言う。

「父親は子供の幸せを祈っているものだ。しかし、ときに恐怖に囚われ、子供たちが進むべき道が見えなくなってしまう。

女性が教育・職業訓練コースに参加するのを男たちが禁止するのは、これまでの慣習のせいだ。だがこれからは若い世代の行く末を、皆がより広い視野で見るべきだ。シリアの女性たちは善悪の判断がつくから、何も心配はいらない。教育を受けることによって、彼女たちの未来は大きく拓けるだろう。

男女が同席することを恐れるあまり、彼らの教育のチャンスを奪うべきではない」

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「テコンドー」は子供たちの希望
Directed by IN TRANSIT TEAM / Project Director Omar Braika / Supervisor Cyril Cappai, Hada Sarhan

0:31 私たちは、8人家族だ。私には妻と6人の子供がいる。娘が3人、息子が3人。そのうち4人がテコンドーを習っているが、他の2人は小さいので、まだ始めていない。
0:51 子供たちは、すぐにテコンドーが大好きになった。私が道場に行かなくても、「練習をしに行きたい」とおねだりされるほどだ。
1:17 私たちは週に4日練習する。テコンドーの技が上達するためには忍耐が必要だから、それを幼い頃から子供たちに教えている。
子供がテコンドーの教えを守れるようになったら、その子供はいつどんなときでも、リーダーシップをとれる。人生の見方も変わり、生き方も変わる。
2:15 女の子が足を蹴り上げる武道を習うなんて、許されないと考える人たちもいる。だが、スポーツにおいて許されないことなんてあるのだろうか。女の子であっても、テコンドーを続けていいはずだ。将来は、オリンピックの金メダリストになり、自分とシリアに誇りをもたらせばよい。
テコンドーは彼女たちの未来であり、希望なのだ。彼女たちは、他の女の子にも良い影響を与え、そして人々の固定観念を覆すだろう。
そんな希望に溢れた子供たちを、なぜ止める必要があるのか。好きなだけテコンドーをさせればいい。
3:20 ザータリ・キャンプで開催されたテコンドー選手権には家族で出場した。ヨルダンの首都アンマンで技を披露したこともある。子供たちは、たくさんのメダルを持ち帰ってきた。
3:50 ここ(ザータリ)には、美しい風景も住む場所もない。老人たちは、かつてのシリアの美しい景色を知っている。だが、いまは(紛争で)破壊された姿しか見ることができない。
それは子供たちにとって大問題であり、悲しいことでもある。しかしそんな状況でも、棘だらけの大地にも花は咲くのだ。
4:34 最初は、イブラヒム、ヤマーマ、アスマ、3人の子供と始めたテコンドー。
4:40 テコンドーを教えても、私自身にはあまりメリットはない。だが、キャンプの子供たちにとって、これは大きな希望だ。
4:54 希望は子供たちのためにある。私たち大人がしっかりと子供たちの希望に耳を傾け、叶える努力をしないと、子供たちは希望を失う。
それは、私たちが希望を失うことと一緒なのだ。
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The Road ×クーリエ・ジャポンの記事はこちらからもご覧いただけます。
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