東北支援速報

シャコエビ大漁! 〜収入創出事業・シャコエビ漁網①〜

2012.06.28

宮城県は牡蠣養殖の全国でも有名な産地ですが、毎年春から夏にかけて、牡鹿半島の東浜や表浜を中心に、シャコエビ漁が行われます。お寿司のネタでおなじみ、あのシャコです。

しかし、シャコ漁のための網は、そのほとんどが津波によって流されてしまいました。さらに震災後、漁網は全国的な品薄状態が続いており、新たに購入することもままならないような状況でした。

そこでJENでは昨年10月から、浜の人たちに網の材料を提供して編んでいただき、編みあがった網を漁師さんに使ってもらう、という収入創出事業を始めました。

完成した漁網はいったんJENで買い取り、その後、各漁協支部を通じて漁師さんたちに公平に分配されます。

こうすることで、漁網を編む人と、それを使って漁を行う人、それぞれに収入をもたらすことが出来るのです。さらに、ベテラン漁師さんが若い人たちに編み方を教えながら作業をすることで、漁網を編む技術の伝承、世代間の交流などの効果も生まれます。

シャコエビは活魚として生きたまま、市場へ出荷しますが、それに欠かせない“スカイタンク”の支援も行っています。スカイタンク支援については、こちら(5月の支援速報 お〜い、スカイタンクが来たぞ!をご覧ください)

例年は4月中ごろから漁期に入るのですが、今年は海水温が低かったため、5月中旬頃から本格的な漁が始まりました。

6月21日朝、漁師さんから、「シャコエビがいっぱい揚がったよ!」という一報が入り、さっそく様子を確認してきました。

【水揚げされたばかりのシャコエビ】

【一つ一つ、網から外していきます。】

 

シャコの市場価格は、今年は例年の2〜3倍 となっています。この日は大漁で、一軒あたり50kg前後の水揚げがあったそうです。主な収入源である養殖漁業は、実際に商品として出荷するまでに何年もかかります。すぐに“出荷できる”“収入になる”ことに、漁師さんたちは手応えを感じている様子でした。

【“仕事ができる”ことが本当にありがたい】

「100反以上あった網がすべて流されてしまった」という写真の狐崎浜の平塚さんご夫婦は、「網の支援のおかげで、こうして“漁ができる”ことが本当にありがたいの」と話してくださいました。

シャコエビ漁網の支援は、今回取材した東浜のほか、表浜でも行っています。

次回は第二弾として、表浜を舞台に、船の上から、実際の漁の様子をお伝えする予定です。

【台風一過。浜には青空が広がっていました】

 

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社会人として 〜リコー新入社員研修 南三陸町で漁業の復興を目指して〜

2012.06.14

株式会社リコーの新入社員研修を行いました。第1グループは、5月23日(火)から25日(金)、第2グループは、5月30日(火)から6月1日(金)の各3日間。各92名、総勢184名の新入社員の活動でした。

活動に先立ち、22日(月)と29日(月)には、被災地石巻を訪れ、石巻工業港の瓦礫の山、市場周辺の地盤沈下の状況などを視察したあと、門脇小の前で全員バスから降り、石巻観光ボランティアの語り部さんによる震災当時の状況を聞きました。初めて被災地に来たという社員は、「映像では何回もみたが焼失した小学校を目の当たりにショックを受けました」と話していました。

視察のあと、東松島市コミュニティセンター(第2グループは遊学館)に移りオリエンテーションを行い、ジェンスタッフから今回の活動の目的や活動内容などの説明を行、最後にチームごとの目標を話し合い、紙に書き写して終了しました。

【オリエンテーション】

第1グループの新入社員92名は、3チームに分かれ、南三陸町の沿岸部の本浜、荒砥浜、清水にてサンドバック作り、めかぶ削ぎ、ワカメやコンブの選別作業を行いました。

第2グループの新入社員92名も同じように3チームに分かれ、袖浜、細浦、林、本浜、平磯などで同じ作業を行いました。

各グループは、それぞれ地元の漁師さんとコミュニケーションを取りながら一生懸命に作業を行いました。

特に、体力勝負のサンドバック作りでは、新入社員の一人が「大変な作業ではあるけど、何とも言えない達成感を感じます。」と大粒の汗を流していました。

【サンドバック作り】

このサンドバックは、50kgほどの重さになり、カキ養殖施設をはじめ、ワカメ養殖などほぼすべての養殖施設に使用します。特に、これからカキ養殖施設を元通りの台数まで復活させるのに何万個も必要になります。今回のトータル目標製作数は、約8,000袋でしたが、目標を大きく超える9,622袋の実績となりました。

地元の漁師さんはたいへん喜び、ホタテの差し入れなどもしてくださり、浜では早速バーベキュー大会、新入社員も大喜びでした。

【ホタテの差し入れ】


最終日には振り返りミーティングを行いました。「ただ物をあげるだけでなく、人が関わっていく必要があり、そのためには伝えていく必要がある」、「実際に見て、聞くことの大切さがわかった。現場を見て考え方が変わった。今後も現場に足を運ぶ」など、それぞれのチームが、目標の進捗結果や社会貢献活動の意義や今回の「気づき」について活発に意見を述べ合っていました。

この活動を通じ、被災地の現況が一人でも多くの人々に伝われば、これも一つの被災地支援になります。


人としてMRとして〜グラクソ・スミスクライン新入社員研修

2012.06.07

5月7日(月)から11日(金)までの5日間(活動は3日間)、石巻市(侍浜、狐崎浜)と南三陸町(平磯浜)において、グラクソ・スミスクライン株式会社(以下、GSK)の新入社員研修を行いました。

侍浜、狐崎浜、平磯浜はそれぞれJENが支援活動を行っている地域です。5日間にわたる研修のなか、それぞれの浜において、カキの原盤づくり、ワカメのメカブ削ぎ、芯抜き作業などを行いました。

カキの原盤は、ホタテの貝殻一枚一枚にハンマーで穴を開け、針金を通して数珠つなぎにして作ります。この原盤にカキの稚貝が付着し、2〜3年を経てカキが成育するのです。

【原盤づくりの様子〜針金の大きさに合わせて穴を開けます】

【およそ5,000㎏分のメカブ削ぎを行いました】


初めての漁業ボランティアでメカブやワカメの原型を目にしたGSKの皆さんは、手間暇をかけてそれらがスーパーなどの店頭に並ぶ商品になることに感慨深い様子でした。気さくな漁師さんたちにご指導いただきながら、日を追うごとに手際よく作業に取り組んでいました。

研修4日目には石巻赤十字病院を訪れ、災害救護係長と看護師長から震災当時の「初動の記録」についてお話を伺いました。

石巻赤十字病院は、日頃の災害実動訓練を徹底することにより、震災時にも迅速かつ冷静に災害対策本部やトリアージ(負傷者を緊急度や重症度によって分類し、治療や搬送の優先順位を決定するもの)を設置して救護対応にあたることができました。

津波を記録した映像に誰もが息をのみましたが、これからMR(医薬情報担当者)として医療に携わっていくGSKの皆さんは、「震災の学びを風化させてはならない」「チームワークが大事です。チームを組まないと人の命は救えないのです」との看護師長たちのお話に真剣に聞き入り、JENスタッフもあらためて引き締まる思いでした。

【石巻赤十字病院での聴講の様子】


研修最終日の振り返り会では、GSKの皆さんからは「実際に石巻に来てみて、まだ復興が進んでいないと感じた」「漁師さんたちが前向きに進んでいる。明るさを感じた」などの感想や活発な意見が交わされました。
【振り返り会の様子】

研修初日からわずか5日の間に皆さんの顔つきは変わり、被災地の復興支援に深く寄り添って考えていることが伝わってきました。JENスタッフもGSKの皆さんからさまざまな気づきがあり、充実した研修となりました。

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浜に活力を〜漁業再開に向けた取り組み〜

2012.05.24

JENでは、昨年より石巻の各浜においてさまざまな漁業支援活動を行っています。漁業支援は、JENの活動を理解し支援して下さる多くの皆さまのご協力により成り立っています。

今回は、JF石巻地区支所管内の石巻10浜での取り組みをご紹介します。

石巻10浜(佐須浜、沢田、荻浜、侍浜、折浜、蛤浜、月浦、桃浦、小竹浜、田代島)も、他の浜と同様に津波の被害を大きく受け、漁具を失いました。漁業再開が危ぶまれていたなか、JENとともにこの10浜を支援してくださることになったのがInternational Rescue Committee(以下、IRC)という米国のNGOです。IRCの皆さんのご協力により、今年2月よりこれまでにスカイタンク、フォークリフト、パレット、ワカメ刈り取り機、万丈篭(ばんじょうかご)などをそれぞれの浜に届けることが出来ました。

【スカイタンクをお届け】

【ワカメ刈り取り機で収穫UP】

<写真2:DSCF0671>

4月中旬、フォークリフトとパレットをお届けに、事業視察に訪れていたIRCの方々とある浜を訪れました。浜の皆さんが出迎えて下さり、真新しいフォークリフトのお披露目では歓声と拍手が起こりました。直接、皆さんの表情が見える最もうれしい瞬間です。早速、フォークリフトの試運転が行われました。

【フォークリフト、始動!】

「津波で何もかも流されてどうしようかと思っていたけど・・・支援してもらって本当にうれしい。ありがとう」と涙ぐむ女性もいらっしゃいました。試運転するフォークリフトのすぐ後ろには、津波で大きな被害を受けた家屋が立ち並び、荒涼とした光景が広がっています。そのような状況のなかでも、時折笑顔をにじませて頑張ろうとする浜の皆さんに力強さを感じました。

皆さんの笑顔を胸に、JENはこれからも各浜のニーズを見極め、継続的な支援活動を行っていきます。

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全国の皆さんに感謝して〜佐須浜カキ復興感謝祭

2012.03.29

 

3月25日(日)、いよいよ「佐須浜カキ復興感謝祭」当日を迎えました。(前日の様子についてはこちら

震災当時、佐須浜も漁業の継続が危ぶまれましたが、多くのボランティアや支援団体の活動によりカキ養殖を再開することができました。JENでは、米国の緊急支援団体IRC(International Rescue Committee)のご協力のもと、昨年11月に佐須浜でのニーズ調査を開始し、今年2月からはワークショップを開催しています。

佐須浜カキ復興感謝祭の開催は、「全国の皆さんに感謝し、ぜひ佐須浜のカキを食べに来てほしい」との漁師さんたちの思いが出発点でした。当日、朝早くから漁師さんたちの準備は始まります。三井物産などボランティアの皆さんにも、調理の準備から交通整理まで全面的にご協力いただきました。

25日は、佐須浜というひとつの浜に多くの方が集まりました。遠く東京、山梨、岐阜からの観光客や、地元石巻市内に暮らす人たちまで。さらには、津波被害により佐須浜を離れざるをえなかった住民の方たちも、この日は集まり、うれしい再会を果たしました。

また、JENがこれまで復興支援にたずさわってきた新潟・池谷の方たちもお越しくださいました。

(新潟・池谷の復興への歩みについてはこちら

あつあつの蒸しガキや焼きガキ、しうり(ムール貝)汁がふるまわれ、皆さんとてもおいしそうにほおばります。

【できたての蒸しカキ】

 

【磯の香りたっぷりの「しうり汁」】

 

「カキは焼くと甘みが増すよ」「カキ初めて食べたけどおいしい!」など会話の交流も生まれ、わきあいあいとした雰囲気となりました。BGMで流れてきた演歌に「海の歌を聞くと、漁師の血がさわぐなぁ」と笑う漁師さん。その言葉が印象的でした。

【にぎわったカキ復興感謝祭】

 

石巻の海に活気が戻る日まで――。JENは、これからも皆様のご支援とともに、石巻各地での本格的な漁業再開に向けてニーズに適した継続的な支援を行っていきます。

【佐須浜の海】

 

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