JENの対談企画 Mimosa Talk // #4 岸本幸子さん×木山啓子| 004

ミモザトーク|2017.09.04

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#4 コミュニティでチャリティをしよう。 

岸本:JENの立場からすると、難民や、厳しい状況にある人達のことを一般の方に「なかなか理解してもらうのが難しい」と思っているかもしれません。ですが、もっと普通の人の立場に立つと、「知らない」「関心が無い」「我が事感が無い」わけですよ。

木山:残念ながら、確かに理解して頂くのが難しいと感じる時があります。

岸本:そこで、いろいろ考えたあげく、「ドナー・サークル」という、寄付者が、お互いに考え合ってその中で寄付先を決めるというやり方を始めるきっかけになったんです。

木山:「ドナー・サークル」ですか?

岸本:はい。今度、私の所属する団体が作るwebサイト上では、一般の方、自らがファンドレイザーになって、他の人に呼びかけるためのツールというのを沢山載せようと思っています。例えば、お誕生日や、様々なイベントなどでお金を集められる仕組みづくりです。

木山:いいですね。

岸本:フックは色々あると思うんです。人って、何で共感するかって分からないんですよね。そして、何に託す(寄付する)かも分からない。だからこそ、その人のまさに『人生に寄り添う』寄付の形を提案できればと思うんです。

木山: 海外だと、まさにそういう様々な形の寄付文化が根付いていますね。

岸本:そうですね。海外では、数人で集まって自分たちで作ったクッキーを売る、小さなチャリティーパーティを開く、物を売るなどして、その集まったお金をNGOなどに寄付するような、『コミュニティがチャリティに取り組む』文化が根付いています。

JENも、例えばこんな取りくみはどうですか?

近所のレストランと協力して、「そのレストランの●●を食べたら100円がJENへの寄付になります」という仕組みを作っておくんです。

レストランは、通常価格に100円プラスした形で食事を提供する。そして、JENや、そのサポーターの人たちが、周りの人たちに「あそこでご飯食べてください」って宣伝するんです。

お客さんが集まれば、レストランも嬉しいし、お互いにメリットがあります。アメリカの市民団体はよくこの仕組みを取り入れていますね。

例えば、来年の難民の日を神楽坂の商店街と一緒にどうですか?(笑)神楽坂の雰囲気って、何か共感してくれそうな気がします。JENのスタッフも、神楽坂に対する愛の方が強くなっちゃうかもしれないですね。

一同:

木山:ボランティアや、寄付文化に対する意識が、欧米と日本だと全然違いますよね。この意識は、どのように培っていけばいいのでしょうか。

岸本:やっぱり一つは教育ですよね。実は、日本でも、その意識を育てようと、『寄付者教育』を総合教育の中で取り上げてもらおうと色々動いています。

木山:寄付者教育?

岸本:はい。その授業では、まず、子どもたちに社会の問題を調べてもらいます。その中から、どの問題に一番共感が持てるか?と決めてもらうんです。そして、その問題を解決するために、自分たちで集めたお金を少額でも、支援団体に届ける。そんな、「寄付者教育」を小さい時からやってもらうことを目指して動いています。

そして、この教育で、もう一つの大きな効果としてあるのが、『子どもに伝えると親に伝わる』ということです。「お母さん、今日僕、教室で寄付教育をやったんだよ、寄付やってみだんだ」と言うと親が変わる、という風に言われます。特にお母さんが変わると言われているんですよね。

木山:寄付する、という行為には、『お金を渡す』だけではない、様々な意味があるということですね。寄付という行為を通して、自分の人生や自分の住んでいる地域や国、世界についても考え直すきっかけが生まれるということですね。今日はたくさんのヒントをいただけました。本当にありがとうございました。

(敬称略)

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岸本幸子|きしもと さちこ

パブリックリソース財団専務理事

東京生まれ。シンクタンク勤務、留学を経て、2000年パブリックリソースセンター(現組織の前身)、2013年現財団を創設。寄付文化の刷新を目指し、個人や企業が社会貢献活動を行う際のコンサルティングや実施支援、NPOの寄付適格性評価、社会的活動のインパクト評価などに携わっている。共著に「寄付白書2015」他。
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