アフガニスタン
Afghanistan

事業期間:2001年12月~

活動地:
カブール市、パルワン県、ナンガルハル県

アフガニスタン クナール県の震災被災者への炊出し支援(2025年9月)

2025年8月31日深夜、アフガニスタン東部で大地震が発生し、国連の報告では2,150人以上が犠牲となりました。数多くの家屋やインフラが破壊され、人びとの生活に甚大な被害をもたらし、クナール県とナンガルハル県の避難所に多くの家族が身を寄せました。被災した人びとは食糧や清潔な水を得ることが困難で、発災後は避難所に調理施設等が整備されておらず、食糧支援の必要性が高い状況でした。これを受け、ジェンはクナール県のカズ・クナール避難所にて、被災された方々の命を繋ぎ、心身の健康を支えることを目的に、温かい食事を提供しました。

具体的な内容

●避難所の一角に厨房を設置し、食品安全衛生基準に関する訓練を受けたスタッフが運営。
●他の市民団体等と手分けをし、暫定当局とも調整の上、毎日その日に必要となる食事の量を確認し、重複や廃棄を防ぐ形で提供。
●温かいカブリ・プラオ(柔らかい肉、にんじんや玉ねぎ、スパイス類の入ったアフガニスタンの伝統的な炊き込みご飯)に焼きたてのパン、ミネラルウォーターを添えたパッケージを累計8,000個配布。
●人だかりによる混乱を避け、高齢の方や障がいのある方、女性などの安全と尊厳を保つことができるよう、テントに直接配布を行った。

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事業地

アフガニスタン クナール県のカズ・クナール避難所

支援により改善できること

地震で被災した方々に対し、栄養価が高く、地域の食文化に沿った温かい食事を提供することで、命を繋ぎ、被災後の心身の健康を維持・回復することに寄与します。

ナンガルハル県における脆弱な帰還民世帯を対象とした食糧支援(2025年7月~)

長期にわたる紛争や政変の影響から、アフガニスタンの隣国パキスタンには数多くの人びとが避難しています。そのような状況下、2023年9月にパキスタン政府は、正式に滞在に必要な書類がない人びとの帰還を求める「不法(滞在)外国人帰還計画」を発し、2025年4月までに、パキスタンとイランから243万人を超える人びとがアフガニスタンに帰還しました。住まいも仕事も失い、これからの暮らしに何の保障もなく着の身着のまま帰還した人びとは、既に人口の約3分の1にあたる人びとが食糧不安に直面するアフガニスタンで、深刻な人道危機に晒されました。こうした状況を受け、ジェンは脆弱な立場にある帰還民の方々に対し、食糧危機の緩和と基本的な衛生知識の習得を目的に、食糧と石けんの配布、衛生啓発活動を実施しています。

具体的な内容

●女性が世帯主の世帯や5歳未満の子どものいる世帯、妊娠中・授乳中の女性や障がいを持つ方がいる世帯を基準とし、コミュニティと協議のうえ支援対象者を特定。
●ナンガルハル県内でも帰還民の多い地区で、国連機関や県当局などと連携し、支援の重複がないよう地域を調整し、2025年以降に帰還した帰還民1,024世帯(約7,160人)を対象とし、2ヶ月分の食糧パッケージと石けんの配布を行う。
●食糧パッケージ・石けんの配布とともに、適切な手洗い方法や簡単な浄水法など、基本的な衛生知識に関する啓発を行う。

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食糧パッケージと石けん配布時の様子

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衛生啓発活動の様子

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配布した食糧を食す子どもたち

事業地

アフガニスタン・ナンガルハル県の5地区(ジャララバード、ベスード、スクロッド、カマ、シェザード)

支援により改善できること

食糧配布によって脆弱な帰還民世帯の食糧危機が緩和され、人びとの命を繋ぎます。
石けんの配布と衛生啓発により、基本的な衛生習慣を身に付け、水を原因とする病気や下痢などにかかるリスクを減らします。これらの取り組みは、帰還後の生活基盤を築くうえで重要な健康状態の維持・向上につながります。

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

ナンガルハル県コギャニ地区の帰還民、国内避難民と脆弱な地元の人びとへの水衛生環境改善支援(2024年10月~2025年5月)

アフガニスタンでは約2,110万人が安全な水と衛生の支援を必要としています。不衛生な環境により下痢やコレラが広がり、2023年には19万人以上が感染しました。さらにパキスタンからの帰還民が大量に流入し、特にナンガルハル県では水不足と病気の蔓延が懸念されています。
私たちはこの県のコギャニ地区メムラ村で支援を行います。ここは長らく支援が届かず、住民の方々の収入も低く、帰還した人を多く受け入れている村です。安全な水が手に入らず、手洗いの習慣もなく、屋外で排せつする家庭がほとんどで、下痢やコレラなどの病気が広がっています。
そこで井戸や給水所を建設し安全な水を確保し、衛生教育と石けん配布で手洗いなどの習慣を広め、病気を減らすことを目指します。

具体的な内容

●関係機関と連携して進めます。
国連機関や現地当局、他のNGOと情報を共有し、支援が重ならず必要な場所に届くよう調整します。

●支援が必要な家庭を確認し、対象を決めます。
村での聞き取りや調査を行い、特に厳しい状況に置かれた世帯を把握します。

●手洗いなどの衛生教育と石けん配布を行います。
病気を防ぐために、正しい手洗い・水の使い方・衛生習慣を伝え、石けんも配ります。

●井戸と給水設備を整備します。
安全な水を安定して使えるよう、信頼できる業者とともに井戸・貯水槽・給水所を設置します。

●村の人たちで“井戸の管理チーム”を作ります。
支援を受ける住民の中から井戸管理委員会を立ち上げ、地域主体で給水設備を守れる体制を整えます。

●井戸の使い方と維持管理を住民に引き継ぎます。
管理チームに研修を行い、修理道具などの維持管理キットも渡して、支援後も自分たちで管理できるようにします。

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事業地

ナンガルハル県コギャニ地区

支援により改善されること

住まいの近くで安全な水が手に入るようにし、衛生の知識も広めます。これにより、人びとは安心して暮らせるようになり、水を通じた病気のリスクが下がります。

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

職業技術研修を通じた生計支援事業(2023年4月~)

背景:複合的な危機に直面するアフガニスタン

アフガニスタンでは現在、約2,290万人が人道支援を必要としています。長年の紛争に加え、干ばつや新型コロナウイルス、そして政変に伴う経済崩壊が深刻な人道危機を招きました。
また国内避難民や帰還民の増加により、食料不足や生計手段の欠如が拡大し、人口の約半数が深刻な食料不安に直面しています。特に女性や子どもたちは、栄養不足や収入機会の欠如、暴力や搾取のリスクにさらされています。生活の困窮から教育が後回しにならざるを得ないなど、負の連鎖が続いています。

具体的な内容

本事業では、ニーズ調査の上、地域住民や暫定当局の地区担当者、地域のリーダーらと緊密な協議を行い、特に支援を必要としている世帯から事業参加者を特定しています。女性を含む実習生に対し、生計向上を目的とした「技術研修」と「ビジネス支援」を包括的に実施しています。

●具体的なアプローチ: 地元企業と連携した技術研修、経営や市場調査の基礎を学ぶビジネス研修を提供。
●環境整備: 研修期間中の交通費等の支給に加え、修了後には即座に活動を開始できるよう、必要な道具や資材を配布。
●継続的な伴走: 定期的なモニタリングを通じて個々の進捗を確認し、一過性ではない、着実に成果を生み出す支援体制を構築。
※事業開始時の現地の状況に合わせて、事業内容を調整しています。

事業地

アフガニスタン ナンガルハル県

支援の展望:暮らしの安定と子どもたちの未来

本事業の目的は、アフガニスタン東部ナンガルハル県において、困難な状況にある方々に「自ら収入を得る手段」を提供することです。 生計が回復し、家計が安定することは、家族の暮らしを支える強固な土台となります。そして、経済的な理由で就学・通学を諦めていた子どもたちが、再び学校へ通える環境を取り戻すことも目指しています。

 

2023年度の取り組み

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2024~2025年度の取り組み

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道具類配布時の様子

 

継続的な支援活動

2023年4月~9月 ナンガルハル県にて21名(女性8名、男性13名)を対象に、技術研修およびビジネス研修を実施。自立のための道具・資材を提供しました。
2024年2月~3月 ナンガルハル県の帰還民が集中する4地区(ベスード、カマ、ダラエヌール、クズクナール)にて、20名(女性8名、男性12名)の帰還民を対象に支援を実施しました。
2025年9月~11月
【3か年の中期計画の1年目】
ナンガルハル県の帰還民10名(女性9名、男性1名)を対象に支援を実施しました。現地では女性の社会参加への制限が年々厳しさを増していますが、ジェンは2025年度より3か年の中期計画を策定。一人でも多くの人が持続可能な自立を果たせるよう、現地の状況に即した支援を推進していきます。

 

事業後のモニタリング

2023年度の事業の様子①

2023年度の事業の様子②

干ばつの被害を受けた国内避難民・帰還民・脆弱な地元の方々への食糧配布とフード・フォー・ワーク (2023年1月~)

ナンガルハル県では75万人を超える人びとが食糧危機に瀕しています。干ばつによる被害も深刻化しています。
この地域のほとんどの人びとは灌漑用水路を活用し、農作物の栽培で生計を立てていましたが、干ばつが繰り返され、十分な収穫が得られなくなっていました。地域の人びとは灌漑用水路の整備をしたくても、そのための道具を購入する余裕もないため、手を付けられないという状況でした。そこでジェンはこの地域で干ばつの被害を受けた国内避難民、帰還民、脆弱なホストコミュニティの中で最も厳しい状況の世帯に食糧配布を行うことにしました。
この事業が通常の食糧配布事業と異なるところは、配布対象世帯に灌漑用水路の整備に従事できる人がいる場合は、作業に従事した対価として食糧を配布するところです。世帯主が女性など、整備作業に従事できる人がいない対象世帯には、通常通り食糧パッケージを配布します。
この事業の目的は、①食糧危機の状況が緩和されること。②灌漑用水路を整備することで中長期的に農作物の生産を増加させること。③地域住民が灌漑用水路の整備技術を身に着けることにより、事業後も自らが維持管理を実施していけるようになることの3点です。
また状況に応じて、用水路の入り口に水量を調節するための水門を設置することで、洪水が来ても農地や居住地に被害が及ばないような工夫もしています。

2023年度事業の様子

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用水路整備の技術研修の様子

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灌漑用水路の整備

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食糧・物資配布時の様子

具体的な内容

●地域の状況を熟知した事業参加者の代表者を含む委員会で、支援対象者を決定する。
●干ばつの被害を受けた、特に厳しい状況にある世帯に2ヶ月分の食糧と物資を提供する。
●灌漑用水路の整備に従事する対価として食糧と物資を提供する。

事業地

アフガニスタン・ナンガルハル県

支援により改善されること

食糧支援によって、干ばつの被害を受けた脆弱な世帯の食糧危機の状況が緩和されます。地域住民が灌漑用水路を整備することで、中長期的に農作物の生産量を増やしていけるようになります。整備の道具を提供し技術を伝えることで、事業後も自分たちで灌漑用水路を整備することができます。自らが整備できるようになることで、自信にもつながり、ひいては持続可能性の向上も見込めます。

事業開始月から終了月 アウトカム
2023年1月~2023年8月 ナンガルハル県ダラエヌール地区で、干ばつの被害を受けた脆弱な915世帯への食糧支援により、食糧危機の状況が改善され、地域住民自らが灌漑用水路を整備していけるようになった。
2023年8月~2024年2月 ナンガルハル県チャパルハル地区で、干ばつの被害を受けた脆弱な486世帯への食糧支援により、食糧危機の状況が改善され、地域住民自らが灌漑用水路を整備していけるようになった。
2023年12月~2024年8月 ナンガルハル県コギャニ地区ザワ村で、合計287世帯に衛生教育を実施し、井戸と給水所を設置、安全な水へのアクセスを確保した。また310帯に、食糧2か月分を配布し、食糧危機の状況が改善され、地域住民自らが灌漑用水路を整備していけるようになった。
2025年3月~2025年10月 ナンガルハル県バティコト地区で、洪水の被害を受けた脆弱な424世帯への食糧支援により、食糧危機の状況が改善され、地域住民自らが灌漑用水路を整備していけるようになった。
2025年10月~現在実施中 ナンガルハル県モマンダラ地区で、洪水の被害を受けた脆弱な世帯への食糧支援により、食糧危機の状況が改善され、地域住民自らが灌漑用水路を整備できるようになるために実施中。

2024年度事業の様子

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灌漑整備の様子

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重機を使うこともあります

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食糧・物資の配布時の様子

2025年度事業の様子

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研修時の様子

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灌漑整備の様子

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食糧・物資の配布時の様子

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

女子学習環境改善事業(ナンガルハル県)

ナンガルハル県ではアフガニスタンの中で最も多くの学校が閉鎖もしくは破壊されました。
65.8%の就学年齢の女子が学校に行けていないのが現状です。この理由としては、女子には教育は不要という考えや、トイレや学校設備が不足している事も挙げられます。
また、設備の欠損により外から学校内部が見えるということが、パルダ(女性が男性の視線にさらされることから守る風習や制度:ヴェールなどもその風習の1つ)という文化を持つ女子生徒たち、保護者や教師たちに不安や不快な思いを抱えさせ、不登校の原因になります。
そこで学校設備や教師の質を向上して安心、安全に学習できる環境を作ります。

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現在は、仮設のテントで授業を行っています。

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この場所に学校を立て、トイレと給水所も建築予定です。

(1)学校施設の整備

6つの学校で校舎、外壁、トイレや貯水槽の整備をします。いずれも女子が通える学校で、高めの壁や清潔なトイレなど、思春期でも安心して教育を受けられる環境を作ります。

(2)衛生知識の向上

生徒だけでなく、教師や学校管理委員会(校長、教師、保護者、長老、地域のリーダー、教育省担当者、高校の場合は生徒代表も含む)を対象に衛生教育を実施します。石鹸を使った手洗いの重要性、身の回りの衛生や新型コロナ対策について知識が実践されるように伝え、子どもたちが健康な状態で学校に通えることを応援します。石鹸、タオルや生理用ナプキンを含んだ衛生キットも配布されます。

(3)教師の質の向上

アフガニスタンの58%の教員が必要最低限の資格をもっていません。授業を計画する方法や教え方などを含めた基礎教育法だけでなく、紛争を目の当たりにした子どもたちのこころのケアをできる様、心理カウンセリングの研修も教師の皆さんに受けていただきます。こうして、心理的ストレスが生活に与える影響や症状を理解し、心理的苦痛を緩和する策も実践できるようにします。

持続可能な状況をつくるために

研修には、学校管理委員会が主体となって、衛生教育と心理カウンセリングの研修を新任教師へ伝授するための計画をたてることも含まれています。これにより、今後も心のケアの方法や衛生知識などを学校から生徒へ、そして地域へ広めていける仕組みとしています。
また、イスラム教の金曜礼拝の場で女子教育の大切さについて話していただき、現地の文化や習慣を尊重しながらも家族やコミュニティの中で女子教育への理解を深めていく事が期待できます。

※本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力」からの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

水・衛生環境の改善支援(ナンガルハル県)

ナンガルハル県チャパルハル地区で水・衛生環境の改善支援を実施しています。
2019年にアフガニスタン政府が掌握した地域であり、帰還民支援や復興のニーズが最も高い所です。とくに、水・衛生環境の改善が喫緊の課題とされており、住民の45%が衛生的な水を十分に確保することができないといわれています。住民への聞き取り調査でも、近くの小川や浅井戸の必ずしも安全ではない水を飲料水にしていること、3km以上も離れたモスクの井戸まで毎日7回も通っている子どもたちがいることが明らかになりました。
そこで、JENは、チャパルハル地区のグルシャンアバド村を対象に、水・衛生環境の改善支援を9月に開始いたしました。

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車が通る大きな道を渡って、水を汲みに行く子どもたち

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小川の濁った水を汲む子ども

(1)井戸建設と配管整備、維持管理体制の構築

深さ110mの太陽光発電式深井戸を建設し、そこから高低差を利用して20箇所の給水所に連結します。各給水所は、15から20世帯が利用する計画で、いずれの世帯からも500m以内でアクセスできる場所にする予定です。この深井戸の建設により、360世帯(約2500人)の住民たちが、安全な飲料水にアクセスできるようになります。また、給水施設の維持管理を目的とした井戸管理委員会を地域住民20名で組織し、支援終了後も自分たちで給水施設を維持管理するための体制を構築します。

(2)衛生教育の実施

住民たちの水・衛生に関する知識は低く、住民の72%が手洗い用の石鹸を持っていないというデータもあります。新型コロナウィルス感染症拡大にともない、正しい衛生知識がますます重要となってきている今、水・衛生事業に従事した経験のある人材を衛生プロモーターとして地域の方の中から募り、住民への衛生教育の実施と、衛生キットの配布を行います。

持続可能な状況をつくるために

現地に雇用を生み出しながら、井戸建設、持続可能な管理体制の構築、衛生教育を通して、住民たちが安全な飲料水に継続的にアクセスできるよう支援していく予定です。

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。