東北支援速報

スタートラインに立ったコミュニティ 〜鹿妻地区夏祭り〜

2012.10.04

猛暑日の続いた夏が終わり、石巻もようやく涼しくなってきました。

8月から9月にかけ、石巻市湊鹿妻地域では、各町内会で夏祭りが行われました。

【8月18日、鹿妻西公園(通称「パンダ公園」)の完成を祝う夏祭り】
こちらの公園では、震災以降、被災した遊具がそのままになっており、再整備のめどが立たないため、使用禁止の状態が続いていました。

しかし、鹿妻地域は集合住宅が多く、子どもの数も多いため、地域からは早期再開の要望があがっていました。公営団地の自治会長、土屋さんは、そのような地域の声を集め、遊具を提供してくれるというボランティアとの調整や話し合い、行政への働きかけを続け、ようやく公園を再整備することが出来ました。

【たくさんの子どもたちが集まりました】

公園奥にはバスケットコートも整備され、保育園児から高校生まで、毎日にぎやかな声が響いています。

【9月2日、鹿妻東公園で行われた「がんばっちゃ!鹿妻」晴天に恵まれました。】
昨年に引き続き、「がんばっちゃ!鹿妻」祭りが行われました。こちらの公園も再整備され、新しい遊具で遊ぶ子どもたちの姿が目立ちました。

【新しい遊具で遊ぶ子どもたち】

【ステージライブにはたくさんの人が集まりました】

【9月30日には、鹿妻第三町内会主催、「大お茶っこ飲み」が行われました】
9月30日には、第三町内会主催による、「鹿妻大お茶っこ飲み」。会場は、今年6月に完成した新しい集会所とその広場です。「祭りを成功させたい!」という町内会役員さんたちの意気込みが感じられました。

【お餅つきなどの催しには、県外からのボランティアの協力もありました。】

【2011年の会場は、被災した大型書店の駐車場でした。】
「あれから、もう一年経つのか…」感慨深げに、つぶやく人もいました。

【牡鹿半島狐崎浜からは、漁師さんによる「魚やさん」の出店も】
今年は、「鮮魚詰め放題」という珍しい出店も登場しました。詰め放題500円!という破格には、住民の皆さんも大喜びでしたが、出店した漁師さんも、「同じ石巻と言っても、このように他の地域のお祭りにかかわる機会はなかった。こういう縁を大切にしていきたい」とおっしゃっていました。

以上3つのお祭りを紹介しましたが、今年のお祭りはどこも本当に和やかで、笑顔があふれていました。人びとの気持ちに、少しずつ余裕が出てきているのかもしれません。

しかし一方で、この段階になってようやく、「損壊した自宅の修繕をして、地域に戻る決心がついた」という方もおられます。

1人ではどうしていいかわからなかったけれど、同じ地域の人と話すうちに、周りの状況、環境を知り、やっと地域に戻る決心がついたのだそうです。

復興への道のりは、個人個人によって差があります。そしてその個人個人が互いを尊重し、協力し合うことで、地域全体の復興に主体的に取り組む機運が生まれてくるのではないでしょうか。

「お祭り」は、地域住民が一丸となって取り組むことで、そこに対話が生まれ、協力が生まれます。そのプロセスにこそ価値があるということを、改めて感じました。

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牡鹿半島にも秋の訪れ  〜荻浜の秋祭り〜

2012.09.20

9月9日、牡鹿半島の荻浜で、秋祭りが行われました。

周辺の浜の多くは、春に祭りを行うため、周辺の住民は荻浜の秋祭りで少しだけ秋を感じるそうです。

荻浜は、昨年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けました。住家を流失した14世帯(30人)が荻浜地区内にある仮設住宅に暮し、あとは荻浜を離れ市内の仮設住宅やみなし仮設住宅などで暮らしています。

神社総代の伏見さん(漁協運営委員長を兼務)は、祭りをきっかけに人びとが集まることが出来るように、荻浜を離れた一人一人に案内を出しました。祭り当日、荻浜を離れて暮らす大勢の住民たちが祭りを見にきました。

【写真:荻浜の仮設で暮らす江刺さん、侍浜の杉浦区長さん】
荻浜の神社には、「女人禁制」、「神輿(みこし)担ぎの声だし禁止」という習わしがあるそうです。

男たちは家を出るときに紙を口に咥え、祭りが終わるまでの間一切声を出すことを禁じられるそうです。(今年はボランティアの参加者が多かったため、すべて解禁されていました)

神社まで206段ある石段を、宮司さん、地区の氏子さんやボランティアの方たちが一緒に上りました。神社は、周辺では一番高い場所にあるそうです。神社からは、荻浜湾を一望することができます。

【写真:神社からの景色】
【写真:神社】

 

境内で行われた神事の後、皆で石段を下り神輿の準備をしました。獅子頭を車の屋根に乗せ、地元の若者たちとボランティアの方たちが一緒になって神輿を担ぎ、太鼓を積んだ先導の車に続きます。海まで到着すると、船着き場から神輿を船に乗せ、荻浜湾をグルリと回り、陸に戻りました。そして再び地区内を練り歩きました。

【写真:神輿が荻浜湾を船で回る】

 

【写真:地区内を練り歩く神輿】

昨年も規模を縮小して祭りを開催しましたが、今年は、ジェンを初め、荻浜に関わった多くのボランティア団体や人々の協力の下、震災前に負けない規模で開催することができました。祭りのラストは、紅白の餅まき、大きな歓声でフィナーレを迎えました。

祭りに参加した皆さんの笑顔が溢れていたことは言うまでもありません。

【写真:荻浜支所前での餅まき】

【写真:拾った餅】

 

「こんな光景を毎年みたいね、あと何年生きられるかわからないけど・・・。」万石浦(まんごくうら)の仮設住宅に暮らすおばあちゃんがポツリと呟きました。

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一年と半年が過ぎて。〜全国から消防士のタスキリレー〜

2012.09.20

9月11日(火)14:00、全国の消防の皆さんの想いを繋いだタスキが石巻広域消防本署でゴールを迎えました。

【写真:タスキリレー実行委員会の武藤さんとJENスタッフ】
【写真:ゴールの瞬間】

 

このタスキリレーは、東日本大震災で大きな被害を受けた、消防本部、消防職員およびその家族を応援し元気を運ぼうと、全国の消防士の有志が集まり、今年の3月11日に鹿児島市を出発しました。1都2府23県にわたる4881キロを8124人が気持ちをこめて走り、タスキをつないでいきました。

最終区間の約2.2キロは、震災時、女川消防署に勤務し、同僚4人が死亡・行方不明となり、自らも大けがを負った野田和好さん(43才)ら石巻広域消防本部職員3人が担当しました。

最終ランナーとして走り終えた野田消防司令補は、「タスキを繋いでくれた消防士や応援してくれた人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。リレーを通して全国の消防の繋がりも強く感じた」と話しました。

【写真:最終ランナーの野田消防司令補】

タスキリレーの消防士を応援しようと、近隣の仮設住宅で暮らす市民や近くの子どもたちも駆けつけました。

【写真:南境第4仮設団地のみなさん】

【写真:歌の練習、阪上さんと湊第二小学校の子どもたち】

 

ゴール後、集まった全員で記念写真を撮りました。最後に、阪上めいこさんがミュージカル「ファイヤーマンの祈り」の主題歌「Thank you Fire Fighters」を応援に駆け付けた市民や子どもたちと一緒に、涙を流しながら歌いました。

*「Thank you Fire Fighters」の歌詞

Thank you Fire Fighters 人の為に命さえ 惜しまぬ その勇気

Thank you Fire Fighters 大きな優しさと 愛溢れる その笑顔

本当の優しさは 無償の愛 たとえ誰でも 認められなくても

危険な場所へ 飛び込んで行く ためらいのない その後姿

あなたは 本当の 強さ 教えてくれた

すべての人と 同じ 愛する妻と子ども 思う気持ち

それでも 私たちを守り どんな時にも 勇気見せてくれる

言葉なんて 言い尽くせないけど

ありがとう ありがとう ありがとう

【写真:Thank you Fire Fightersを歌う阪上さんと子どもたち】

石巻広域消防の星消防長が謝辞の挨拶の中で、「最初に石巻に捜索応援隊として来られたのが鹿児島の消防隊、タスキリレーのスタートの地が同じ鹿児島と聞いて感無量です。管内では未だに800人弱の行方不明者がおり、その中に同僚職員4人も含まれます。今日、大きな勇気をもらい、一人でも多くの方を探し出すことを改めて誓います。」と謝辞を述べられました。

午後2時46分、瓦礫の中から発見された半鐘(はんしょう)を鳴らしながら、大震災で亡くなられた方に対し1分間の黙とうを捧げました。

【写真:瓦礫の中から見つかった消防の半鐘】
【写真:午後2:46全員で黙とう】

 

タスキリレーを主催した実行委員会から、全国の消防士一人一人のメッセージと汗が染みこんだタスキとメッセージ入り日章旗が贈呈され終了しました。

【写真:贈呈されたメッセージ入り日章旗】

今回、新しい楽器を使った消防音楽隊の演奏 は、行われませんでした。

行方不明の方の捜索活動は、まだ続いているからです。晴れやかな演奏が聴ける日が一日でも早く訪れるよう、祈りと希望の気持ちを強く感じた一日でした。

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佐須の浜小屋〜浜友〜 完成式!

2012.09.13

9月9日、佐須浜(さすのはま)で、“佐須の浜小屋 浜友(はまゆう)”の完成式が行われました。“佐須の浜小屋”は、地域コミュニティのための集会施設です。

【集会所まえにテントを設置し、式典を行いました。大漁旗がたなびきます】

佐須浜は牡鹿半島の付け根の小さな集落です。震災前は約40世帯、津波により多くの家屋が流出してしまい、現在は7世帯が残って生活しています。それ以外の世帯は、親戚の家、仮設住宅などバラバラに避難生活を続けています。

JENでは漁業資材の支援と地域コミュニティへの支援を並行して行っており、浜の人びとと話し合いやワークショップを重ねてきました。

その中で、“浜を一時的に離れている人も、残った人も、みんなが集まれる集会所がほしい”という要望があがり、この“佐須の浜小屋”は生まれました。

【関係者からの挨拶のあと、集会所の鍵が贈呈されました。】
浜の言葉では、子どもたちが船や砂浜で遊ぶことを、“浜遊”といいます。それをもじった“浜友”というネーミングは、佐須浜の人びとの話し合いで決定しました。

【式に集まった地元の方々と関係者で記念撮影】
施設の建設にあたったのは、福島県浜通りに本社がある業者さんです。震災・原発事故後は仙台に支社を置き、事業を行っているということです。担当の方からは、「いつの日かふるさとに帰ることのできるその日まで、この宮城の地で、東北の復興のために尽力していきます。」という内容のご挨拶をいただきました。

【式の後には、懇親会が行われました】

【料理を作った浜のお母さんたち】

佐須浜では、秋から出荷が始まるカキのシーズンに合わせて、採れたてのカキを観光客やボランティアに提供する“カキ小屋”をはじめよう、という計画が進んでいます。

佐須の浜小屋にテントを併設し、順調にいけば10月中旬から営業を開始する予定です。


支援速報では今後も随時、一歩ずつ前進する浜の人びとの姿を伝えていきます。

JENの活動へのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

※  今回の完成式の様子は9月8日付の三陸河北新報、9月10日付の石巻日日新聞にも取り上げていただきました。ぜひご覧ください。

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〜石巻・大森団地の夏祭り〜

2012.08.30

石巻市中心から北に向かって車で15分、田んぼと山に囲まれた自然豊かな二俣地区に大森団地があり、450戸に867人の方が暮らしています。(平成24年8月1日現在)

この団地は4つの団地で構成されており、このうち第3と第4に自治会が立ち上がりました。

ちょうど一か月前の7月下旬に第3自治会の阿部自治会長さんと第4自治会の内海自治会長さんより連絡が入りました。8月25日(土)に大森団地で夏祭りを開きたいとのお話でした。

会長さんたちのお話では、JENを初めこの団地に関わっているボランティアさんや団体さんに協力頂き、住民と一緒になって「祭り」を成功させたいとのことでした。

JENの仮設住宅団地を担当するコミュニティ支援チームは、喜んでご協力しますと答えました。こうして計画が練られ、8月14日の第2回会議で内容が決定され、JENを含めた複数の団体が協力し、それぞれが出店を出しました。

JENでは「水ヨーヨー」と「カキ氷」店をだしました。当日は、朝から晴天で気温も30℃を超え、多くの人々で終日にぎわいました。

【写真①:大森団地夏祭りのステージ】

【写真②:JENのカキ氷の出店】
【写真③:JENの水ヨーヨーの出店】
ふれあいコンサートでは、世界チャンピオンによるスコップ三味線の演奏、地元の渡波獅子風流(ししふり)、スイカ割り大会にカラオケ大会と盛りだくさん、夕方からは盆踊り大会で大いに盛り上がりました。

【写真④:盆踊り大会】

自治会長さんをはじめ、住民の皆さんによる手作りの夏祭りが、東北の短い夏のひと時を鮮やかに彩りました。明日に向かって一歩踏み出す力に変えて。

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