東北支援速報

岩手県宮古市津軽石での子ども食堂「しおかぜダイニング」

2019.01.15

岩手県の宮古市社会福祉協議会が実施する子ども食堂「しおかぜキッチン」「しおかぜダイニング」を、JENは支援しています。

7人にひとりの子どもが貧困の日本。特にシングルマザー世帯の貧困率は50%を超えます。この状況は宮古市も例外ではなく、宮古市社会福祉協議会が関わる子どもが属する世帯からの相談は、ひとり親世帯である場合が非常に多いのが現状です。そこで、子ども食堂「しおかぜキッチン」では毎月、ひとり親、その子どもたちとボランティア、そして宮古社会福祉協議会のスタッフが集まり、いっしょにご飯をつくる、食べる、楽しい時を過ごす、そして時に困りごとの相談にのる場になっています。
いままでのしおかぜキッチンの活動報告

しかし、市街地で実施する「しおかぜキッチン」には、自宅から遠くて気軽に参加することが難しい方々がおられます。そこで、宮古市社会福祉協議会では、①市街地から離れた地域の方々が子ども食堂にアクセスできること、②開催地域の方々が活動を担うことで、困難を抱えた世帯やその子どもたちへの理解を地域全体で深めていくこと、③参加対象は困難を抱えた世帯に限定せず、地域のすべての子どもたちを対象とすることで、困難を抱えた子どもたちが排除されない、包摂された地域づくりを目指すこと、を目的として宮古市の各地で子ども食堂「しおかぜダイニング」の開催を目指してきました。そして今回、宮古市の津軽石公民館ではじめての「しおかぜダイニング」が実施されました。当日は20名を超える子どもたちと保護者が参加してくださり大盛況でした。

今回は初めての開催でしたので、最初にボランティアの皆様が集まり自己紹介をしてから、早速調理開始です!メインメニューは「豚汁、おにぎり、サラダ」でした。

食事準備

食事準備

おにぎりづくりは、子どもたちもお手伝いで参加しました。ボランティアの皆さんが優しくサポートしてくださり、出来上がったたくさんのおにぎりを見て、大人も子どももにっこり笑顔になりました。

おにぎり作り

おにぎり作り

食事の完成です!
地域の皆さまからの差し入れでお漬物やフルーツも加わり、おいしいランチが完成しました。子どもたちは近くに座った大人と話しながら楽しく食事をして、「おいしい!」という声もたくさん聞こえてきました!

食事の完成!

食事の完成!

食後は公民館内のホールで自由に遊びました。会場には輪投げ、ピアノ、オセロやお絵かきコーナーなど、楽しい遊具がたくさん用意されており、高校生ボランティアと一緒に楽しく過ごしました。

食後の遊びタイム

食後の遊びタイム

TH_05_201901

終了後は、参加してくださったボランティアの皆様が集まり、振り返りを行いました。皆様からは「子どもたちがまた来たい!と言ってくれた」「一緒におにぎりを作るのが楽しそうだったので、次回も手作りメニューがよいかも!」「ドーナツなどお菓子の手作りもいいですね!」などなど、次回の開催に向けた素敵なアイディアがたくさん生まれました。これから津軽石地域での活動が続き、地域の多くの子どもたちに届くことを願っています。


パートナーミーティングで使用した「地域との関係づくり虎の巻」がダウンロードできます

2018.12.12

普段は別々の地域で活動するJENの東北事業のパートナー団体が一堂に会する年に一度のイベント「東北パートナーミーティング」を、2018年9月4~5日に、岩手県の北上駅近くの宿泊・会議施設「ホテルシティプラザ北上」で開催しました。今回は、東北各地から5団体の皆様が参加してくださりました。

<参加団体>

  • インクルいわて:ひとり親家庭を中心とした親子の居場所・地域力の結集の場としての「こども食堂」を実施(岩手県盛岡市)
  • 男の介護教室::ケアマネージャー、歯科関係者、医師、栄養士などが行う男性介護者の支援(宮城県石巻市)
  • SAVE TAKATA:中高生によりまちづくりとおとなとのチームワーク推進 (岩手県陸前高田市)
  • 福島県助産師会:助産師が行う母子の支援と、医師や栄養士、保育関係者などの多職種連携の推進により、母乳育児や離乳食期をサポートする活動(福島県全域)
  • 宮古市社会福祉協議会:ひとり親家庭を中心とした親子の居場所・地域力の結集の場としての「こども食堂」を実施 (岩手県宮古市)

*インクルいわては既にJENの資金面での支援は終了していますが、事業内容面での交流やサポートを続けています。

各団体の活動分野は異なるものの、地域の連携を通して、地域の力を活かしていくこと、対象となる方々をエンパワーしていく点では共通しています。今回のミーティングでは、①各団体に蓄積されたノウハウ・知見の共有、②ニーズ調査やモニタリング、評価等、よりよい事業のために情報を得る手段としてインタビュー技法の研修(講師:一般社団法人参加型評価センター 代表理事 田中博先生)を行いました。

この研修の中で、「地域の協力者を増やしていくためにどうすればよいか?」というテーマで、ディスカッションを行いました。各団体の皆様からは、地域の方々とお話する際に心がけていることや、チラシ・WEBサイト等での情報発信など、これからより多くの地域の協力者を得ることにつながる知見が得られ、とても実り多い内容となりました。

このパートナーミーティングで使用した「地域との関係づくり虎の巻」という資料をダウンロードしてご覧いただけます。

「地域との関係づくり虎の巻」をダウンロード


JEN東北パートナー・ミーティング2018 を開催

2018.09.14

JENの東北事業のパートナー団体は年に1度集まり、「JEN東北パートナー・ミーティング」を開催していました。3回目となる今年は、5団体、10人が参加し、ここにJENの東北事業担当スタッフ2名と研修や評価をサポートする外部専門家2名が加わり、次の目的のもと、9月4日・5日の二日間にわたって実施しました。

集合写真

みんなで集合

1.各団体の知見を共有する
団体の活動分野は異なるものの、地域の連携を通して、地域の力を活かしていくこと、対象となる方々をエンパワーしていく点では共通しています。今回のミーティングでは、各団体に蓄積されたノウハウ・知見を共有しました。

2.インタビューの技術を習得する
ニーズ調査やモニタリング、評価等、よりよい事業のために情報を得る手段としてインタビューの方法を学びました。

3.JENとのパートナーシップを評価する
この3年間を振り返ってJENがパートナー団体を適切にサポートしているか、またJENとのパートナーシップが機能しているかを外部専門家が評価し、よりよい伴走支援ができるようにするとともに、今後の教訓を残します。

JEN東北事業統括の高橋による、事業・団体に関しての課題の抽出のワークショップに続いて、一般社団法人参加型評価センター代表理事 田中博氏による、インタビュー技法の講義と演習でを実施、インタビューでは、最初に抽出した課題に関して他団体へのインタビューを試みました。

インタビューの様子01

インタビューの様子01

インタビューの様子02width=

インタビューの様子02

2日目は 評価の専門家・中谷美南子氏によるJENのパートナーシップ評価をJENのスタッフが入らない形で実施、存分にパートナー団体に評価して頂いました。続いて、田中氏によるフォーカス・グループ・ディスカッション (FGD)の講義と演習そして、前日に抽出した課題に関してFGDを試み、貴重な教訓を各団体・JENとも得ることができました。

ワークの様子

ワークの様子

参加者からは
「自分たちの団体の課題が再認識できた、他団体からの学びがあった」
「田中先生のお話がとてもわかりやすかった。インタビューについて深く勉強させていただいた」「質的評価の技法を自団体の事業や普段の活動に活かしていきたい」
といった声があがり、有益なミーティングになりました。


講演会:ひとり親と子どもたちをとりまく現状と課題 [岩手県宮古市]

2018.08.14

岩手県の宮古市社会福祉協議会が実施する子ども食堂「しおかぜキッチン」「しおかぜダイニング」を、JENは支援しています。

7人に1人の子どもが貧困の日本。特にシングルマザー世帯の貧困率は50%を超えます。
「しおかぜキッチン」は毎月、ひとり親、その子どもたちとボランティア、そして宮古社会福祉協議会のスタッフが集まり、いっしょにご飯をつくる、食べる、楽しい時を過ごす、そして時に困りごとの相談にのる場になっています。また、宮古市内で地域の皆さまが主体となって開催する「しおかぜダイニング」の実施も目指しています。

「しおかぜキッチン」の参加者の約半数はひとり親世帯の方々です。そこで今回、「しんぐるまざぁず・ふぉーらむ」理事長の赤石千衣子先生をお招きして、「しおかぜキッチン」「しおかぜダイニング」をご支援いただいている地域の皆さま・関係機関の皆さまを対象に、講演会『ひとり親と子どもたちをとりまく現状と課題』、『ひとり親家庭グループ相談 研修会』を開催しました。
講演会・研修会には、民生委員さん・行政関係の方々をはじめ、多くの地域の皆さまにご参加いただきました!

講演会の様子

講演会の様子

午前中は講演会を開催しました。講演会の前半は、ひとり親世帯の現状・どのような困難を抱えておられるのか、また、相談を受けた際やお声掛けの際に支援者が心がけるべきポイントなどを教えていただきました。後半は、2人1組になり、相手の短所を長所に置き換えて表現する、「自己尊重トレーニング」に取り組みました。例えばある人の短所が‘仕事が遅い’ことである場合、それは‛丁寧で慎重に作業している’という長所に置き換えて受け止めることができます。このように、相手の良い面に注目することは、相談対応やサポートの際にとても大切な視点であることを学びました。

講師の赤石先生とスタッフの皆さま

講師の赤石先生とスタッフの皆さま

午後からは、『ひとり親家庭グループ相談 研修会』を開催しました。午前の講演会に続き、グループ相談会の実施方法や相談を受ける際のポイント、ひとり親世帯が活用できる制度など、より実践的な内容を学びました。
参加者の皆さまからは、「これまでは自分の発言で相談者を傷つけてしまうかもしれないと思って積極的にお声掛けできなかったが、これからは勇気をもって一歩踏み出そうと思いました!」「今日学んだことを、今後相談を受けた際に取り入れます!」「制度についてもっと勉強します!」など、今後の支援活動につながる前向きなご感想をいただき、とても有意義な研修会となりました。

研修会の様子01

研修会の様子01

研修会の様子02

研修会の様子02


事業のPDCAでパワーアップ

2018.07.12

ビジネスの世界では、生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法として、 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する「PDCAサイクル」が重視されていますが、JENが実施する社会課題を解決する事業でもPDCAはとても大切です。

JENは東北事業のパートナー団体と共に、現在ここ3カ月(4~6月)の活動を丁寧に振り返っています。そのときに活用しているのが、シンプルな3つの質問です。

(1) WHAT – 何があったのか? (見る・把握する)
(2) SO WHAT – それはどういうことか? (読み解く)
(3) NOW WHAT – では次にどうする? (考える)

これを事業を実施した複数のスタッフや関係者で行うことがとても効果的です。

(1)WHATでは、単にある活動を実施した、何人参加した、ということだけではなく、そのときの様子や、関係者とのやりとりを丁寧に思い起こします。そこから、(2)SO WHATで、なぜそうだったのかを分析していきます。こうすることで現場で起こっている複雑な状況をとらえて、(3)NOW WHATで次からの活動で工夫したり、改善したり、優先順位を高めていくべきことが明確になります。
これを繰り返してより質の高い事業を目指していきます。

TH_20180712_01

save takataの皆さんと振り返り

TH_20180712_02

助産師会の皆さんと振り返り