シリア難民支援速報

みたことのない故郷

2017.04.20

139人、120人、157人、132人・・・

ザータリ難民キャンプに関して、UNHCRが2週間に1回発行するレポートから、ある数値を最近2か月分抜き出してみました。

さて、これは、何の数でしょう?

実は、これは2週間の間にキャンプ内で生まれた赤ちゃんの数。毎日、ざっと、約10人の赤ちゃんが誕生しています。

ザータリ難民キャンプの住民、約8万人のうち、約20%が4歳以下の幼児です。毎日、新生児が難民キャンプの中で誕生し、ここで成長していきます。

難民キャンプでの子育てについて、二家族に聞いてみました。

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タイム(6か月)のお母さんの話
「上の子ダナが生後2か月の時、キャンプに来ました。タイムはキャンプ内の産院で出産しました。戦争の中、爆撃で破壊された病院の地下でダナを出産した時よりも、キャンプでの出産の方が、安心でした。ここは安全で、学校や病院のサービスもあり、キャンプでの子育てに、特に不安はありません。将来、平和になったら、シリアのダマスカス郊外の故郷を、子どもたちに見せたい。ダナもタイムも、一度もキャンプの外に出たことはありません。」

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アラ(3歳)のお父さんの話
「子どもは3歳から20歳まで10人。末の子のアラは、キャンプで生まれ、キャンプの外に出たのは3回ぐらい。近くの親戚の農園に連れて行った。アラは動物が大好きで、農園では、暗くなるまで牛や羊を眺めていた。キャンプからの外出には許可が必要で、交通費もかかるので、めったに子ども達を連れて外出はできない。ここの生活は囚われの身のようで、子育ては難しい。上の息子3人は、学校をやめてしまった。将来が心配なので、職業訓練を受けさせたい。」

難民キャンプで生まれ、成長する子どもたち。一人ひとり、今後、どんな人生を歩んでいくのでしょう。それぞれの個性や能力が尊重され、前向きな希望が持てるように、そしていつか故郷を訪れることができるようにと、願います。

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自分のコミュニティは自分で守る(防災訓練)

2017.04.06

ザータリキャンプは25℃を超す日々が増え、春を早々と通り越し、初夏の気候になってきました。暖かくなってくると人びとの活動も増えていきます。

例えば、このピザ屋さんは、住民や支援関係者から注文を受け、配達で大忙しのようです。
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オーブンにいれて、ピザを焼き上げていますね。ここのピザは美味しいです。
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ピザを焼くために、火を使っています。

さて、ここ最近のもう一つの気候の変化は、湿度です。とても乾燥していて、喉も皮膚もすぐにカラカラになります。もし火事が起これば、瞬く間に火がキャンプ内に広がってしまうでしょう。

そのようなことが起こらないように、先月、ヨルダン治安当局による消火器訓練が実施されました。受講者は、キャッシュ・フォー・ワークという有償ボランティア活動にてキャンプの至る所で仕事をしている住民を対象としました。

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【講師より説明を受ける住民】

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【JENの支援活動に参加しているキャッシュ・フォー・ワーク労働者】

キャンプが設立された2012年夏当初より、JENはどのようにして難民の方々を巻き込みながら自立のシステムを導入できるか熟考してきました。自分のコミュニティは自分で守る、という気概を住民の方々から感じられたこの訓練。自立を促す、小さなステップではありますが、とても大事なステップに立ち会えたことを嬉しく思います。

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Sad Al-Sultani男子中学校の話

2017.03.23

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【Sad Al-Sultani男子中学校】

Sad Al-Sultani男子中学校はヨルダンの首都アンマンから南に100km下った、カラック県にあります。1970 年代に教育省により建てられた学校は砂漠の町の中にあるため、生徒たちの多くはベドウィンや地域の部族出身です。

学校施設はガラスが割れたまま放置され、維持管理がきちんと成されていないため、学校施設、特にトイレはひどい状態で放置されており、教員は自分たちの宿泊先のトイレを生徒たちと共有しなければいけない状況でした。このような状況にどのような対処をすればよいか、学校の管理者は困惑していました。

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【放置された学校トイレ】

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【学校トイレの中】

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【舗装前の通路】

JENのエンジニアチームは修繕の優先順位を把握すべく、Sad Al-Sultani男子中学校を訪問しました。その地域にある他の学校の状況とも比較し、トイレ設備の全体修繕の必要性が高いと判断しました。

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【修繕されたトイレ】

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【修繕されたトイレの内部】

窓、ドア、便座、床、壁面タイルの交換や給水タンク、上下水道管の修理も含めた、トイレの全体的な修理が実施されました。また、建物に加え、トイレへつながる通路もきれいにされました。

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【舗装後の通路】

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小学生ザイナの話

2017.03.09

今回はヨルダンの北部イルビッド県の公立女子校に通う12歳のザイナのインタビューをご紹介します。このインタビューは、シリア難民を受け入れるコミュニティ(ホストコミュニティ)を支援するJENヨルダン事業所の現地衛生促進コーディネーターによって実施されました。

ヨルダンでは、現在も家庭や学校で月経についての正しい知識を伝えられないまま 初潮を迎えて動揺してしまう女の子が少なくありません。このインタビューでザイナが自身の経験を踏まえ、思春期の女の子たちが初潮についてもっとオープンに話し、正しい知識を身につけることが大事だと語っています。

「私の名前はザイナ。12歳です。ヨルダン北部のイルビッド県エイドゥーン地区に住んでいます。月経について自分の経験を話すのはこれが始めてです。これまで誰も月経について聞きませんでしたし、私自身も月経についての話は恥ずかしいと思っていたからです。思春期の女の子のためにも、今回私の経験についてお話したいと思います。月経について率直に話すことで何かアドバイスできればいいですし、恥ずかしがることはないと言いたいです。私の経験から学びを得てくれれば、と思います。」

「私が11歳の時、月経について何も知りませんでした。ただ、宗教の先生が『ラマダン(イスラムの断食月)中に生理であれば断食をしません」『出産後の40日間は断食をしません」と言っていたのは知っています。でも生徒が先生に月経の意味を聞いても、『大人になったらわかります」とだけ言われ、説明はしてもらえませんでした。」

「家では母と祖母は私の目前で月経の話はせず、私がわからないように特定シンボルを使って月経の話をしたり、私の存在を無視して小声で話し始めたりするので、恥ずかしくなってその場を離れていました。」

「ある日学校から帰宅すると、痛みもなく初潮が来ました。母にケガをしたと言ったら、初潮が来た若さに驚いていました。この時は、母は簡単にですが、女の子はある年齢になると初潮を迎えること、またその時の身体の仕組みについても説明してくれました。どうやったら初潮が終わるのかと母に聞いたところ、数日で終わると言い、本当に数日で終わったので、母が生理を止めてくれたとばかり思っていました。」

「生理だった時、母が父に私の初潮について話をしていたのが聞こえました。父は私のために男兄弟と別の部屋を用意してくれ、車で学校に送迎もしてくれました。次の生理が初潮から11か月経って来た時、私は母に腹を立て、生理が来たのは母のせいだと思いました。」

「この時には、母はもっときちんと説明をしてくれました。これはケガではなく、思春期の女の子には普通のことだ、と。母は初めて弟に私用の生理ナプキンを買ってくるよう頼み、弟がむき出しで手に持って帰ってきたのを見て怒っていました。この後、母はトイレに家族全員用と女性用の2つのゴミ箱を用意してくれました。生理用ナプキンと空袋も常備され、母は使用済みのナプキンをどのように捨てるかも教えてくれました。」

「母は私の通学用カバンの中に小袋に入れた生理用ナプキンを忍ばせてくれました。空袋も一緒です。そして、生理中にはお祈りをしないようにと言いました。この時、生理中に神様の名前を言うことさえとても怖く思いました。」

「私の母は素晴らしい人です。でも時折、心を開いて私と個人的なことについて話せないようです。また、私が病気や出血、普通じゃない事柄を怖がっているのを知っているので、2時間おきにトイレに行って生理用ナプキンを変えるように言います。そして常に、トイレを使う前と後の2回、トイレの便座をキレイにするように指示します。それは、私がバイ菌に感染しないためだけではなく、ほかの人にもバイ菌を残さないためです。」

「学校では、私のクラスだと誰も月経について話しません。数人の子は初潮が始まっているはずですが、こういう話をするのはとても恥ずかしいのです。一度体育の時に私の友達の一人が腹痛を訴え、トイレに行ったら初潮だとわかり泣きだしてしまいました。この時は私の通学カバンに入っていた生理用ナプキンをその友達にあげて、母が私に教えてくれたことを説明し、彼女の気持ちを落ち着かせようとしたのでした。」

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【インタビューに答えるザイナ】

衛生促進コーディネーター
ウィサム・アル・ジュマイリ

 

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ガザ難民キャンプからザータリ難民キャンプへ

2017.02.16

若いエンジニア、ワエル・アブ・レヒエにとって、今ザータリ難民キャンプで経験していることは、ガザ難民キャンプで自身が経験してきたこととそれほど変わりません。

ワエルは、ガザ難民キャンプでの自身の経験を活かし、ザータリ難民キャンプでは、下水道網プロジェクト第一フェーズの、施設間の下水道管接続に係る建設工事を監督しています。

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【ベースキャンプのJENキャラバンで、一日の進捗を書き留めるワエル】

下水道網プロジェクトは、学校、病院、モスク等の水道網をつなげるため、JENおよびキャンプ内でシリア難民を支援している他団体によって2016年12月に始められました。これらの水道網工事は、コンクリート製分離タンクの提供、下水管の敷設、マンホールの設置等に関連する仕事も含みます。

WASHサービスの提供はJENの責任下にあり、ほとんどのNGOの事務所があるベースキャンプおよびザータリ難民キャンプ3・4・5区にある計58の機関・施設が水道網で結ばれることになります。

日々の通常業務は、まず3・4・5区を歩き回り、キャンプの敷地内を見渡し、前日の活動箇所をチェックするところから始まります。そして掘削と水道管敷設の工事計画を立て、同時に関連するオフィスワークも忘れないように行います。

今日は、キャンプの受付エリアにおけるコンクリート製タンクの設置とその接続工事を行いました。工事では重機を扱い、大きな分離タンクの上げ下ろしも伴うため、工事中は安全が第一です。

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【分離タンクが持ち上げられるのを見るJENスタッフ】

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【分離タンクと学校のトイレを繋げるパイプ接続工事】

ワエルは話します。
「ザータリ難民キャンプに来る前、私はガザ難民キャンプで難民として、契約者の元、下水道網の工事を行っていました。キャンプ住人に、自分のコミュニティにもっとも質の高い仕事を提供するというさらなる責任が加わり、そして私はそれをやり遂げました。」

ザータリ難民キャンプでは、キャッシュ・フォー・ワーク*を通してシリア難民にこのプロジェクトで働いてもらうという、ガザ難民キャンプで彼が経験したものと同じアプローチが取られています。難民を経済的に支援すると同時に、キャンプのインフラに関して難民自身の主体性と責任感を醸成します。

工事の過程ではいくつかのチェックが行われます。掘削孔の深さ、パイプの傾き、マンホールの場所・段切り・絶縁、水密試験。そして、工事の進捗に伴いその質と量を担保するため、すべての試験の記録と結果が毎日更新され、報告されます。

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【パイプの適切な傾きを保証するため、高さを測定】

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【写真上:マンホール下の受けを乾燥させる/写真下:マンホール内部の段切り】

ザータリ難民キャンプが街へと変遷していっている今、ワエルは今の仕事で成果を出しつつ、将来の新しいプロジェクトを探しています。

現在のプロジェクトは2017年2月末で終了予定であり、計103基のタンクが導入され、計2kmのパイプが敷設されます。下水道網第二フェーズの工事が3月から始まるため、第一フェーズを2月末までにすべて終了する必要がありますが、スケジューツはかなり厳しいです。

第二フェーズでは第一フェーズで導入されたすべてのタンクを下水処理場に繋げていきます。
ワエル・アブ・レヒエ
JENヨルダン エンジニア

 

*キャッシュ・フォー・ワーク、「労働対価による支援」は、被災者みずからが復旧・復興のために働き、対価が支払われることで復興を促す支援プログラムのことをいう。

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