東北支援速報

東北の若手女性のパワーが集結

2016.08.18

JR郡山駅から車で30分、里山の美しい自然に囲まれた、古民家「くらしの学校 蓮笑庵」に、東北の被災各地で活動する、19歳から41歳までの女性約20人が集結しました。
活動分野は子育て支援、学習支援、防災、まちづくり、起業支援、ワークライフバランス等、多岐にわたりますが、被災地の社会課題に取り組む点では共通しています。

参加者ひとりひとりが本音で語り、事業実施や組織運営、地域での関係づくり等、様々な課題を持ち寄り、そして解決策も出し合う、力みなぎる場となりました。

 20160818_TH_01_academy.jpg

 

 

 

 

被災地支援に携わる若手女性の研修合宿「グラスルーツ・アカデミー東北 in 福島」を主催したのは、宮城県登米市を拠点に被災地各地で活動する特定非営利活動法人 ウィメンズアイ。
このイベントにおいて、JENはプログラムの企画支援、資金提供、この合宿後のフォローアップ支援等、全面的にバックアップしています。

 ウィメンズアイの活動紹介はこちら

 20160818_TH_02.jpg

 

 

 

 

 

 ジェンダーの専門家の大崎麻子氏がプログラムの企画支援と2日目の講師・ファシリテーターを担いました。

 なぜ今、若手女性の連携強化と研修が必要なのでしょうか。

 それには被災地の現状が深く関連しています。

被災地外から来た多くのNPO/NGOが去った今、NPOやソーシャルビジネスなどの形で復興を支えているのは地域で暮らす方々です。元から地元に暮らす方、故郷の危機を目の当たりにしてUターンで戻った人、他県から支援活動に入り、その後被災地に移住した人など様々で、多くの若い女性も含まれます。

 震災から5年経った今、地域の復興を担うひとたちは、組織運営や、持続的な活動の在り方等、様々な課題に直面しています。そのなかで女性、とりわけ若い女性は、地域のしくみのなかで活躍の場が無かったり、研修機会が無かったりすることから、試行錯誤しながら孤軍奮闘になりがちです。

また、10代~40代の女性はライフステージが目まぐるしく変るため、取り組みを継続していくことは容易ではありません。

地域の再生を新しいやり方で牽引する若手女性リーダーたちが横につながり、お互いを連携して助け合えるネットワークが益々重要となっている現在、「グラスルーツ・アカデミー」の開催は参加者たちの大きな力となりました。

 20160818_TH_03.jpg

 

 

 

 

(©ウィメンズアイ)

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

tohoku


女性が自らをいかし元気に活躍できることを目指して ~ウィメンズアイ~

2016.08.04

2015年10月から、JENの新たな支援の形として、地域で活動する団体等とのパートナーシップによる支援を行っています。
今回は2016年6月新たにパートナーとなりました、宮城県登米市の「特定非営利活動法人ウィメンズアイ」をご紹介します。

前身である「RQ被災地女性支援センター(宮城県登米市)」が、三陸沿岸に災害ボランティアとして集まった有志メンバーにより、2011年6月に活動をスタートし、2013年6月にウィメンズアイが設立されました。

ウィメンズアイは、東日本大震災直後からの支援活動を通じ、働き手である男性や就学児童生徒などのニーズが優先され、家庭でも社会でも後回しにされがちな被災地の女性たちの姿を見てきました。一般的に多くを語らない東北特有の性質にも配慮しながら、女性の視点からの調査に基づき、緊急支援から長期支援にいたる継続的な援助活動を行なってきました。

2016年8月5日~8月7日の3日間、東北の地域で活動する若い世代の女性のためのネットワークづくりと学びの場「グラスルーツ・アカデミー東北」が福島県田村市で行なわれます。

グラスルーツ・アカデミーは、2015年3月の国連防災世界会議のプレイベントとして東北の若手女性リーダーとアジア・中南米の経験豊かな女性リーダーを対象にした国際研修を、国際NGOホワイロウ・コミッション(NY)と南三陸町で開催したことがきっかけで始まりました。そして、東北の被災3県(宮城、岩手、福島)の次世代を担う女性たちが集い、他者から学び、自分の経験を他者への貢献とし、みずからの成長につなげる場として続いています。

今回の研修では、「地域でどう人を巻き込むか」をテーマに、東北3県の女性たち自身が直面する課題や各地での経験を持ち寄り、3日間ともに学び合います。

【前回のグラスルーツアカデミー in 岩手の様子】
20160804_TH_01_iwate.jpg

 

 

 

 

 

(©ウィメンズアイ)
  【ウィメンズアイの活動の様子】
20160804_TH_02.jpg 

 

 

(©ウィメンズアイ)

 

 

ウィメンズアイは、学び、つながり、ゆるやかに続けられる機会をつくり、JENとのパートナーシップの下、今までの活動をさらに強化し、女性が自らをいかし元気に活躍できることを目指します。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

tohoku


ひとりひとりが大切にされる防災が、災害に強い地域をつくる

2016.06.30

日本の防災は
1)自助 = 自分で自分と家族を助けること
2)共助 = 企業や地域コミュニティで共に助けあうこと
3)公助 = 行政による救助・支援、のことです。

という考え方で政策やしくみが成り立っています。

多くの人が「自助」のために、家に防災グッズをそろえたり、家族で災害時の連絡方法を確認したりしているでしょう。
「公助」に関しては、被災地で活躍する消防職員や自衛隊、自治体職員の姿をテレビ等で目にすることが多いでしょう。

でも「共助」って・・?

実は東日本大震災では、この「共助」が多くの人を救いました。
近所で声を掛け合っての高台への避難、震災後1週間後で2,182か所あった避難所の多を運営した、地域防災組織に属する地元の方々。

平成26年の内閣府の防災白書では「公助の限界」が掲げられ次のように述べられています。

「東日本大震災等では、行政が全ての被災者を迅速に支援することが難しいこと、行政自身が被災して機能が麻痺するような場合があることが明確になったことから、首都直下地震、南海トラフ地震等の大規模広域災害時の被害を少なくするためには、地域コミュニティにおける自助・共助による『ソフトパワー』を効果的に活用することが不可欠である」。

高齢者や障がいとともに生きる方、子ども、性的少数者、外国籍の方・・・地域には多様な方々が暮らしています。

災害時に等しく命が守られ、支援を受けて生活を再建していくためには、多様性に配慮した防災がカギとなります。

全国的にも、地域の力が強いといわれた東北の被災地においても、共助における「多様性配慮」は、避難所を運営した方々も、避難した方々も大いに苦労し、課題を感じました。

小さな子どもを持つ家族が「子どもが騒いで迷惑がかかるから」と避難所に入らずに半壊した家で過ごしたり、車椅子の方や内部障害の人が使える仮設の「誰でもトイレ」が圧倒的に不足していたり、間仕切りがない避難所で、女性が着替えに困ったり、家族以外の異性と布団を並べて寝ることに安心できなかったり等。

こうした教訓をもとに、全国の自治体では、防災計画や避難所運営マニュアルを大幅に見直したり、女性の防災リーダーを育てる動きが広がっています。

被災地でも、今こそ被災経験を生かし、「ひとりひとりが守られ、ひとりひとりが参加する」地域防災をつくりあげていきたいという方々が多くいらっしゃいます。

JENの東北事業では、「パートナーシップ型事業運営」として、復興から取り残されがちな方々に対する地域のNPOや団体の取り組みを資金面・技術面で支援していますが「減災と男女共同参画 研修推進センター(GDRR)」とパートナーシップを結んでいます。GDRRは、ジェンダー・多様性の配慮の視点を持った専門家による地域防災の研修を東日本大震災の被災地において実施すべく、研修要請をした地元の組織と調整をしています。

 被災地では「よりよい復興(Build back better – 2015年国連防災世界会議で多用された言葉-)」の歩みが続いています。

【岩手県陸前高田市・沿岸部 H31.3.31まで通行規制区域・土壌仮置き場)】
20160630_TH_01.jpg

【岩手県陸前高田市(奇跡の一本松)
20160630_TH_02_tree.jpg

【岩手県陸前高田市(旧道の駅「高田松原」・青いラインが津波到達地点14.5m)】
20160630_TH_03_building.jpg

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

tohoku


福島県のママと赤ちゃんのサポート開始

2016.06.02

JENは現在、「パートナーシップ型事業運営」として、復興から取り残されがちな方々に対する地域のNPOや団体の取り組みを資金面・技術面で支援しています。

2016年6月からは、JENは一般社団法人 福島県助産師会をパートナーとして、「助産師による妊産婦包括支援」事業の支援を開始しました。
助産師とは、妊娠中・出産後の女性と赤ちゃんを心身両面から支える妊産婦支援のエキスパート。看護師資格に加えて助産師国家試験に合格した人だけが助産師として活動できます。

福島県が独自に行う「妊産婦に関する調査」では、「産後うつ」状態の福島の女性は12%で、全国平均よりも3%高くなっています(2014年調査)。
助産師会に寄せられる電話相談からは、母親の心身の状態に関する不安や、子育ての支援を誰からも受けられず孤立する様子が伝わってきています。

震災後、多くの子育て世代が福島を離れ、残る人も子育ての不安をかかえるなか、福島県では、独自プログラムとして助産院における母子の受け入れ(ショートステイや宿泊)を実施しました。
福島県助産師会はこの事業を受託する傍ら、総合的に母子の生活を支えるために
・産前教室
・産後母子サロン活動
・乳幼児からの食育教室
を独自に実施してきました。

震災から5年。福島の苦しい経験から生まれた、全国でも稀なこうした先進的な母子支援活動の数々が、立ち消えることなく福島県の各自治体の施策として根付くように、JENは活動を継続するための資金と、自治体の施策とするための政策提言に必要なツールづくり(今までの活動のデータ整理と報告書作成)、政策提言活動(各自治体への説明等)を支援します。(予定: 2018年12月まで)

【体内の放射線量を図る検査は今でも実施されています】
20160602_TH_01.jpg

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

tohoku


熊本地震 – 東北の自治体が応援隊を派遣 

2016.04.21

 

このたびの熊本地震に際し、被災された方へお見舞い申し上げます。

被災地では余震等が頻発する中、自衛隊・警察、医療機関等による現地での支援活動が行われています。そうしたなか、様々な自治体職員が現地に応援に入っており、石巻市もそのひとつです。

宮城県石巻市では、救助、復興の相互協力(役務提供物資調達)を行う「災害時相互応援協定」を2011年11月15日 熊本県八代市と締結しており、今回、その協定に基づき、震災後いち早く4月16日に石巻市職員が飲料水や食料をトラックに乗せ、八代市に向け出発しました。

5年前の東日本大震災後、熊本の行政機関や市民が、東北の被災地に対して保健医療関係者や技術者・行政機関への人材派遣、義援金の寄付、物資支援、公営住宅の提供、就業支援、交流会とたくさんの支援を行いました。

今度は東北の番です。

また、人を送る、ものを届けるだけが支援ではありません。
大きな災害を経験してきたからこそ知っている、「真に被災地のためにとるべき行動」について、宮古市社会福祉協議会はWEBサイトから発信しています。

http://www.miyako-shakyo.or.jp/

発災直後の現時点に限っては、多くのボランティアが現地を訪れることにより限られた交通網がさらにマヒし、個別の支援物資等の受入れは、現地での仕分け作業等、不要な負担を招き、支援が仇となることがある、と述べています。
当面の行動として、
(1) 可能な方は、義援金にご協力。また、被災地の製品を購入することで、間接的に被災地の支援につながる、
(2) 報道機関などによる物資の不足情報に反応した物資の提供は控える。(「被災地の状況は日々変化することから、遠地から物資が到達したときにはすでに過剰となっていることがほとんどです」)

【2011年4月 東日本大震災時の炊き出しの様子(石巻市)】
20160421_TH_01.jpg

20160421_TH_02.jpg

【2011年4月 東日本大震災時の衣類等の物資配布の様子(石巻市)】
Uniden Digital Camera

【2016年4月 日和山から(石巻市):
桜の奥に見えるフェンスで囲われている門脇小学校、北上川と太平洋】
2016041015570001.jpg

東日本大震災を経験したからこそできる支援、そして、震災後5年目に入る2016年も、JENは引き続き被災地の方々と一緒に復興に向けた活動に全力で取り組んで参ります。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

 

 tohoku